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2026年共通テスト同日模試が実施されなかった理由と各予備校の代替支援

受験生イメージ

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共通テスト同日模試の意義と例年の実施状況

毎年1月中旬に行われる「大学入学共通テスト」の本番当日と同じ日に、高1・高2生が同じ問題を解く全国模試イベントが各予備校で実施されてきました。これが「共通テスト同日体験模試」(または同日体験受験)です。現役受験生が解いた実際の共通テスト問題を用いるため、本番と同レベルの難度・形式を肌で感じられることが最大のメリットです。高1・高2の段階で自身の実力と本番レベルとの差を明確にでき、受験への意識を高める貴重な機会として毎年多くの高校生と保護者に支持されてきました。

例年、この同日模試は大手予備校(東進ハイスクール、河合塾、駿台予備学校、代々木ゼミナールなど)が無料招待形式で実施していました。例えば東進では全国の校舎会場にて、本番当日の夜間から同じ問題に挑戦させるイベントを長年開催していました。高2生にとっては本番1年前の「模擬本番」となり、緊張感のある会場環境で受験することで自分の現在地を正しく把握し、この一年で何を強化すべきか具体的に掴める機会となっていました。高1生にとっても「実際の共通テストとはどんなものか」を早期に知る体験となり、今後の学習計画の動機付けになってきたのです。各予備校ともこのイベントに力を入れ、大規模かつ本格的な模試として提供してきました。

2026年度に同日模試が実施されない背景

ところが2026年1月実施の共通テストでは、こうした「共通テスト同日体験模試」を主要予備校各社が例年通りには実施しない状況となりました。具体的には、東進ハイスクールはイベント名称を「共通テスト体験受験」に変更し、本番当日から日程を1日遅らせて開催する形式に改めています。河合塾・代々木ゼミナールも「同日体験」の名称は使いつつも、実施日は本番当日ではなく翌日以降に設定されています。駿台予備学校も従来型の同日模試は公開せず、別の形で受験生を支援する方針です。

なぜ今年度は同日に実施されなくなったのか? 公式には明確な理由発表はありませんが、背景には試験問題の取り扱いに関する配慮があると見られています。例えば、共通テスト本番の問題情報を提供できるタイミングが今年から試験翌日以降に制限された可能性が指摘されています。実際に河合塾の案内には「著作権その他の権利関係により本番問題の一部を解答できない場合がある」との注意書きも見られ、本試験問題を即日大量配布することへの慎重さがうかがえます。

運営上の理由も考えられます。以前の東進同日模試は本番終了直後の夕方から深夜におよぶスケジュールで、高校生が夜遅くまで会場に残る形でした。今年度は日程をずらしたことで、1日目は朝から午後まで、2日目(月曜)は放課後〜夜遅くという時間割に変更されています。休日夜間の運営負荷や参加者の安全面を考慮し、日中に余裕を持って受験できる形に改善した側面もあるでしょう。実際、「月曜の夜22時過ぎまで及ぶのは受験生にとって負担が大きい」という指摘もあるものの 、深夜帯よりは安全で集中しやすい環境になったと言えます。

試験問題の扱いに関する公式・非公式の制約受験環境改善の必要性から、2026年度は各予備校とも本番当日の「同日」実施を見送り、日程や形式を変更する判断に至ったと考えられます。明確な理由の公表こそありませんが、今年は各社とも例年と違う形で高1・高2生への学習支援イベントを提供しています。

各予備校による代替イベント・模試の紹介

今年度、同日模試に代わって予備校各社が提供している主なイベントや学習サポートは以下の通りです。

東進は例年の同日模試を改称し、本番直後の翌日・翌々日に実施する形式に変更しました。2026年は1月18日(日)・19日(月)の2日間に全国の東進ハイスクール・衛星予備校校舎で一斉実施されました。高2生(新高3)・高1生(新高2)を無料招待し、本番と同一の問題に挑戦させる点は従来どおりです。会場受験ならではの緊張感の中で全科目を解ききることで学力を正確に測定できると謳っており、本番さながらの厳正な監督環境が整えられています。受験後には成績帳票の返却面談が行われ、全国偏差値や弱点分析データをもとに1年後の合格に向けた個別指導を受けられる点も特徴です。さらに1月下旬からは東進講師陣による解説授業や、弱点克服のための無料特別講座(招待講習)などフォロー体制も充実しています。東進は例年この同日体験を日本最大規模の参加者数で実施してきた実績があり、今年も形式変更後も多くの高校生が参加した模様です。

河合塾はオンライン形式(自宅受験)で本番問題に挑戦できる「共通テストチャレンジ」を無料開催しました。2026年は1月18日(日)12:00〜1月20日(火)23:59を基本の受験期間とし、都合のよい時間に好きな科目から解答できます。Web上で問題閲覧・解答提出を行うIBT方式となっており、回答データ送信後すぐに科目別得点・偏差値・順位が確認可能です。さらに河合塾の進路支援システム「バンザイシステム」を利用して、自分の得点で現時点どの大学が合格圏かを把握することもできます。会場に足を運ぶ必要がなく時間の自由度が高いため、部活動や他塾と両立している生徒でも参加しやすい点がメリットです。一方、自宅受験ゆえに本番特有の緊張感は得にくい側面がありますが、学校単位で希望すれば校内での団体受験(模擬会場方式)も可能と案内されています。なお、問題送付はなくWeb上での解答のみで、一部著作権上の理由で解答省略される設問もある点には注意が必要です。成績速報は提出状況に応じて順次Web返却され、後日大問別分析も提供されます。自宅にいながら手軽に本番問題に挑戦できる模試として河合塾はオンライン型の学習機会を用意しました。

代ゼミもオンラインによる自宅受験型の同日体験模試を実施しました (参加無料)。2026年は1月18日(日)11:00〜1月25日(日)23:59の間で受験可能とし、河合塾よりも少し長い期間設定が特徴です。推奨スケジュールとしては、本番翌日の1月18日から英語・国語・社会を順次解き、理数科目は本番2日目終了後の19日(月)12:00から解答できるよう配慮されています。基本は自宅PC・タブレットでの回答ですが、代ゼミの衛星校「サテライン予備校」を通じて申込むことで会場受験も一部可能でした。成績表は科目別の得点や全国順位が確認でき、返却は1月下旬以降オンラインで行われます。代ゼミのチャレンジも河合塾同様、自宅完結型で参加ハードルが低く、営業色も薄めであるため学校経由でも案内しやすいイベントとなっています。一方で理科は基礎科目のみ対応(発展的な科目選択は非対応)など制約もあります が、自分のペースで本番問題を解き、本番への意識を高める機会として活用されています。

駿台予備校は今年度、東進や河合のような全国向けの同日体験模試イベントを実施しませんでした。その代わりに、日頃から提供している駿台atama+模試等で共通テスト形式の学力測定機会を確保するとともに、本番当日〜直後には受験生向けの解答速報・分析サービスを充実させています。例えば、駿台・ベネッセ共催の「データネット」では共通テスト本番の自己採点データを集計し、難易度分析や平均点・志願動向を即日公開します。そのデータを踏まえ1月下旬には「共通テスト概況速報説明会」を開催し、本番の講評や今後の出願・対策アドバイスを提供しています。これらの情報は高1・高2生にとっても、本番の傾向を知り来年以降の戦略を立てる材料になります。また駿台は夏休みなどに共通テスト対策特別講義(例:「情報Ⅰ高得点獲得に向けて」講座)を無料開催するなど、早期から新傾向科目をフォローする取り組みも行っています。総じて駿台は、同日模試という形ではなく平常の模試日程や情報提供イベントによって来年受験生となる高校生をサポートしている形です。もし駿台生で高1・2の場合、校内で本番問題演習会などが行われている可能性もありますが、一般公開の同日体験イベントはありません。

模試が無くても大丈夫?保護者・受験生へのアドバイス

今年度は同日模試が従来通り行われないとはいえ、学力を測る機会や方法は十分に存在しています。保護者・受験生の皆さんには次の点をアドバイスします。

  1. 本番問題を必ず入手し自己分析する: 共通テスト当日の夜には大学入試センターや予備校サイトで全教科の問題・正解が公開されます。模試イベントに参加しなかった場合でも、本番と同じ問題をダウンロードして解いてみましょう(高2生なら目標得点の8割を取れれば上々とされます )。時間を計って解くことで実戦力を測れますし、解けなかった範囲から今後の課題も見えてきます。学校の先生や塾の講師に頼めば、自己採点結果についてアドバイスをもらえるはずです。
  2. 代替イベントを積極活用する: 前述のように各予備校が提供するオンライン模試や会場体験受験は、形式が変わっても貴重な学習機会です。特に東進や代ゼミのイベントに参加した場合は、返却された成績帳票や面談で指摘された弱点を今後の勉強計画に活かしてください。河合塾のチャレンジ参加者は判定された現在の偏差値を参考に、志望校合格までどの科目で何点伸ばす必要があるか確認してみましょう。模試がなくても、この時期に本番レベルの問題を解いた経験自体が財産です。結果に一喜一憂せず、弱点克服のスタートラインとして捉えてください。
  3. 他の模試・教材で継続測定する: 共通テスト同日模試が無くとも、今後も河合塾の全統模試や進研模試、駿台・ベネッセ模試など定期的な全国模試は実施されます。2月以降にも高2生対象の共通テスト模試や記述模試が予定されています。そうした機会に積極的に参加し、今回の体験受験からどれだけ伸びたかをチェックしましょう。また市販の予想問題集(いわゆる黒パック・青パック・緑パックなど)も有用です。特にZ会の「緑パック」は難易度が高め ですが、本番を易しく感じるための腕試しとして活用する受験生もいます。志望校レベルに応じた教材で演習を重ね、実力アップに努めてください。

最後に、保護者の皆様にはお子さんの今回の結果に過度に落胆しないようお伝えします。高2・高1の段階で共通テストの全範囲を網羅していなくても当然ですし、点数よりも本番との差を体感できたこと自体に大きな意義があります。大切なのはここから受験本番までの一年間で何を優先的に学習するかです。今回明らかになった弱点について、予備校の講師や学校の先生と相談しながら計画を立てましょう。共通テスト同日模試がなくても、多様な代替イベントと教材があります。これらを上手に活用しつつ、客観的なデータを参考に学習を進めていけば、来年の本番に向けて十分な準備を整えることができるはずです。保護者の方はお子さんの努力を認め、前向きな声掛けで支えてあげてください。受験生にとっては不安もある時期ですが、模試を通じた気づきを次の成長に繋げていきましょう。一歩一歩の積み重ねが、来年の合格という大きな花を咲かせる力になります。

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