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【2025年最新版】医学部のキャンパス移転一覧|今後の移転予定・影響・メリットまで徹底解説!

琉球大学医学部(国立)

移転の種類

医学部キャンパスと附属病院の完全移転

移転対象施設

琉球大学 医学部(医学科) および 附属病院(琉球大学病院)

移転予定時期

附属病院は 2025年1月、医学部は 2025年4月 に新キャンパスでの運用開始予定

移転先の所在地

沖縄県宜野湾市の 西普天間キャンパス(現行の西原町キャンパスから北へ約5.5km)

移転先の所在地

医学部・病院の移転構想では「国際化」「人材育成」「先端研究・産業振興」「医療水準の向上」を柱に掲げており、移転後は沖縄県の健康医療拠点の中核として地域振興や「長寿県沖縄」の復活、グローバルヘルスへの貢献を目指しています 。老朽化した施設の刷新と機能強化、米軍基地返還地の有効活用による地域振興も背景にあります。

移転先の新施設の概要

新キャンパスは東シナ海を一望できる高台に位置し、周辺には住宅街や飲食店、スーパー・コンビニエンスストアなどの商業施設も整備される計画です 。最新の医療系研究棟や教育施設が建設され、国際水準の医学教育・研究環境を備えます。キャンパス内にはバス停留所等の公共交通インフラも新設される予定で、公共交通でのアクセス向上が図られています 。

学生や教職員への影響

学生・教職員にとっては新築のキャンパスで最新設備を利用できるメリットがある一方、通学・通勤拠点がこれまでの西原町から宜野湾市へ移るため日常の動線が変わります。もっとも新キャンパスは現キャンパスから数km圏内であり、大学側も新キャンパスまでの路線バス整備など公共交通でのアクセス改善を検討しており、大きな支障をきたさないよう配慮されています 。地域医療機関との連携や実習環境も強化される見込みで、国際色豊かな学習環境で学べる点は学生にとって大きな利点です。


近畿大学医学部(私立)

移転の種類

医学部キャンパスと附属病院の完全移転

移転対象施設

近畿大学医学部(医学科) および 近畿大学病院(附属病院)

2025年11月(医学部キャンパス・病院とも同時期に新キャンパスへ移転開始)

移転先の所在地

大阪府堺市南区三原台1丁目(泉北高速鉄道 泉ヶ丘駅前)。現行の大阪狭山市キャンパスから約4km離れた、泉北ニュータウン内の敷地

移転の理由・背景

現キャンパスの医学部校舎(1974年開設)と病院施設(1975年開院)が約50年を経て老朽化したことが最大の理由です 。当初は現在地での建て替えも検討されましたが、長期間の工事中に教育・研究や診療を継続することは困難であり、学生や患者への影響も大きいことから、新用地にキャンパスを移転する決断に至りました 。また近畿大学の創立100周年・医学部開設50周年記念事業の一環として計画されたものであり、より充実した医療教育環境の整備と地域貢献(ニュータウン活性化)を図る狙いもあります 。

移転先の新施設の概要

新キャンパスでは最新技術を取り入れた大規模な医学部棟・病院棟が建設中です 。泉ヶ丘駅からペデストリアンデッキ(屋根付き歩行者デッキ)で直結しており、駅から雨に濡れずに講義棟まで移動可能な高いアクセス性が特徴です 。キャンパスには講義・研究棟のほか、800床規模の新病院施設、駐車場や関連施設が整備されます 。広場や緑地も設けられ、学生・患者に快適な環境を提供するとともに、地域の防災拠点としての機能も備えます。総事業費は約790億円に上り、2025年7月の工事完了を予定しています 。

学生や教職員への影響

最寄駅からバスで15分かかっていた現在の大阪狭山キャンパスに比べ、新キャンパスは駅前立地となるため通学・通勤の利便性が大幅に向上します 。毎日約5,000人(学生・教職員・患者)が行き交う活気あるキャンパスとなり、周辺地域の商業施設の利用機会も増えることから、学生生活環境の利便性が高まると同時に地域経済の活性化にもつながると期待されています 。移転に伴う教育・医療の中断は最小限に抑えられる計画で、最新設備を備えた新病院・新校舎で教育研究・診療が継続できるメリットがあります。一方で、教職員にとっては通勤先が変更になるため引越し等の調整が必要になる場合もありますが、大学としてサポートが行われる見込みです。


昭和医科大学(私立)

移転の種類

部分移転(新キャンパスの開設)医学部を含む一部学年の 教育機能 を新キャンパスへ移転(附属病院は移転せず現所在地で存続)

移転対象施設

医学部・歯学部・薬学部の2・3年次(および4年次の一部)保健医療学部の2~4年次助産学専攻科 の教育キャンパス(該当学生数約2,000人) 。附属病院(昭和大学病院)および医学部の臨床教育(5・6年次)は引き続き東京都品川区の旗の台キャンパスで実施されます 。

移転予定時期

2027年4月 に神奈川県川崎市宮前区に新キャンパス(鷺沼キャンパス)を開設予定

移転先の所在地

昭和大学 鷺沼キャンパス(神奈川県川崎市宮前区鷺沼4-4-1)。東急田園都市線「鷺沼駅」北改札から徒歩3分の立地で、東京都心に隣接した郊外エリアです 。

移転の理由・背景

昭和大学は創立100周年(2028年)を迎えるにあたり、医系総合大学として教育研究環境を充実させるためのキャンパス再編を進めています 。その一環として旗の台キャンパスの再整備計画に基づき、手狭となっていた教育スペースを川崎市の新キャンパスに拡張する計画が立てられました 。2025年4月には大学名を「昭和医科大学」に改称し、医学部の伝統と医科大学としてのブランドを強化します 。新キャンパス開設により、医学部と関連学部の学生を同一キャンパスで教育することで他学部(看護・リハビリ等)との連携教育を推進し、最新設備による実践的な医学教育環境を整えることが目的です。

移転先の新施設の概要

新キャンパスは敷地面積約4万㎡規模で、低層の教育棟学生ラウンジ、図書館、シミュレーションセンター などを備えた先進的な医療系教育施設となります。キャンパス内には地域住民も利用できる広場を設け、「地域と共生するキャンパスづくり」を掲げています 。最新のICTを活用した講義室や実習室が整備され、学生約2,000人が快適に学べる環境を提供します。また、鷺沼駅から至近で公共交通アクセスに優れ、東名高速・川崎ICから車で約6分と救急医療の観点からも利便性の高い立地です (※附属病院は移転せず旗の台に残るため、臨床実習は引き続き東京で行われます)。

学生や教職員への影響

新キャンパス開設後は学年によって利用キャンパスが分かれることになります。例えば医学部生は1年次を山梨県の富士吉田キャンパスで全寮教育を受け、2年次に東京・旗の台キャンパス、3~4年次に新・鷺沼キャンパス、5~6年次は再び旗の台(附属病院での臨床実習中心)で学ぶ流れになります 。このため、中学年時に生活拠点が東京から神奈川へ一時的に移る形となり、学生はキャンパス間の移動・引越し対応が必要です。しかし新キャンパスと旗の台キャンパスは電車で1時間弱の距離であり、大学も寮整備などで支援を行うとみられます。新キャンパスには最新設備が整い学習環境が向上するメリットが大きく、他学部との交流も進むことで学生にとって有意義なキャンパスライフが期待できます。一方、教員側は講義科目によって担当場所が分かれるため、一部教員は川崎と東京の両キャンパスを行き来する必要が生じる可能性があります。大学はオンライン活用や時間割調整などで円滑に運用できるよう配慮するとしています。


奈良県立医科大学(公立)

奈良県立医科大学新キャンパス画像
奈良県立医科大学新キャンパス画像

移転の種類

段階的な移転(第1期:教育機能の移転)

移転対象施設

教養教育部門と看護学部の教育施設 – まず医学部医学科1年次の一般教育科目看護学科(看護学部)全学年の講義・実習を新キャンパスで開始。対象学生数は約500名 。医学部の専門教育(2年次以降)および臨床実習、医学系の研究室・大学院は当面は旧(四条)キャンパスに残され、附属病院(奈良県立医科大学附属病院)も引き続き現キャンパスにて診療継続します 。※将来的には研究棟等を新キャンパスに建設し、第2期として研究部門も移転する計画が検討されています 。

移転予定時期

2025年4月 に新キャンパス(畝傍山キャンパス)開校予定 (奈良県立医科大学創立80周年の年)。2021年度から進められてきた新キャンパス整備が完了し、2025年4月より段階的に利用を開始します。

移転先の所在地

畝傍山キャンパス(奈良県橿原市四条町88番地)。現行の四条キャンパスから南西へ約1kmの地点で、奈良県農業研究開発センター跡地(約10.6ヘクタール)に建設されました 。キャンパス名称は、近接する大和三山の一つ「畝傍山(うねびやま)」に由来します 。最寄り駅はJR桜井線「畝傍駅」(徒歩約25分)や近鉄橿原線「八木西口駅」(徒歩約20分)など複数あり、新旧両キャンパス間も徒歩圏内です 。

移転の理由・背景

これまで旧四条キャンパスに教育・研究・診療機能が集中し手狭になっていたため、まず教育機能を新キャンパスに移して施設拡充を図る計画です 。特に講義室や学生実習スペースの不足を解消し、最新設備による教育環境を提供することが目的です。奈良県と大学が協力し、地域医療人材育成の充実や、将来の研究機能拡大も視野に入れたキャンパス整備として進められました。また創立80周年の節目にあたり、大規模なキャンパス刷新で大学の発展基盤を築く狙いもあります。

移転先の新施設の概要

新キャンパス(畝傍山)は旧キャンパスに隣接した広大な敷地を活かし、ゆとりある配置の教育施設が特徴です。歴史的景観に配慮した低層建築で、近隣の畝傍山や藤原京跡への眺望も確保されています 。館内には最新のAV機器を備えた大講義室やグループ学習室、シミュレーション教育設備を整備し、医学科1年次の教養教育や看護学教育の質向上が図られます。キャンパス間の移動を考慮し、自転車や徒歩でも安全に行き来できる歩道網を整備しています。さらに奈良県は、2031年前後に近鉄橿原線に新駅(仮称:「医大前駅」)を設置し附属病院へのアクセス性を高める構想も発表しており 、将来的には公共交通による利便性が一段と向上する見込みです。

学生や教職員への影響

新キャンパスへの移転に伴い、通学経路が一部変更になります。もっとも新旧キャンパス間の距離は約1kmと近接しているため、学生にとって通学手段そのもの(鉄道利用等)は大きく変わらず、最寄駅からの徒歩ルートがわずかに変わる程度です 。看護学科の学生や医学科1年生は新キャンパスで最新施設を利用できるメリットがありますが、医学科2年次進級時に再び旧キャンパス(橿原市)へ戻る形となるため、1年次終了時に引越しや生活拠点の移動が必要になります。教職員についても、一般教育を担当する教員は新キャンパスに勤務場所が移り、一方で医学科専門科目の教員は旧キャンパスに残るため、学内で勤務地域が分かれることになります。当面はキャンパスが二ヶ所体制となるものの、距離が近いため会議や連絡は徒歩や車で容易に行き来でき、大学としてもシャトル運行など必要に応じて対応する可能性があります。将来的に病院近接地に新駅が設置されれば、学生・職員・患者のアクセス負担も軽減されることが期待されています 。


横浜市立大学医学部(公立)

移転の種類

部分移転および施設集約再編 – 医学部キャンパスの移転と、2附属病院の統合移転(分散していた機能を集約)

移転対象施設

横浜市立大学 医学部(医学科・医学研究科等の教育研究施設)、および 横浜市立大学附属病院群(福浦キャンパスの「附属病院」と南区浦舟町の「市民総合医療センター」の2病院) 。計画では2病院を統合し 新市大病院 を建設、医学部の教育研究拠点を別キャンパスに移す。

移転予定時期

基本計画策定中(2024年現在)。正式な完成時期は未定だが、大規模事業のため2030年代半ば(計画決定から約15年後)の開院・開設を目指す見通し 。今後詳細なロードマップが示される予定。

移転先の所在地

医学部の新キャンパスは 横浜市中区の米軍根岸住宅地区跡地(JR根岸駅から約1kmの丘陵地)に建設予定 。附属病院については、横浜市南区浦舟町(現・市大センター病院所在地、最寄り:JR桜木町駅ほか複数路線)に新病院棟を建設し、大学の医療機能を集約します 。つまり、医学部は根岸、病院は浦舟という配置になります。

移転の理由・背景

横浜市立大学の医学部・附属病院施設は築35年以上を経て老朽化・狭隘化が進み、病床数不足や設備の重複など課題を抱えていました 。そこで最先端の医学教育・研究環境と、横浜の医療をリードする総合医療拠点を構築するため、大学医学部と病院群の再整備が計画されました 。当初の構想(2020年策定)では、米軍返還予定の根岸住宅地区に医学部と2病院を一体整備する案でしたが、実地検討の結果、救急車のアクセス困難や大規模な交通インフラ整備が必要となることが判明したため方針転換されました 。新方針では病院は交通利便性の高い浦舟地区に集約し、医学部は広大な根岸住宅地区跡地を活用する形としています 。この決定には、根岸地区が駅から徒歩圏を超える高台に位置しアクセス面で懸念があったことも背景にあります 。横浜市は2024年2月にこの方針を市議会委員会で公表し、現在基本計画の策定を進めています。

移転先の新施設の概要

根岸住宅地区跡地には、最先端の医学部教育研究棟や図書館、シミュレーションセンターなどを備えた新キャンパスを建設予定です。広い敷地を活かし、将来的な医学部定員増や研究所拡充にも対応できる余裕を持たせた設計となる見込みです。浦舟地区には横浜市の高度医療の中心となる新附属病院を建設します。救急・災害医療センターや最新鋭の手術室・診療設備を備え、病床数の拡大と質の高い医療サービス提供を両立する計画です。医学部と病院が場所的に分離されるため、双方をITネットワークで緊密に連携させ、遠隔カンファレンスや実習支援システムなども導入する構想です。大学と市は本再編により「最先端の教育や世界レベルの研究、横浜の医療をけん引する総合医療拠点」を実現するとしています 。

学生や教職員への影響

本計画が実現すれば、医学部の学生・教員は現在の金沢八景キャンパス(福浦地区)から横浜市中区の新キャンパスへと活動拠点が大きく移ることになります。通学圏が市郊外から市中心部寄りに変わるため、学生にとっては居住地によって通学時間が変化します(横浜南部・湘南方面在住者は遠くなり、東京方面からは近くなる等)。根岸キャンパスは最寄り駅から徒歩約15分とやや離れているため、開設までにバス路線の新設・増便など公共交通手段の確保が課題となります 。他方、臨床実習の場となる附属病院が一箇所に統合されることで、学生は移動せずに幅広い診療科を一つの病院で経験でき、実習の効率化が図られる見込みです。また、教員にとっても分散していた研究・臨床拠点が統合されることで、医局運営や研究施設利用の効率が上がるメリットがあります。再整備完了までは長期計画となるため、在学生への直接の影響は当面限定的ですが、計画進行に合わせ順次説明会などで情報共有が行われる予定です。市と大学は本事業により将来的な医学部の魅力向上(優れた教育環境のPR)と医療人材確保につなげたい考えです。


参考文献: 各大学の公式発表および報道発表より作成 。


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