共通テスト形式の模擬試験(模試)を受験したり、共通テストリサーチの結果を見ると、成績表に「A判定〜E判定」といった合格判定ランクが表示されます。これは模試の成績にもとづき、志望校合格の可能性をパーセンテージ評価したものです。
一般的にA判定は「合格圏内」(合格可能性80%以上)、C判定は「合否五分五分」(約50%)、E判定は「現状では厳しい」(20%以下)といった目安になります。ただし、この判定基準は予備校ごとに若干異なる場合があり、同じ学力でも受けた模試の主催によって判定結果が変わることがあります。ここでは大手予備校である河合塾と駿台について、共通テスト模試の合格判定ランクA〜Eの基準の違いを比較します。
合格判定ランクA〜Eとは?
模試の合格判定ランクは、志望校に対する現時点での合格可能性を5段階(A〜E)で示したものです。A判定がもっとも合格可能性が高く、「合格圏内」とみなされる層、E判定がもっとも低い層(現状では合格が難しい層)です。判定アルファベットの意味合いはおおむね以下の通りです。
- A判定:合格可能性80%以上(合格圏内)
- B判定:合格可能性60〜70%程度
- C判定:合格可能性約50%(合否五分五分のボーダーライン)
- D判定:合格可能性約30%前後
- E判定:合格可能性20%以下
判定は過去の模試データと合格者データの統計にもとづいて算出されています。たとえばC判定(50%)は「過去に同程度の成績だった受験生のうち約半数が合格した」というラインであり、A判定(80%)なら「同程度の成績だった人の約80%以上が合格した」という意味になります。一方、E判定(20%以下)は「同程度の成績だった人の大半(約80%以上)が不合格だった」という厳しい状況を示すといえます。
では、この判定基準に河合塾と駿台でどのような違いがあるのか、具体的に見てみます。
河合塾の判定基準(共通テスト模試、リサーチ)
河合塾が主催する全統模試(共通テスト模試含む)では、合格判定はA〜Eの5段階で評価され、その基準は次のように定められています。
- A判定:志望校合格可能性 80%以上
- B判定:志望校合格可能性 65%程度
- C判定:志望校合格可能性 50%程度 (合格ボーダーライン)
- D判定:志望校合格可能性 35%程度
- E判定:志望校合格可能性 20%以下
河合塾ではC判定の50%前後を「ボーダーライン(合否の分かれ目)」と位置付けています。つまり志望校に対し半分程度の合格率が見込めるかどうかが一つの基準です。B判定はそのボーダーラインより上で65%程度とされ、逆にD判定はボーダーラインより下がった35%程度に設定されています。E判定は20%以下で、明らかに合格圏から遠い層という扱いになります。このように河合塾の判定基準は真ん中のC判定(50%)を基準に上下約15%刻みでランクを区切っていることが特徴です。
駿台の判定基準(共通テスト模試、リサーチ)
一方、駿台予備校(駿台模試)の合格判定もA〜Eの5段階ですが、その判定基準は河合塾とはやや異なります。駿台では各ランクがおおむね20%刻みの幅で設定されており 、公式には次のように定義されています。
- A判定:志望校合格可能性 80%以上
- B判定:志望校合格可能性 60%以上80%未満
- C判定:志望校合格可能性 40%以上60%未満
- D判定:志望校合格可能性 20%以上40%未満
- E判定:志望校合格可能性 20%未満
駿台のB判定〜D判定はそれぞれ約20%幅のレンジとなっている点が河合塾との違いです。C判定の下限が40%と、河合塾(50%)より低く設定されているため、合格可能性が50%前後のケースでは駿台模試だとC判定内に収まりますが、河合塾模試ではC判定に届かずD判定になり得る点に注意が必要です。逆に、B判定の基準は駿台が60%であるのに対し河合塾は65%とやや高めに設定されています。例えば合格可能性60%の受験生は、河合塾の基準ではB判定にわずかに届かずC判定となりますが、駿台の基準ならB判定になります。このように、中間ランクの基準値(ボーダーライン)が河合塾の方が全体的に約5〜15%程度高いことがわかります。
またD判定の範囲にも差があります。河合塾ではD判定の目安を35%前後としており、概ね20%台後半〜30%台がD判定ゾーンになります。一方、駿台では20%以上40%未満をすべてD判定とするため、20%台前半でも駿台ではD判定が付きます (河合塾では20%以下はE判定)。E判定の定義自体は「合格可能性約20%以下」という点で両者共通しています が、駿台では20%ちょうどの場合はD判定になるのに対し、河合塾では20%でもE判定となる違いがあります。
判定基準の違いと判定結果の捉え方
以上をまとめると、A判定の基準(80%以上)は河合塾・駿台とも同じですが、B〜D判定の区分設定に差があります。河合塾の方がC判定ボーダー(50%)やB判定基準(65%)が高めで、駿台の方が各ランクの幅を広く取りやや低めのパーセンテージから上位判定が付くと言えます。言い換えれば、同じ合格可能性50%程度の成績でも、河合塾模試ではD判定になる場合に駿台模試ではC判定になることもありえます。また60%程度の成績なら河合塾ではC判定止まりでも駿台ではB判定になる可能性があります。受験生はこの判定基準の違いを理解し、他校の模試結果を単純比較しないよう注意しましょう。
最後に、判定結果の信頼度と活用法についても触れておきます。判定はあくまで「現時点での目安」であり、模試でA判定だからといって必ず合格する保証はありませんし、E判定でも不合格が確定したわけではありません。実際、河合塾の分析によれば「A判定でも約15%の受験生は不合格になり、E判定でも約15%は合格している」というデータがあります。判定が良くても油断は禁物ですし、判定が悪くても早計に志望校を諦める必要はありません。模試の判定結果は自分の現状と志望校との「距離」を示す指標として捉え、不足している力を分析して今後の勉強に活かすことが大切です。
