医学部専門個別予備校

エビングハウス付箋で医学部合格へ|忘却曲線に基づく最強の復習法を徹底解説

医学部合格を目指す受験生にとって、膨大な知識をいかに定着させるかは大きな課題です。せっかく学習しても、時間が経つと忘れてしまう経験は誰にもあるでしょう。人の記憶には「エビングハウスの忘却曲線」と呼ばれる法則があり、これを踏まえた効率的な復習法として開発されたのが「エビングハウス付箋」です。ここでは、忘却曲線の理論を簡潔にまとめ、その理論に基づく「エビングハウス付箋」の具体的な使い方や勉強法を解説します。医学部受験に特化した活用例や、色分けなどの工夫、モチベーション維持・時間管理への効果、注意点についても詳しく紹介します。最後まで読み進め、合理的な学習法で医学部合格への一歩を踏み出しましょう。

エビングハウスの忘却曲線とは?

まず、エビングハウスの忘却曲線について押さえておきましょう。忘却曲線とは、19世紀のドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが人間の記憶保持の変化を測定した実験結果から提唱した概念です。エビングハウスは無意味な音節(意味のないアルファベットの並び)を被験者に記憶させて、その後どれだけ記憶が維持されているかを時間経過とともに調べました。その結果、人間は学習した直後から急速に記憶を失い、20分後には約42%を忘れてしまっていた(言い換えれば58%しか覚えていなかった)ことが報告されています 。この実験は「人は放っておくと驚くほど忘れてしまう」ことを示し、学習内容を長期記憶に定着させるには適切なタイミングで復習することが重要だと示唆しました。

では、具体的にどのタイミングで復習すれば効果的なのでしょうか。後年の研究では、学習後24時間以内に一度目の復習を行えば10分程度で記憶を100%近くまで戻せることがわかっています。さらに1週間以内に二度目の復習をすると約5分で記憶が蘇り、30日以内(約4週間以内)に三度目の復習をするとわずか2~4分で思い出せるようになる、という結果が報告されています。反対に、全く復習をしなければ1ヶ月後には学んだことの大半を忘れてしまうということが実証されています。このように、学習後の適切なタイミングで複数回復習する(いわゆる間隔反復)ことで、忘却曲線による記憶の減衰を抑え、効率よく知識を定着させることが可能となります。

エビングハウス付箋とは何か?

こうした忘却曲線の理論をヒントに開発された学習ツールが『エビングハウス付箋』です 。見た目は一見シンプルな付箋紙ですが、学習日と復習日を可視化できるよう工夫されています。エビングハウス付箋の下部には「学習した日」の日付(1~31の数字)が印刷されており、上部には「復習すべき日」として翌日・1週間後・4週間後に相当する日付の数字が色付きで並んでいます。例えば「15」の日付が一番下に記載された付箋なら、上部には翌日(16日)、1週間後(22日)、4週間後(29日)という具合に3つの数字が記されています(※この日数設定はエビングハウスの忘却曲線に基づいて決定されています )。一見すると不思議な並びですが、この4つの数字こそが「学習日+復習日程」を表しており、その通りに復習するだけで自動的に忘却曲線に即した復習計画が実行できるという工夫がこめられています。

「エビングハウス付箋」の開発者によれば、「人が学んだことをより確実に記憶に定着させるには適切なタイミングでの復習が何より大事だ」という、まさにエビングハウスの忘却曲線に発想得て、この付箋が生まれたそうです。実際、「エビングハウス付箋」を使うことで「復習すべきタイミングがひと目で見えるようになり、勉強のスケジュール管理が格段にしやすくなる」といった声もあります。シンプルながら特許も取得済みの注目アイテムで、近年では受験生や資格試験の学習者を中心に活用が広がっています。

エビングハウス付箋の使い方

エビングハウス付箋の使い方はとても簡単です。以下に基本的な手順をまとめます。

エビングハウス付箋の基本的な使い方: (1) 学習日に該当する番号の付箋を貼る (例:1日に学習したら「1」と書かれた付箋を教材に貼る)、(2) 付箋上部に書かれた日付(翌日・8日・29日など)に従って復習し、終えた日付部分をハサミ等で切り取る、(3) 全て切り取ればその付箋で設定された復習が完了します。

1. 学習日の付箋を貼る

その日勉強した教材(ノートや問題集のページなど)に、学習日と同じ数字が一番下に書かれたエビングハウス付箋を貼ります。例えば7月1日に学習した場合は、下部に「1」と記された付箋をそのページに貼り付けます 。

2. 指定日に復習する

貼った付箋の上部に並ぶ日付が復習予定日です。その日になったら付箋を貼ったページを開き、内容を復習します。先ほどの例なら、翌日の7月2日、1週間後の7月8日、4週間後の7月29日に同じ箇所を見直すことになります。復習方法は内容に応じてさまざまですが、ポイントは「その箇所をもう一度思い出すこと」です(解き直しや暗唱、要点チェックなど能動的復習が効果的です)。

3. 復習完了ごとにカット

各復習を終えたら、付箋のその日付部分を切り取って取り除きます。付箋にはあらかじめミシン目(切り取り線)が入っているため簡単に切り離せます。これにより「○日の復習は完了した」という印が付き、付箋がどんどん短くなっていきます。3回目(4週間後)の復習まで全て終えて付箋の数字部分を全て切り取ったら、その付箋で設定された復習は完了です。

このように、「エビングハウス付箋」を貼っておくだけで、「いつ何を復習すべきか」が手帳や頭の中になくとも教材上で可視化されます。付箋がノートやテキストから少し飛び出す形で貼られるため、後からパラパラと見返した際にも復習予定のページが一目で分かり、復習のし忘れを防止できる点もよくできています。「この日はもう復習しかな?」と迷う心配もなく、復習漏れをチェックする手間も省けます。シンプルな仕組みですが、学習習慣の管理を強力にサポートしてくれる便利なツールです。

医学部受験における具体的な活用例

では、医学部受験生はこの「エビングハウス付箋」をどのように活用できるでしょうか。理系科目から語学、小論文まで幅広い科目で効果を発揮しますが、ここでは特に医学部入試で重要となる理科科目、英語(英単語)、医系小論文への応用例を紹介します。

理科科目の復習管理に

医学部受験では物理、化学、生物といった理科の深い知識が要求され、演習問題も大量にこなさなければなりません。こうした理科科目の復習管理にも「エビングハウス付箋」は最適です。

例えば、問題集や過去問演習で間違えた問題や解法に時間がかかった問題があれば、そのページに即座にエビングハウス付箋を貼り付けておきましょう。翌日、1週間後、4週間後と繰り返し解き直すことで、同じミスを防ぎ記憶に定着させることができます。「苦手な部分は明日も1週間後も苦手かもしれませんが、その部分だけを思い切って反復することで確実に記憶につながっていきます。テスト後や過去問題集を行なった次の日から始めると有効」という指摘の通り、模試や過去問演習の翌日からこの付箋を活用して復習サイクルに乗せると効果的です。

また、理科の公式や実験手順、解法パターンなど暗記すべき知識についても、付箋で計画的に復習すると忘れにくくなります。例えば生物の用語集や化学の反応経路などを学習した日に印を付け、「エビングハウス付箋」の指示通りに何度も見直すことで、知識を断片的に詰め込むのではなく長期記憶に刷り込むことができます。理科は範囲が広いため一度覚えても放置しがちですが、付箋を貼っておけば復習の抜け漏れをなくし、計画的に弱点克服ができるでしょう。

英単語の記憶定着に

英語も医学部受験の合否を左右する重要科目です。特に英単語は大量に覚える必要がありますが、人間の記憶は放っておくとすぐ薄れてしまいます。「エビングハウス付箋」は英単語帳や英語ノートにも応用可能です。

具体的には、新しく覚えた単語のページやセクションに付箋を貼ります。例えば、単語集で1日に覚える範囲を決め、その範囲のページに当日の日付の付箋を貼っておきます。翌日になったら付箋に従ってその単語ページを再度チェックし、覚えているかテストをしましょう。1週間後、4週間後にも同様にチェックします。こうすることで、覚えたつもりの単語を忘れる前にタイミング良く復習できて、記憶への定着率が飛躍的に高まります。

エビングハウスの忘却曲線の示す通り、人は一夜漬けで詰め込んだ知識の多くを短期間で忘れてしまうものです。これは人間の本性です。しかし裏を返せば、覚えてすぐ、少し経ってから、さらに忘れかけた頃に何度か思い出すことで長期記憶に移動させることはエビングハウスが示しています。英単語暗記にこの原理を取り入れれば、単語集を最初から最後まで何周も繰り返すより効果的かつ効率的です。「覚えるためにはシステム英単語を何周もしなきゃ」と闇雲に繰り返すより、付箋を使って忘れる前にピンポイント復習する習慣を付けましょう。結果として全単語をまんべんなく記憶に残せるだけでなく、復習に費やす時間も大幅に節約できます。

さらに、付箋の色分けを活用すれば英単語の暗記効率はより上がります。例えば、科目や重要度によって付箋の色を変えるという方法があります。覚えなくててはならない英単語には青い付箋、熟語には緑の付箋、英文法事項には黄色い付箋というように色でカテゴリー分けして貼ると、一目で何の復習項目か識別できます。

また、覚えにくい単語や何度も間違える単語には目立つ色の付箋を使い、特に重点的に復習するマークにするのも良いでしょう。公式の商品として販売されている「エビングハウス付箋」自体にも何種類かのカラーバリエーションがありますが、自分なりに意味付けした色分けを行うことで視覚的にも脳にインプットされ、記憶の手助けになります。色以外にも、付箋に★印を描き込んで難易度を示したり、復習済みの箇所にスタンプを押したりする工夫も取り入れて、ゲーム感覚で英単語の暗記を進めるのもモチベーション維持に有効です。

医系小論文対策に

医学部入試では医系小論文を課す大学も多く、医学的知識や社会問題への見解を論理的に述べる力が求められます。小論文対策では、医療や社会に関する知識のインプットも重要です。この知識整理にもエビングハウス付箋を活用することができます。

医学部受験生のためのエビングハウス付箋活用法

自分で書いた小論文の下書きや添削済み答案にも付箋は有効です。書きっぱなしにせず、一定期間をおいて何度も読み直すことで、論旨の一貫性や誤字脱字、表現の改善点などを客観的に捉え直せます。付箋が付いた答案を期間ごとに見直し、気づいた改善点を追記していけば、着実に文章力が向上していくでしょう。さらに、小論文で扱われるテーマ(例えば「高齢化社会と医療」や「AIと医学」など)ごとにノートをまとめ、そのノートに付箋を貼っておけば、試験直前期まで継続的に知識をブラッシュアップできます。

小論文対策では知識のインプットとアウトプット(文章を書くこと)の両輪が大事ですが、「エビングハウス付箋」による計画的インプットは年間での小論文学習に効果があります。知識が定着していれば、自信を持って自分の意見や考察を展開できるため、結果的に小論文の質も上がります。小論文授業で扱う素材には、医学部志望の受験生ならではのニュース記事や論文も多いでしょうから、それらを「読んで終わり」にせず必ず復習するというサイクルを付箋で回していきましょう。

エビングハウス付箋を使うメリット

以上のように様々な教科、用途で活用できる「エビングハウス付箋」ですが、そのメリットをもう一度整理してみます。

記憶定着率の向上

どの科目でも、エビングハウスの忘却曲線に沿ったタイミングでの復習により、効率よく長期記憶に移行できる点が最大のメリットです。学習内容を忘れてしまう前に思い出すことで、脳に「この情報は重要だ」と認識させ、結果として暗記に費やす総時間を削減できます。毎日新しいことを覚えていかなければならない医学部受験生にとって、「忘れにくい学習方法」を身につけることは、はそれだけで大きなアドバンテージになります。

時間の有効活用(効率化)

復習時間が短縮できることも大きな利点です。前述のように、適切な間隔で復習すれば短時間の復習で記憶を取り戻せるため 、一から勉強をやり直す必要がありません。逆に復習しないまま放置すると、せっかく覚えたことを忘れてしまい、再度長時間かけて勉強し直す羽目になります。「エビングハウス付箋」で計画的に復習しておけば、「思い出すための5分、10分」で済み、空いた時間を新しい学習や演習に充てることができます。限られた受験勉強の時間を最大限にに活用し、余った時間は別の勉強に費やすことができるでしょう。

弱点克服と得点力アップ

「エビングハウス付箋」では、基本的に「間違えた問題や覚えづらいポイントだけを重点的に復習」します 。これは、できている所に時間をかけず弱点を集中的につぶす勉強法ともいえます。受験生によって苦手分野は異なりますが、自分に必要な復習だけをピンポイントで繰り返すことで効率よく苦手克服が図れます。結果として学力全体の底上げができ、点数アップにも直結します。「教科書を端から端まで3周読む」ような一律的で、無駄の多い勉強ではなく、「必要な箇所を必要な回数だけ復習する」合理的なな学習が可能になるのです。

復習計画の「見える化」

付箋によって復習すべきタイミングが一目で分かるため、勉強計画が立てやすくなります。特に医学部受験生は各科目の学習計画が入り組みがちですが、付箋を貼った教材を開くだけで「今日はこの付箋の箇所を復習しよう」と即座に行動に移すことができます。付箋がカレンダー代わりになってくれるイメージです。これは時間管理の観点でもメリットで、付箋に導かれる形で日々の学習ルーチンが回るため、「いつ何をやるか」に悩んで無駄にする時間を減らすことができます。復習日が明確になることで学習サイクルにリズムが生まれ、安定した勉強習慣の維持にも役立ちます。

モチベーション維持

復習が進むごとに付箋を切り取っていく作業は、目に見える進捗として達成感を与えてくれます。残りの付箋が短くなっていく様子を見ると、「ここまで継続できた」という自信につながり、次の学習への意欲も湧いてくることでしょう。特に暗記科目は成果が実感しにくい面もありますが、「エビングハウス付箋」を使えば自分がこれまでどれだけ頑張ったが可視化されるため、心理的なモチベーション維持に効果があります。また、「付箋に従って復習さえすれば忘れない」という安心感が得られることで、勉強への不安やストレスを軽減できる点も見逃せません。計画通りに進めば合格に近づいているというポジティブなフィードバックが働き、勉強を継続する力になります。

「エビングハウス付箋」は記憶面、学習管理面、心理面で多くのメリットをもたらします。もちろん大前提として、最初の学習時にしっかり理解し覚える努力をすることが必要です。しかし、その努力を無駄にせず成果として積み上げていくために、「エビんングハウス付箋」は強力なサポーターとなってくれるでしょう。

使用上の注意点と工夫

便利な「エビングハウス付箋」ですが、使いこなす上での注意点や、さらに効果を高めるための工夫も押さえておきましょう。

復習の実行を怠らない

当たり前ですが、付箋を貼っただけで安心してしあまって、復習を先延ばしにしては意味がありません。「エビングハウス付箋」が閉示す翌日、1週目、4週目という復習タイミングは、忘却曲線に基づいたベストな猶予期間です。この機会を逃すと記憶はどんどん薄れてしまいます。忙しくて予定日に復習できなかった場合は、気づいた時点でできるだけ早く復習しましょう。多少遅れても全く復習しないより格段にマシです。期限を過ぎていても気づいたその日に復習を実行します。付箋を見るたびに「そうだ、復習しなきゃ」と自分に言い聞かせ、習慣化することが肝心です。

貼りすぎは計画的に

「エビングハウス付箋」をあちこちに貼りすぎると、管理しきれなくなる恐れがあります。毎日新たな付箋を貼っていけば、その分翌日以降の復習項目も雪だるま式に増えます。理想的には日々の新規学習量と復習量のバランスを取り、無理のない範囲で運用することが重要です。付箋を貼った教材やページは別途リスト化しておく、1日にこなす付箋復習は何件までと決める、といった自己ルールを設ける工夫も賢明です。付箋の枚数をコントロールし、「貼ったけど手が回らない」を防ぐことが大切です。

持ち運び時のケア

ノートやテキストに貼った付箋は、どうしても端が飛び出す形になります。カバンの中で引っかかったりして、意図せずミシン目から切れてしまうこともないわけではありません。貼った教材を持ち歩く際には、付箋が折れたりちぎれたりしないようクリアファイルに入れる、もしくは付箋の上からブックカバーや下敷きを挟むなどして保護すると安心です。万一付箋が取れてしまった場合でも、復習日自体は自分で記録しておけば問題ありません。

アレンジも取り入れる

「エビングハウス付箋」による復習の基本サイクルは翌日、1週後、4週後ですが、内容によってはさらに反復復習が効果的な場合もあります。どうしても覚えられない英単語などは、4週間後の復習のあとにも別色の付箋を貼り直し、再度同じサイクルで復習しても良いでしょう。逆に、一度で完全に理解、暗記できた事項には途中で付箋を外してしまうのも一つです(無理に復習するより他の勉強に時間を充てる方が合理的です)。このように、自身の習得度合いに応じて柔軟に運用することで、より無駄のない学習が実現します。付箋でスケジュールされた日に友人や講師に問題を出してもらうなどアウトプットの機会にするのもおすすめです。人に説明したりクイズ形式で答えたりすると記憶は一層強化されることがわかっています。「エビングハウス付箋」の仕組みに自分なりの工夫を加え、楽しく継続できるスタイルを見つけてください。

まとめ

エビングハウスの忘却曲線の理論を活かした「エビングハウス付箋」は、医学部受験生にとって心強い武器となり得ます。知識をただ詰め込むのではなく、忘却曲線にに抗って記憶を定着させる工夫を凝らすことで、今まで「全く覚えられない」「いつもすぐ忘れてしまう」と苦労していた暗記が効率的かつ計画的に進むでことしょう。「エビングハウス付箋」は、理科の演習復習、英単語の長期記憶化、小論文ネタのストックなど様々な場面で活用できます。ぜひ「エビングハウス付箋」を上手に使いこなして、「覚える→忘れる」の悪循環から脱却して下さい。

最後になりますが、ぜひLINEにご登録いただき、経験豊富なプロ講師と合理的な学習法を通じて、これまでとは違う勉強方法を身につけて、来春の医学部合格を一緒に目指しましょう!





LINE友だち追加バナー-
LINE友だち追加バナー-

関連記事

TOP