医学部受験生やその保護者にとって、模試の成績表は現状を客観的に把握し今後の戦略を立てるための重要なツールです。しかし、「点数を眺めて終わり」にしたりしていませんか?模試結果を正しく分析すれば、何よりも効率的な勉強計画を立て弱点補強に使えるツールとして活用することができます。
ここでは、模試成績表の読み解き方(得点率・偏差値・順位・判定・科目バランスなど)から、成績推移による弱点科目の特定法、そしてPDCAサイクルを用いた復習、弱点克服の流れまでをできるだけ丁寧に解説します。
さらに、グリットメディカルの即時弱点分析と個別対策の実例にも触れ、医学部合格に向けて模試を最大限活用する学習戦略をご紹介します。実践的な情報をお届けしますので、ぜひ参考にんさってください。
目次
模試成績表のここに注目!正しい読み解き方
模試の成績表には多くの情報が詰まっていますが、特に重要なポイントは「判定」、「科目ごとの成績(偏差値・得点)」、「分野別成績」の3つです。これらを正しく読み取ることで、自分の現在の弱点や今後の課題が具体的に見えてきます。以下に、それぞれの項目の見方と分析方法を解説してゆきます。
偏差値・順位と判定の意味を正しく理解する
まず注目したいのが、全体の偏差値や順位、志望校判定です。偏差値は模試受験者集団内での自分の位置を示す指標で、50が平均、60なら上位約16%、70なら上位約2%とという目安として利用することができます。
例えば偏差値60は「受験者上位16%」に相当し、偏差値55から60へ5ポイント上がったとすれば、上位30%から16%へと一気にジャンプしたことになります。このように偏差値を見ることで、点数だけでは実感しづらい自分の客観的な現在の学力状況を把握することができます。
また、模試成績表には全国順位や校内順位も表示されます。全国○万人中何位といった順位は偏差値と併せて、自分がライバルたちの中でどの位置にいるかを示しています。
判定欄に表示される合格可能性判定(A~E判定等)も活用してください。医学部受験というのは、大手予備校の模擬試験の判定だけでは判断しづらい点も多いのですが、まずは、ここでは志望校に対する現在の合格可能性を客観的に示したものだと思っておいてください。
例えばA判定は合格圏内、高い可能性を示し、C判定はあと一歩といった具合です。判定結果から「志望校合格まで偏差値があと何ポイント不足しているか」、「あと何点伸ばす必要があるか」が明確になります。例えば「B判定でもう少し」という場合、あと偏差値2~3上げるには何を補強すべきか?といった具体的な課題設定につながります。このように偏差値、順位、判定を正しく読み取ることによって、自分の現在の学力と目標との差を把握し今後の目標設定が容易になります。
しかし判定や偏差値の数字に一喜一憂しすぎないことも大切です。
模試はあくまで現時点での指標であり、本番で合格できる実力がつけば結果はついてきます。判定結果よりも成績の推移や科目間バランスに注目し、総合力を上げていく習慣をつけましょう。判定が悪かった模試ほど弱点発見のチャンスと言えます。
次に述べる科目別・分野別の分析によって「なぜ判定が伸び悩んだか」、「他の受験生に差をつけられた原因は何か」を追究し、弱点克服に役立てましょう。
科目別の得点率・偏差値バランスから苦手科目を把握する
成績表では科目ごとの得点(得点率)や科目偏差値も確認できます。ここから各教科の出来具合やバランスを分析しましょう。医学部受験では主要科目(英語・数学・理科(物理/化学など)・国語※私立は不要の場合あり)の総合力が問われますので、科目間のバランスが重要です。
例えば、総合偏差値はそれなりに高くても特定の科目だけ極端に低い場合、それが足を引っ張っている「苦手科目」です。模擬試験の成績表上では、科目ごとの偏差値一覧や得点率を比較することで一目瞭然です。
模試によっては偏差値の横に「学力レベル」や評価が記載され、科目間の凸凹が視覚化されていることもあります。
河合塾の全統模試や東進の本番レベル模試などでは、科目ごとの偏差値から学力レベル(5段階評価など)が算出され、科目間のアンバランスや苦手科目が分かりやすく示されています。こうした指標を活用すれば、自分では気づいていなかった弱点科目を客観的に把握でき、今後の勉強計画に役立ちます。
具体的には、各科目の偏差値を見比べて一番低い科目や平均より明らかに低い科目がないかチェックしましょう。「他の科目は偏差値60前後なのに数学だけ50台前半にとどまっている」などということがあれば数学が弱点と言えます。その場合は数学の学習時間配分を増やす、基礎事項の総復習をする、参考書や問題集を追加するといった対策が必要です。
また得点率にも注目します。偏差値は母集団による相対評価ですが、得点率はその模試の絶対的な出来を示します。
例えば、「英語は偏差値は50近くあるが得点率は50%しか取れていない」場合、模試全体が難しく平均点が低かった可能性もありますが、設問ごとの正答率も確認することで自分の課題が見えてきます。科目平均点や最高点、最低点が成績表に書かれていれば自分の得点との比較も有用です。「物理の平均点が40点中あなたは35点なら健闘、平均が高いのに自分だけ低得点なら要補強」といった判断ができます。
いずれにせよ、科目別の成績を分析することで「どの科目を重点的に対策すべきか」が明確になります。模試結果には教科ごとの得点や偏差値が示されているため、どの科目に弱点があるのかを把握できます。苦手科目が存在している限り、いまの難化した医学部受験に合格することが難しいので、科目間のバランスを整えることを考えてください。人並みの科目があっても、得意科目でカバーして医学部に合格することは可能ですが、苦手科目が存在していると医学部の最終合格は相当難しいと思ってください。
分野別・設問別の成績で具体的弱点を分析する
次に分野別成績や設問別正答率の項目です。模試によっては各教科の単元ごとの得点や正答率が細かく表示されます。「細かすぎて見てもしょうがない…」と読み飛ばしてしまう人もいるかもしれませんが、ここをチェックしないと具体的に何から学習を始めればよいかが分かりません。模擬試験の成績表は弱点発見のツールです。情報量に圧倒されず必ず細かい点まで目を通しましょう。
分野別成績では各科目の単元ごとの得点や偏差値が示されます。これを見ることで科目内のどの分野に弱点があるかが浮き彫りになります。
例えば、数学では「数列」「ベクトル」「確率」など単元別に得点が載っている場合、極端に得点率の低い単元があればそれが弱点分野です。
英語なら、「長文読解」「文法」「リスニング」等の正答率を比較し、特に正答率が低かった設問形式を洗い出します。模擬試験の結果には各問題の正答率が示されるため、自分がどの分野や問題形式に弱いのか具体的に把握することができます。例えば、「英文法の正答率が全国平均を大きく下回っている」、「物理の電磁気分野で全問不正解だった」等が分かれば、その部分があなたの弱点です。
弱点分野が判明したら、なぜ出来なかったのかも分析しください。時間内に解き切れなかったのか、知識不足なのか、ケアレスミスなのかといった原因です。模試結果を見ると、「時間配分に課題があった」、「計算ミスが重なった」、「特定の知識(例えば数学の確率)の理解が不十分だった」など具体的な反省点が浮かび上がります。これらが今後の学習で重点的に改善すべきポイントです。
そして次のアクション(学習計画)を具体的に決めます。分野別成績で明らかになった苦手単元について、「何をどの順番で学習するか」を明確にします。例えば、「数学の確率が弱い」と分かったなら、まず教科書や基礎問題集で確率の基本を復習し、その後入試レベルの問題演習に進む、といった計画を立てます。「英語の長文読解が弱点」なら、長文問題の復習ノートを作り、読み方の訓練や語彙力強化を重点的に行うと決めます。具体的に弱点克服の順番を決めて初めて、分野別成績の分析を活用することができます。
弱点は放置せず即対策
模擬試験の分野別分析で判明した弱点は、そのままにせず早めに対策します。後述するように、グリットメディカルでは、模擬試験ででできなかった問題をもとに弱点を即座に分析し、教材やプリントを追加することで弱点補強に取り組みます。模試直後のこの対応こそが合否を分ける重要なポイントです。
志望校判定結果の活用法
模試成績表には志望校ごとの合格判定結果も書かれています。これは各志望校についてあなたの偏差値や得点から算出された合格可能性評価です。判定は前述のA~Eなどで示され、上段には評価別人数グラフやボーダーラインの得点・偏差値が表示されることもあります。ここでは志望校との距離感を把握しましょう。
判定欄を見ると、「〇〇大学医学部○○方式であなたはB判定(ボーダーまであと◯点)」などと具体的に示されているはずです。この情報から、「志望校合格に向けてあと何点必要か」「自分の位置は第1志望者中で何番目か」といったことがわかります。
例えば志望校の判定がCで「あと偏差値5不足」と分かれば、その5を埋めるために弱点科目を何とかしなければなりません。また判定がAであっても油断せずさらに向上を目指す指標になります。
注意したいのは、判定結果は模試ごとの母集団や判定基準に左右される参考値だということです。特に医学部志望者向け模試の場合、志望者全体での評価になりますが、例えば駿台など受験者層が高レベルな場合には、判定が厳しめに出ることもあります。また記述模試とマーク模試、予備校によっても偏差値は異なります。よって、判定を絶対視するのではなく、「今後どれくらい伸ばせば合格圏か」を知る目安として活用してください。 判定に一喜一憂するより、弱点補強に努めて次回の判定を上げることに集中しましょう。繰り返しますが、模擬試験は弱点を見つけるためのものです。
もし成績表に志望校判定の詳細データ(各大学の合格者平均偏差値や受験者内順位など)が載っていれば、それも参考になります。自分の志望校内順位や合格者平均との差などをチェックし、具体的な目標設定をすると良いでしょう。「第一志望校で志望者中◯位なら合格圏まであと一歩」といった状況が分かれば、さらに学習を強化する意欲づけにつながります。
模試の成績推移や判定はできるだけ同一模試のシリーズ内で比較することもポイントです。他社模試同士を単純比較すると母集団の差でブレが生じるため、可能なら同じ試験の回を追って推移を見る方が正確です。
例えば河合塾の模試なら河合の中で第◯回→第◯回といったように分析すると、自分の成長や弱点克服の度合いが把握しやすくなります。
成績推移から弱点を特定する方法:データを味方に
一回の模試結果だけでなく、複数回の模試成績の推移を分析することも重要です。受験生によって得意不得意や成長曲線は異なりますが、データを積み重ねれば傾向が見えてきます。ここでは成績推移の見方と弱点特定への活かし方を解説します。
偏差値・得点率の推移を記録しよう
まず各模試の総合偏差値や得点率、科目偏差値の推移を記録してみます。模試を受けるたびに結果をファイリングし、前回との差をチェックします。例えば英語の偏差値が「55→58→60」と右肩上がりなら順調に実力が伸びています。一方、数学が「60→57→55」と下降気味なら要注意です。このように時系列で見ることで弱点科目の傾向が浮き彫りになります。
特に苦手科目の偏差値推移に注目してください。もし何回受けてもある科目だけ偏差値50前後から伸び悩んでいるなら、その科目が明確な弱点です。他の科目が伸びているのにその科目だけ停滞している場合、勉強法や学習量を見直す必要があります。 成績表は弱点科目や、現在の学習方法の問題点を発見するツールでもありますから、科目間バランスと推移を総合的に判断する習慣をつけてください。
推移を見る際のポイントとして、同一模試シリーズ内で比較することを心がけます。同じ試験でも回によって難易度が違うことがありますが、他社模試と比べるよりは精度が高まります。また可能であれば偏差値だけでなく得点率の推移も見ると良いでしょう。得点率は難易度の影響を受けますが、自分の目標到達度(例えば「本番で8割得点したい」など)に対して現在何割取れているかを示すので、弱点克服の度合いを実感しやすくなります。
弱点科目・分野の改善度をチェック
成績推移を分析したら、弱点科目や分野が改善しているかをチェックします。
例えば前回まで偏差値50台前半だった科目が今回50台後半に上がっていれば、対策が奏功しつつあると言えます。逆に対策したはずの弱点科目が思うように伸びていなければ、勉強法の見直しやさらなる演習が必要でしょう。 模試結果には今後の学習アドバイスが記載されていることもありますが、そうした客観的アドバイスも参考にしつつ、自分の学習計画を適宜見直して足りない部分を補っていくことが大切です。
弱点分野ごとの得点推移を見るのも有効です。例えば「数学の確率分野:第1回模試20点中5点→第3回模試20点中15点」といったデータが取れれば、その分野の克服が進んでいることが分かります。
成績表の分野別欄や、自分で復習ノートに記録した正答率などを使い、弱点だった部分の点数がどれだけ改善したかを確認しましょう。改善が見られれば自信につながりますし、改善がないなら勉強方法を変える決断につながります。
データを客観視してメンタル管理にも活用
成績推移を追うことは、弱点特定だけでなくメンタル面の安定にも役立ちます。模試の成績は上がったり下がったりしますが、データを蓄積して平均やトレンドを見ると、一喜一憂しすぎずに済みます。
例えば「ここ3回の平均偏差値はほぼ同じだから今回の低下はたまたま難しかっただけかも」といった冷静な判断ができます。統計的な視点で自分の成績を捉え、「本番までに右肩上がりになっていればOK」くらいの大きな気持ちで構えましょう。
成績推移グラフを自作してみるのもおすすめです。科目ごとに偏差値の推移を折れ線グラフにすると、自分の強み弱みが視覚的に分かりやすくなります。グラフが上向いていればモチベーションアップに、下向いていれば奮起材料になります。
データは嘘をつきません。客観的データを味方につけ、弱点科目の克服と志望校合格への道筋を描いてください。
グリットメディカルの弱点克服指導:即時分析と個別対策の実例
グリットメディカルは模試結果の活用と弱点克服指導を重視しています。一般的に模擬試験の復習は生徒任せか面談程度に留まることが多い中、グリットメディカルでは模試を受けた直後から具体的な弱点分析と対策が開始されます。
模試後すぐに弱点を可視化して対策スタート
グリットメディカルでは、模試の答案返却後一人ひとりの結果を徹底的に分析します。具体的には、模試で解けなかった問題やミスした箇所をすべて洗い出し、「知識不足」、「問題演習量不足」、「ケアレスミス」、「時間配分ミス」など弱点の原因まで分類、特定しています。この段階で弱点単元や課題が明確になるため、生徒自身も自分の課題を客観視できます。
ある生徒が「物理の電磁気分野で全滅、計算ミスも多い」と分かった場合、担当講師はその日のうちに生徒とともに原因を分析します。「公式の理解が曖昧なのでは?」、「解法パターンの練習不足では?」といった具合です。弱点が見えたら即プラン実行です。グリットメディカルではこの弱点分析を後回しにしない姿勢を徹底しています。模試を受けっぱなしにせず、復習、対策することで弱点補強や勉強方針の修正が可能になり、医学部の最終合格につながるからです。
個別カリキュラムと追加教材プリントで弱点を徹底補強
弱点が判明したら、グリットメディカル独自の個別カリキュラムで対策に移ります。弱点に対応する教材、プリントがすぐに用意され、生徒は次回の授業から取り組みます。たとえば先の物理の例では、「電磁気の基礎解説プリント」、「頻出パターン問題集」、「計算ミスを防ぐチェックリスト」などが追加で渡されます。そして講師がマンツーマンでその教材を使いながら弱点克服指導を行います。
このように、「弱点を発見 ⇒ 補強教材を投入 ⇒ 弱点克服練習」という流れを素早く回すことで、弱点を放置せず潰していくのがグリットメディカルの指導の特徴です。まさに学習のPDCAサイクルを高速で回しています。他の予備校では少人数とはいえ集団授業なので、模試後の解説授業や面談はあってもそこにとどまっていることが多く、生徒ごとに教材をカスタマイズし即座に弱点補強に取り掛かる体制をとれることが個別指導の強みだと考えています。
グリットメディカル弱点克服の実例紹介
実際にグリットメディカルで成果を上げた生徒の例を紹介します。Aさんは英語長文読解が苦手で、模試でも長文問題の正答率が毎回低迷していました。そこでグリットメディカルではAさんの模試結果から長文読解の課題を分析し、「単語力不足による内容取り違え」と「時間配分ミスで最後まで読めない」という二つの原因を特定しました。Aさんにはすぐに長文対策プリントと速読トレーニング課題が与えられ、毎週の個別授業で講師と演習&解説を徹底しました。その結果、次の模試では英語長文の得点率が向上し、判定もCからAへアップ。最終的に志望していた私立医学部に合格されました。Aさん自身も「弱点を具体的に指摘してもらい、すぐ対策できたので自信がついた」と語っています。
このように、模試を受けた後のアクションが速ければ速いほど弱点は効率的に克服できます。グリットメディカルでは、まさに「模試→弱点分析→即対策→次の模試へ」というサイクルを生徒と二人三脚で回し、合格力を高めています。
PDCAサイクルを用いた復習と弱点克服の流れ
模試結果の活用や弱点克服には、PDCAサイクルの考え方が有効です。PDCAとは Plan(計画)- Do(実行)- Check(評価)- Action(改善) の頭文字で、この順番にサイクルを回していく手法を指します。受験勉強もこのPDCAを意識して進めることで、効率的に成績を向上させることができます。ここでは模試を活用したPDCAサイクルの回し方を見てみましょう。
Plan(計画):目標と対策プランを立てる
まずはPlan(計画)です。模試結果の分析を踏まえて、次回模試や本番に向けた学習計画を立てましょう。具体的には、弱点科目・分野を克服するために何を、いつまでに、どのくらいやるかを決めます。成績表を分析する目的は「次のアクション」を決めることにあります。
例えば「夏までに英単語を○○語覚える」、「毎週物理の電磁気の問題を10問解く」、「次の模試では数学の偏差値を5上げるために確率を重点的に学習する」など、5W1H(何を・なぜ・いつまでに・どこで・どうやって)を意識して具体的な計画を立てます。
計画には長期・中期・短期の視点が必要です。志望校合格という長期目標から逆算し、模試ごとの目標(偏差値◯アップ、弱点科目偏差値◯突破など)を中期計画に落とし込み、さらに週間・日々の学習メニューに落とし込みます。計画段階で重要なのは、弱点科目ばかりに偏りすぎないことです。医学部入試は総合力勝負ですから、苦手科目対策と並行して他の科目もバランスよく勉強し、全体の底上げを図る計画にしましょう。得意科目だからといって放置したままでいると、いつのまにか成績が下がってしまうということもよくある例です。
Do(実行):計画に沿って学習し模試に挑む
次はDo(実行)です。立てた計画に沿って日々の勉強を実践し、実力を養成します。ポイントは、計画で定めた勉強量や内容をきちんと実行に移すことです。たとえば「1日英単語50語覚える」と決めたら、毎日欠かさず実行します。途中で計画通りに進まない場合は軌道修正も必要ですが、まずは目標に向けて手を動かすことが大切です。ここは毎日決めたことを淡々とやりつづけましょう。
Doの段階では、模試本番も「実行」に含まれます。模試当日は今まで学習してきたことを出し切るつもりで、本番同様の集中力で臨みましょう。「模擬試験は本番のように。本番は模擬試験のように」という言葉もあります。
時間配分や解く順序なども事前にシミュレーションした通りに実践してみてください。模試では時間管理の実験も重要な側面なので、日頃から時間を測って問題演習を行いペース配分を体に染み込ませておくと良いと思います。模試当日は緊張もありますが、それも含めて良い経験です。全力で「Do」をやり切ったら、結果を待つことになります。
Check(評価):模試結果を振り返り弱点を確認する
模試を受け終えたら、Check(評価)の段階です。返却された成績表をじっくり見て、計画に対してどの程度成果が出たかを評価します。
具体的には、「目標としていた偏差値に届いたか」、「弱点科目の得点は改善したか」、「計画通り勉強した科目でミスが減ったか」などをチェックすることになります。模試の点数を目標値と比較し、今の自分の実力と理想の実力との差を分析しましょう。
このとき、単に出来なかったところを落ち込むのではなく、「なぜ目標に届かなかったか」「次に克服すべき課題は何か」を冷静に洗い出すことが重要です。模擬試験の復習でやるべきことはまさにこれです。
弱点科目や間違えた問題をリストアップし、原因別に整理します。計画段階で設定した目標に対し、何が足りなかったのかを自己分析するのです。例えば「数学確率の問題は練習不足で解法が思いつかなかった」、「英語長文は時間配分ミスで最後まで解けなかった」などです。
Check段階の振り返りが丁寧であればあるほど、次の改善策が明確になります。
模試結果票には科目別得点や分野別正答率といったデータが満載なので、前述の方法で弱点を具体的に突き止めましょう。「模試結果票は弱点科目や時間配分の課題を発見するツール」ととらえて、できなかった問題を復習して次につなげることが肝心です。
Action(改善):学習計画を見直し次のサイクルへ
最後にAction(改善)です。Checkで得られた反省をもとに、次のPlanすなわち学習計画の修正・改善を行います。ここでPDCAサイクルが一巡し、また新たな計画(Plan)がスタートします。
模試で判明した新たな弱点や課題を踏まえて勉強計画をアップデートします。
「数学確率の強化が急務だと分かったから来月は確率強化月間にしよう」、「英語の長文対策として毎週1題は時間を計って解く練習を計画に入れよう」といった具合です。場合によっては志望校の見直しや勉強時間配分の変更といった大きな計画修正も必要になるかもしれません。
しかしそれも合格に向けた戦略調整ととらえてください。
Actionの段階では、必要に応じて参考書や問題集を追加したり、予備校、塾の先生に相談してアドバイスをもらったりすることも大切です。
模試の成績表に載っている学習アドバイスも参考にしましょう。「○○の分野が弱いので△△の教材で復習を」と書かれていれば、それを次の計画に組み込む価値があります。客観的な助言を取り入れつつ、自分なりの改善策を練ることが大切です。
こうしてPDCAサイクルを回すごとに、弱点が一つ一つ潰され成績が向上します。
重要なのは、このサイクルを継続的に回し続けることです。受験勉強の残り期間の成果は、PDCAを正しく行えるかどうかで大きく変わってきます。日々の勉強と模試を通じてPDCAを意識し、着実に合格力を高めていきましょう。
医学部合格に向けた模試最大活用の学習戦略
最後に、医学部合格に向けて模試を最大限に活用するための総合的な学習戦略をまとめます。
模擬試験は単なる力試しではなく、合格への道を切り拓くための強力なツールです。
以下のポイントを押さえて、模試を戦略的に位置づけた勉強計画を実践しましょう。
- 模試=自己分析の場と位置づける: 模擬試験を受ける目的は合格判定を眺めて一喜一憂することではなく、自分の弱点や課題を客観的に知ることです。毎回の模試を「学習改善サイクルの一環」と捉え、弱点発見→対策という流れを受験本番まで繰り返しましょう。
- 復習ノート・間違い直しの徹底: 模試を受けたら受けっぱなしにしないで必ず復習を行います。間違えた問題は解き直し、解説を読み込み、なぜ間違えたかを書き留めましょう。できれば科目ごとに「模試復習ノート」を作り、弱点だったポイントや覚え直す知識事項を整理します。模試で解けなかった問題は入試本番までに必ず解けるようにする、という意気込みで復習に臨みます。
- 時間配分や試験慣れも鍛える: 模試は弱点把握だけでなく、試験本番の予行演習でもあります。医学部入試は試験時間がタイトで高得点勝負になることが多いため、模試を利用して時間配分の練習を積んでおきましょう。模試でしか味わえない緊張感の中で自分の実力を発揮する訓練にもなります。模試本番では問題を解く順序や見直しの仕方など、自分なりの戦略を試行錯誤し、本番に向けてブラッシュアップしてください。
- 成績に一喜一憂しすぎない: 模試の結果は気になるものですが、数字に振り回されすぎないことも大切です。判定が悪くても落胆せず、良くても慢心せず、冷静に受け止めましょう。大事なのは最終的に合格できる実力を本番までに身につけることです。模試結果の成績表は、弱点科目や時間配分の課題を発見するツールと割り切り、成績の上下よりも成績の推移や科目間バランスに着目して総合力アップに努めてください。そして最後まで医学部合格を諦めないことです。
模試の成績表を正しく読み解き、弱点科目を特定してPDCAサイクルを回しながら対策を行うことができれば、学力は向上することは確実です。
模試は医学部合格への単なる通過点ではなく、自分の勉強を改善するための鏡です。
グリットメディカルで行っているように、これを読んでくださっている方も、模擬試験を最大限に活用してください。
そうすれば、努力の方向性を間違わず、合格へ最短距離で進むことができるはずです。次の模擬試験からぜひ、ここでご紹介した成績表の読み解き方、復習方法を試してみてください。継続的な弱点克服の先に、医学部合格という目標がきっと見えてくるはずです。
医学部受験についてのどんなご相談でもお受けしております。授業については、常に体験授業をご利用いただけますので、下のLINEのお友だち登録かご登録いただき、なんなりとご相談ください。
