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【2026年度入試対応】過去20年の出典から読み解く 滋賀医科大学推薦入試小論文の傾向と対策

滋賀医科大学の推薦入試を目指す受験生と保護者のみなさまへ。医学部受験において、推薦入試は学力試験だけでなく、人物評価が重視される特別な機会です。中でも小論文試験は、受験生の思考力、倫理観、社会性、そして医師としての適性を評価する重要な選抜手段です。ここでは、滋賀医科大学推薦入試における小論文の出題傾向を、2003年度から2022年度までの20年間の出典をもとに分析し、出題テーマの考察とその対策について解説します。最新の2023年度、2024年度入試の出典、問題の最新傾向については夏に実施する「滋賀医推薦マスターコース」で詳細に解説します。

小論文テーマの傾向とその背景

滋賀医科大学の小論文では、一般的な時事問題や医療知識を問うのではなく、受験生の価値観や思考の深さを探るような文学・評論・科学啓蒙書などが出典として選ばれています。そこから見えてくる出題の方向性は、大きく分けて以下の6つに分類できます。

医療倫理と医師の職業観

医療の現場における判断や行動の倫理性、患者との関係性、生命の尊重など、医師という職業の本質に関わるテーマが繰り返し取り上げられています

  • 樋口範雄『倫理と法』
  • 柳田邦男『犠牲への手紙』
  • 大竹文雄・平井啓『医療現場の行動経済学』
  • 池波恵美子『病と死の文化』

こうした出典は、医師としての覚悟や、倫理的な判断力の有無を測る設問につながることが多く、単なる知識ではなく自らの価値観を言語化できる力が求められます。

科学リテラシーと主体的思考

現代社会では、科学技術が進歩する一方で、誤情報や非科学的な主張も多く出回ります。医師として、科学的根拠に基づいた判断ができるかどうかを問う出題も見られます。

  • ポール・オフィット『反ワクチン運動の真実』
  • 松永和紀『もうダマされないための「科学」講義』
  • アーサー・コーンバーグ『それは失敗からはじまった』

科学に対する健全な懐疑心と、批判的思考力を育んでいるかが重要な観点となります。

死生観といのちの価値

医学部入試ならではの特徴として、命の尊厳や死に向き合う姿勢を問うテーマも頻出しています。医師という職業が「死」と隣り合わせであることを強く意識させる出題です。

  • シェリー・ケーガン『死とは何か』
  • ラモン・サンペドロ『海を飛ぶ夢』
  • 多田富雄『免疫の意味論』

死について真正面から考え、自らの考えを深く掘り下げる力が求められます。

社会構造・文化と医療

医療は個人だけで完結するものではなく、文化的・社会的背景に大きく影響されます。その視点から、医療のあり方や医師の役割を考えさせる出典も多く見られます。

  • 加藤周一『日本文化における時間と空間』
  • 梅原猛『湖の伝説』
  • 山内昌之『ポスト冷戦から21世紀へ』

社会や歴史との関係性の中で、医療を捉える視野の広さを持つことが望まれます。

情報社会と批判的思考

現代の情報化社会では、膨大な情報の中から正確で価値あるものを見抜く力が必要です。医師としてだけでなく、一人の社会人としての判断力も問われます

  • 内田樹『日本の反知性主義』
  • 外山滋比古『思考の整理学』
  • 『ソーシャルメディア進化論』

単なる知識だけでなく、日々の生活やメディアとの接し方からくる思考習慣が、小論文で評価される部分でもあります。

歴史的視点や制度改革

歴史上の医療制度や人物を取り上げながら、医療の変遷や現在の課題について考えさせる出題もあります。データや制度資料をもとに考察する設問も見られました。

  • 高木兼寛に関する資料
  • 厚生労働省「新たな医師臨床研修制度の在り方」
  • 世界青年意識調査

対策のヒント

滋賀医科大学の小論文では、単に正解を答える形式ではなく、自分自身の価値観・倫理観・社会観を論理的に表現する力が問われます。そのためには、以下のような準備が効果的です。

時事・医療に関する良質な文章を読む

過去出典に登場した書籍や著者の文体に慣れておくことで、文章理解のスピードと深さが格段に上がります。すべてを読む必要はありません。書店で実際に本を手にとってみて興味の持てるものを他科目の受験勉強の合間に読んでみましょう。

  • 『死とは何か』(シェリー・ケーガン/文響社)
  • 『医療現場の行動経済学』(大竹文雄・平井啓/東洋経済新報社)
  • 『反ワクチン運動の真実』(ポール・オフィット/地人書館)
  • 『免疫の意味論』(多田富雄/青土社)
  • 『思考の整理学』(外山滋比古/筑摩書房)

書く訓練を積む

独りよがりの文章を書いているようでは合格にはつながりません。自分が書いた文章をプロに読んでもらって、文章構成、段落構成、論理の展開方法を訓練し、添削を受けながら少しづつ修正していくことが重要です。これは共通テストの勉強が忙しくなった時期に、1か月や2か月でできるものではありません。ただし、共通テストの勉強ももちろん重要です

面接と連動した「自己理解」を深める

小論文と面接のテーマは重なっていることが多いため、「なぜ医師を目指すのか」「どんな医師になりたいか」について、普段から自分の言葉で説明できるよう準備しましょう。滋賀医科大学の推薦入試はグループ討論ですから、実際にグループ討論の練習をすることも重要です。

滋賀医科大学の推薦入試は、単なる学力では測れない人間としての力が試される入試です。その中で小論文は、自分の内面を深く見つめ、未来の医師像を形作るための大切なステップとなります。これまでの出題から見えるテーマには受験生に、一貫して「人として、医師として、どうあるべきか」を問いかけようとする滋賀医科大学の問題意識が見えます。小論文の文章とグループ面接での発言を通して、あなたの医師としての適性と誠実さをしっかり伝える準備をしましょう。

グリットメディカルでは、夏休み前半にグリットメディカル「滋賀医推薦マスタークラス」を開講します。滋賀医科大学推薦入試に特化した小論文・面接対策講座実施します。過去20年以上にわたる出題分析と、丁寧な添削指導の繰り返し、複数回のグループ討論で、マスタークラス受講者全員の合格を目指します。人数限定ですので、申込者多数の場合には締め切ります。日程と会場が決まり次第、公式LINEで発表しますので、興味のあられる受験生や保護者のかたはぜひ下のLINEのお友だち登録から公式LINEにご登録ください。



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