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英英辞典が難しいなら「英英和辞典」から始めよう|医学部合格者が実践する英語力強化法

英英辞典へのハードルとその解決策

医学部を目指す皆さんにとって、英語は避けて通れない重要科目ですよね。語彙力や読解力を伸ばすために「英英辞典」を使うと良いと耳にしたことがあるかもしれません。しかし実際には、英英辞典に挑戦したものの挫折してしまったという声も多いようです。

英英辞典とは、英語の単語を英語で説明する辞典のことで、日本語訳が載っていないため「英語のまま理解する訓練になる」「語感が身につく」など多くのメリットがあります。特に、将来医学の分野で英文献を読んだり国際的に活躍したりする際には、英語を英語のまま理解できる力(いわゆる「英語脳」)が大きな武器になります。実際、ある英語学習者向けの記事でも「英語がある程度上達したら英英辞典を導入すると効果的」と述べられており、英語中級者でも使いこなせる学習英英辞典として Oxford や Longman などが挙げられています。英英辞典では、似た意味の英単語同士のニュアンスの違いが明確にわかったり、語順どおりに英語を理解する練習にもなったりするため、結果として英語力全般の向上に繋がるのです。

とはいえ、「英英辞典を使えば良いのはわかるけど、実際には難しすぎて続かなかった…」という方も多いでしょう。そのような医学部志望の受験生におすすめしたいのが、英英和辞典の活用です。本記事では、英英辞典を使う意義から多くの人が挫折してしまう理由、そしてそのステップとして英英和辞典を取り入れるメリットまで、丁寧に解説します。さらに代表的な英英和辞典の紹介や、効果的な使い方の勉強法も提案しますので、英語が苦手でも意識の高い皆さんの学習にお役立てください。

英英辞典を使う意義:語感を磨き「英語脳」を育てる

まず、英英辞典を使うことの意義やメリットを改めて確認しましょう。医学部受験レベルの皆さんには、以下のような利点があります。

① 単語のニュアンス・語法の理解:英英辞典では単語の意味が英語で詳しく説明され、類義語との微妙な違いまで記述されています。例えば「lethal」と「mortal」はどちらも「致命的な」という意味ですが、英英辞典の用例を見れば 「lethal injection(致死注射)」とは言うが「mortal injection」とは言わない といったコロケーション(連語)や用法の違いまで把握できます。日本語訳だけでは掴みきれない単語の本質的な意味や使い分けを理解できるのは、大きな強みです。これは医学部入試の長文読解や英作文で、適切な語彙を選ぶ力にも直結します。

② 英語を英語のまま理解する習慣:英英辞典で調べる過程そのものが英語の読解練習になります。説明文そのものが平易な英語で書かれている学習辞典であれば、高校レベルの単語力があれば十分理解できるよう設計されています。日常的に英英辞典に触れることで英語を日本語に逐一翻訳せずに処理する「英語脳」が鍛えられ、読解スピードも上がります。医学部受験では難解な長文を素早く正確に読み解く力が求められますが、英英辞典での訓練はまさにその助けになります。

③ 将来の医学英語への橋渡し:医学部に入学した後や医師・研究者として活躍する際には、英語で書かれた医学文献や論文を読む機会が多くなります。その際、専門用語を含む文章を英語のまま理解する力が必要です。英英辞典で普段から「英語で意味をつかむ」練習を積んでおけば、未知の医学用語に出会っても英語の定義から概念を理解することに抵抗がなくなります。「英語を英語で頭に入れる」経験を積むことで、将来必ず役に立つ読解力・思考力が養われるのです。

以上のように、英英辞典は受験英語の得点力向上だけでなく、将来の医学英語にも繋がる投資といえます。実際、「英語を日本語に翻訳するのは非効率」「単語の本質的意味をつかみやすい」といった理由から、英和辞典より英英辞典を使うべきだという指摘もあるほどです。

しかし頭ではメリットが分かっていても、実際に使いこなすのは容易ではないのが現実です。次の章では、多くの受験生が英英辞典に挫折してしまう理由を見てみましょう。

多くの受験生が英英辞典に挫折する理由

英英辞典の有用性を理解していても、途中で挫折してしまう受験生が少なくありません。その主な理由を整理すると以下のようになります。

① 語義説明が難解で時間がかかる:英英辞典の定義文を読むと、そこにも知らない単語や表現が出てくることがしばしばあります。ある単語を引いたら、その説明文の中にまた別の知らない単語があり、さらにそれを調べて…という無限ループに陥ってしまい、「一つの単語を調べるだけで疲れ果てる」と感じる人が多いのです。実際、「英英辞典を引いたらまた別の単語を引いて…を継続的にできる人は正直ほとんどいない。だって面倒くさいから」という率直な意見もあります。受験勉強では限られた時間で効率よく学習を進める必要があるため、調べ物に時間がかかりすぎると感じてしまうと継続は難しくなります。

② モチベーションの維持が難しい:英英辞典を使い始めても、最初は理解に時間がかかるため「自分にはハードルが高すぎる…」と感じてしまいがちです。結果として、短期間でまた日本語の辞典(英和辞典)に戻ってしまうケースが多いようです。英英辞典で調べてもすぐに得点に直結するわけではないため、受験生にとっては「この方法で本当に成績が上がるのか?」という不安もあり、途中でやめてしまう原因になります。

③ 精神的な負担・抵抗感:慣れない英語だけの説明を読むのは精神的にも負荷が大きいものです。「これなら最初から英和辞典で日本語訳を見た方が早いし楽だ」と思ってしまい、心理的抵抗を克服できないまま投げ出してしまうこともあります。特に現役生で他教科の勉強も忙しいと、「わざわざ苦労しなくても…」と感じてしまうのは無理もありません。

以上のように、英英辞典は効果が出るまでに時間がかかり、即効性が見えづらいため、どうしても途中で挫折しやすいのです。実際、英語上級者でない限り無理に英英辞典だけで学習する必要はない、という意見もあるほどです(※「初中級者には英英辞典は使うな」と主張する解説動画もあるくらいです)。

しかし、「だから英英辞典は自分には無理だ…」とあきらめるのはまだ早いです。英英辞典へのステップアップを助けてくれる秘密兵器が存在します。それが次に紹介する「英英和辞典」です。

英英和辞典とは?英語の定義+日本語訳で理解をサポート

英英和辞典とは、簡単に言えば「英英辞典」+「英和辞典」のハイブリッドと言える辞書です。各単語の項目に英語での語義説明(定義)が載っている点は通常の英英辞典と同じですが、さらにそれに対応した自然な日本語訳が併記されています。つまり、英語の説明と日本語の意味の両方が一度に確認できるようになっているのです。

このような英英和辞典は「セミバイリンガル辞典(半バイリンガル辞典)」とも呼ばれます。従来の英英辞典に最小限の日本語訳という“ヒント”を付け加えることで、英英辞典への心理的な抵抗をなくし、橋渡しをしてくれる新しいタイプの辞書として登場しました。実際、小学館『ケンブリッジ英英和辞典』の紹介文でも「本辞典の目的は『英英辞典への心理的抵抗をなくし、英語は英語で頭に入れることを助ける』ことです」と明記されています。英英和辞典は、英英辞典の利点を保ちつつ日本語でのフォローもあるため、「英語で理解する」ことへの不安を和らげてくれるのです。

英英和辞典の紙面イメージを具体的に説明しましょう。例えば「circumstance(状況)」という単語を英英和辞典で引くと、

というように、まず簡単に日本語訳が示されたあとに、英語での定義文が記載されます。さらに例文が続き、その例文にも一つひとつ日本語訳が付されています。まず日本語におる意味の確認をしたあとで、英英辞典の定義を読み込み、さらに用例で実際の使い方を英日両方で確認することができます。このように一つの項目内で二重に意味を理解できるのが英英和辞典の特徴です。

英英和辞典によって、英英辞典で得られる「情報が英語でじかに入ってくる」という体験を損なうことなく、要所で日本語の助けを借りることができます。まさに「いいとこ取り」のアプローチであり、「英語で理解したいけど完全に日本語を断つのは不安」という学習者にピッタリの辞書と言えるでしょう。

英英辞典へのステップとして英英和辞典を使うメリット

それでは、英英和辞典を活用する具体的なメリットを見ていきます。英英和辞典を使うことは、英英辞典に挑戦するためのステップ(踏み台)として極めて有効です。

① 英語の定義に慣れつつ確実に意味を理解できる:まず最大の利点は、英語の定義を読む訓練と、日本語での意味確認を同時に行える点です。未知の英単語を引いたとき、まず英語の定義文を読んでみて、自分なりに意味を推測します。すぐ下に日本語訳が載っているので、そこで答え合わせができます。これによって「英語を英語で理解する」練習を積みながらも、誤解したまま先に進んでしまうリスクを避けられるのです。特に初めて英英辞典を使う方にとって、日本語で意味と例文が書かれている安心感は計り知れません。実際、英英和辞典の利用者からも「日本語訳があることで格段に分かりやすい」という声が多く、英英辞典への入門として最適との評価があります。

② 調べる手間・時間の大幅短縮:英英和辞典があれば、英英辞典で意味を推測した後に別の英和辞典で日本語訳を調べ直す…といった二度手間が不要になります。これまで英英辞典に挑戦して挫折した多くの人が感じていた「時間がかかりすぎる」「作業が中断してしまう」という問題を一挙に解決できるのです。英語→日本語の変換にかかる労力が減る分、より多くの単語に触れることができ、結果として語彙習得の効率も上がります。

③ 心理的ハードルの軽減:わからない時には日本語に頼れるという安心感は、学習の継続性を高めてくれます。「全部英語で読まなきゃ…」と肩肘張らずに済むので、英英辞典単独よりも挫折しにくいのです。ある英語講師も「初めのうちは英英辞典と英和辞典を併用するのがおすすめ」と述べていますが 、英英和辞典を使えば一冊でその併用効果が得られます。英英辞典だけで頑張って挫折してしまうくらいなら、英英和辞典という補助輪を付けて走り始め、いずれ補助輪を外す(純粋な英英辞典に移行する)方がずっと建設的です。

④ 入試英語への直接的な効果:英英和辞典で語彙を学ぶことは、単に語彙数を増やすだけでなく語彙の理解の質を高めることにつながります。前述のように英語の定義+日本語訳+用例で学ぶことで、単語のニュアンスや使われ方まで含めて頭に入るため、長文読解で文脈に応じた正確な意味を取れるようになります。また、医学部入試では難しい単語が選択肢に並ぶ語彙問題が出題されることもありますが、英英和辞典で鍛えた語感があれば類義語の違いを論理的に判断できるでしょう。例えば、ある単語を和英辞典で「~=〇〇(日本語)」と覚えるだけでは類義語も同じ日本語訳になり混同しがちですが、英英和辞典でそれぞれの英語定義を読んでいれば、その違いが明確にイメージできるはずです。

このように、英英和辞典は英英辞典への「橋渡し役」となってくれる存在です。医学部受験生にとっては、英語力向上のために避けて通れない英英辞典を無理なく習得するためのベストな方法と言えるでしょう。次章では、具体的にどのような英英和辞典が市販されているのか、代表的な辞典をいくつかご紹介します。

医学部志望者におすすめの英英和辞典:代表的な辞典とその特徴

現在、市販されている英英和辞典としては数はそれほど多くありませんが、その中でも定評のあるものをいくつかご紹介します。いずれも医学部受験生に適したレベルと内容を持つ辞書です。予算感としてはいずれも価格は3,000~4,000円台程度で、紙の書籍版として刊行されています(一部は電子辞書やアプリ版も有)。特徴や収録語彙数、対象レベルなども参考に、自分に合った一冊を選んでみてください。

1. コウビルド英英和辞典(米語版)

『Collins COBUILD English/Japanese Advanced Dictionary of American English』(通称:コウビルド英英和辞典)は、HarperCollins社の有名な学習英英辞典「COBUILD(コウビルド)」に日本語訳を付加したものです。イギリスのコウビルド辞典は、世界で初めてコーパス(大規模な英語データベース)を導入した革新的な辞典として知られ、実際の用例に基づいた「生きた英語」の定義が特徴です。その米語版に日本人学習者向けの編集を施した本書は、英英辞典としての詳しい語義説明や豊富な例文はそのままに、語句の意味・例文・説明などに日本語訳が併記されています。重要語には使用頻度に基づく色分け表示があり、一目で重要単語とわかる工夫もされています。さらに巻末には和英インデックス(日本語から英単語を引ける索引)も付いており、英和辞典としての機能も兼ねている点は便利です。

収録語彙数:約23,000語(見出し語)

※原書であるコウビルド英英辞典(第8版)の約半分の語彙を厳選収録。大学入試~TOEFLレベルまでの重要語を網羅。

特徴:コウビルド辞典最大の特徴であるフルセンテンス形式の定義を踏襲。例えば先述した「circumstance」の定義も一文で端的に説明されており、その後に日本語訳がある形です。例文も実用的で、日常英会話からアカデミックな文章までバランス良く収録されています。米語版ということでスペルや用例はアメリカ英語が中心ですが、必要に応じてイギリス英語表現もカバーしています。

対象レベル:英検準2級~準1級程度(TOEIC~600点台から800点台くらい)。基本的には高校生以上の英語学習者向けですが、コウビルドの定義文は平易なので初めての英英辞典にも適していると評価されています。TOEFLや共通テスト英語対策としても有用です。

付属・形式:紙版はB5サイズ・約1406ページと大部です。CD-ROM付属版も存在し、検索や発音音声再生が可能(※ただし発売が2008年と古いため、現行OSでの動作保証は要確認)。電子辞書版や、物書堂から有料アプリ(iOS用「コウビルド英英和辞典(米語版)」)もリリースされています。

2. 小学館ケンブリッジ英英和辞典(セミバイリンガル版)

『小学館 ケンブリッジ英英和辞典 Semi-bilingual Dictionary』は、イギリスのCambridge University Pressが発行する「Cambridge Learner’s Dictionary(第2版)」をベースに、日本語訳を付加した英英和辞典です。2004年に刊行され、「画期的なセミバイリンガル辞典の登場!」とうたわれた本書は、学習者向け英英辞典に最小限の日本語訳をプラスした先駆け的存在です。ケンブリッジの学習辞典は定義が明快で、コーパス(Cambridge International Corpus)に基づく語法・頻度情報や、学習者コーパスから抽出した誤用例の解説コラムなど、英語学習に役立つ情報が豊富な点が特徴です。それら英英辞典としての情報に加え、本書では定義や用例に対応した日本語訳が添えられているため、理解しやすさが格段に向上しています。

収録語彙数:約35,000語(見出し語)

※中級学習者向けの語彙を網羅。最新語も当時としては充実しており、「SARS」など2000年代初頭の新語も収録。ページ数927とコンパクトながら必要十分な語彙を収めています。

特徴:定評あるケンブリッジの英英辞典ゆえ、定義に使われている英単語の難易度も制御されています(Defining Vocabularyを限定)。そのため、英語の定義文自体が平易で読みやすいです。また各単語に【U】(不可算)【C】(可算)など文法的な表示、派生語や類義語の一覧、語法メモなどが付記されており、受験勉強にも実用的です。日本語訳はあくまでヒント程度に簡潔なものが多く、必要最小限に留められています。これは「あくまで英語で理解させたい」という編集方針によるもので、単語によっては日本語訳が一語だけの場合もあります(その分、英語の定義と用例が平易なので心配ありません)。

対象レベル:英検2級~準1級程度(共通テスト~難関大入試レベル)。学習英英辞典という位置づけ上、高校生や大学初年度の英語学習者にフィットします。特に「まずは英文で意味を捉える練習をしたい」という中級者に最適です。医学部受験の長文に出てくる単語も概ねカバーしていますが、難解な専門用語などは載っていない場合もあります。しかしそうした語は入試でも頻出ではないため、大局に影響はないでしょう。

付属・形式:紙版(A5判)にはインストール型CD-ROMが付属し、PC上で電子辞書的に検索利用できました (シソーラス機能・発音音声付き)。発音は英英辞典らしく英音・米音の両方を収録しています。現在では入手困難になりつつありますが、中古市場や図書館で見つけられることもあります。なお、紙版はハードケース付きで持ち運びもしやすく、通学のお供にもギリギリ耐えうるサイズ感です(重量約1kg弱)。

(参考)オックスフォード現代英英和辞典 第10版

最後に参考として挙げるのが、「オックスフォード現代英英和辞典 第10版」です。これは学習英英辞典の老舗であるオックスフォード大学出版局の Oxford Advanced Learner’s Dictionary (OALD) 第10版 に、日本語訳を付与したデータを基にしたものです。書籍としての市販は確認できませんが、物書堂の辞書アプリ「辞書 by 物書堂」内でこの英英和辞典コンテンツが購入可能です。収録項目数は約22万8千(純粋な英英辞典として)に及び、今回紹介する中では飛び抜けて語彙数が多いです。日本語訳が付いている範囲は不明瞭ですが、基本的にOALDの各語義に対応する訳語が併記されているようです。語義ごとに区切られた細かな意味の違いまで知りたい場合や、さらに上級の単語までカバーしたい場合には有力な選択肢となります。

収録語彙数:22万語以上(派生語・成句含む)と最多。ただしこの中には専門的な語や稀な語も多く含まれるため、受験勉強で実際に利用する語彙は一部でしょう。

特徴:英英辞典として世界的定番のOALDですので、定義の明瞭さ、用例の豊富さ、語法情報の詳しさは折り紙付きです。日本語訳が付いたことで、学習者がつまずきやすい微妙な意味の差異も確認しながら学べます。例えば “choose” と “select” の違いなども、それぞれの定義文と日本語訳を見比べることで理解が深まるでしょう。電子版ならではの機能として、日本語キーワードでの検索も可能なので、「日本語ではこう言いたいけど適切な英単語は?」と調べる際にも役立ちます。

対象レベル:英検準1級~1級以上(大学上級~専門レベル)。医学部受験生にとっては少しオーバースペック気味ではありますが、難関大(二次試験や論文試験で知られる大学など)を目指す人や、将来的に高度な学術英語まで見据える人には心強い辞典です。

付属・形式:現状では電子データでの提供が主です。物書堂アプリでは7,000円程度で購入でき、スマホやタブレット上で利用可能です。発音音声や用例検索など、デジタル活用ならではの便利機能も備わっています。紙辞書派の方には若干敷居が高いかもしれませんが、「持ち運び不要で、いつでも手元の端末で引ける」と考えると検討の価値はあります。

以上、代表的な英英和辞典を紹介しました。結論として、まずは扱いやすい一冊を手に入れて、英英和辞典を引く習慣をつけることが大切です。では、実際に手に入れた英英和辞典をどのように勉強に活用していけば良いのでしょうか?最後に、英英和辞典を使った効果的な勉強法をご提案します。

英英和辞典を使った効果的な勉強法

辞書は使ってこそ価値が出る道具です。英英和辞典をせっかく手に入れても、ただ眺めているだけでは英語力向上にはつながりません。ここでは、英英和辞典をフル活用して医学部受験の英語力を鍛えるための具体的な学習法をいくつか紹介します。ぜひ今日から取り入れてみてください。

1. 英語の定義を読んでから日本語訳を確認する癖づけ

単語を引いたら、いきなり日本語訳を見るのではなく、まず英語の定義文から読むようにしましょう。最初は時間がかかるかもしれませんが、英文を読んで「こういう意味かな?」と予測し、それから日本語訳で確認するプロセスを踏むことで、次第に英文定義だけでも理解できる力がついてきます。もし定義中に知らない単語があっても落胆しないでください。その単語も同じ辞書で引けば良いのです(もちろんその際もまず英語定義→日本語訳の手順で)。このように未知語を芋づる式に調べていく過程自体がトレーニングになります。一度の調べ物で複数の新出単語に触れるため効率的とも言えます。ぜひ「まず英語で考える→日本語で確認」という習慣をつけてみましょう。

2. 語義をノートに書き写して覚える

調べた単語はそのままにせず、専用のノートに記録しましょう。ポイントは、日本語訳だけでなく英語の定義も一緒に書き写すことです。自分の手で英文を書き写す行為によって、読むだけより記憶に残りやすくなります。また、あとで見返したときに英語定義を読む復習にもなります。例えば「obstacle – something that makes it difficult to do something (障害、妨げ)」「meticulous – very careful about small details (細心の注意を払う)」といった具合に、見出し語・英語定義・日本語訳をセットでノート化するとよいでしょう。紙に書くことで記憶定着率が上がることは多くの研究でも指摘されていますし、ノートが自分だけのミニ英英和辞典として蓄積されていけば達成感も得られます。

3. 辞書に載っている例文を活用(音読・暗記)する

英英和辞典には各単語の用例が英語と日本語で掲載されています。これら例文は宝の山です。単語の意味を頭で理解するだけでなく、例文を通じて実際の使われ方(コロケーションや文法構造)を学ぶことで、その単語を自分で使えるようになります。おすすめの方法は、例文を音読することと、可能ならその例文をまるごと暗記することです。音読することで発音やリズムとともに単語の使い方が体に染み込みますし、暗記すればいざ英作文でそのまま応用できます。例えば “The results surpassed all our expectations.” という例文を覚えれば、「surpass = 期待を上回る」という知識以上に、「surpassはこう使うんだ」と実感できます。実際、言語学習サイト「Antimoon」の記事でも「辞書の例文は定義以上に重要」であり、例文を読むことで意味がより明確になり記憶にも残りやすいと指摘されています。ぜひ気に入った例文や重要そうな例文はノートに書き写したり暗唱したりして、自分のものにしてください。

4. 類義語・派生語もまとめてチェック

一つの単語を引いたら、その項目内に載っている類義語(synonyms)や反意語(antonyms)、派生語(derivatives)にも目を通しましょう。英英和辞典には「同意語→○○参照」「反意語→△△参照」といった情報が記載されていることがあります。それらも可能な範囲でチェックしておくと、語彙のネットワークが広がり効率的です。例えば “medical” を引いたついでに “medicinal” や “medically” の意味も確認したり、「必須=essential」を調べたら「不可欠な=indispensable」も併せて見る、といった具合です。これにより、関連語をまとめて習得でき、長文中で言い換え表現が出てきても対応しやすくなります(実際、入試では同じ意味を持つ別単語が言い換えで登場するケースがよくあります)。英英和辞典は日本語訳も付いているので、類義語同士のニュアンス差も日本語で確認できて理解が深まる利点があります。

5. 繰り返し引いた単語には印を付ける

勉強を進めていると、「この単語、前にも引いたのにまた忘れていた…」ということがどうしても起こります。そんな時は、辞書の該当箇所にチェックマークや蛍光ペンでラインを引いておきましょう。何度も見る単語には色を変えて印を付けるという方法もおすすめです。例えば初回は青、2回目は赤、3回目は緑…というように線を引いていくと、後でページを開いたとき「うわ、3回も調べてる!次は忘れないようにしよう」とちょっとした悔しさが刺激になります (※書籍を汚したくない人は付箋にメモして貼るのでもOKです)。このように自分なりの仕掛けで記憶に残す工夫をすると、同じ単語を引く回数も徐々に減っていくでしょう。

6. 英英和辞典を辞書以外の用途にも活用する

英英和辞典は「単語を引く」以外にも活用法があります。例えば、英作文のブラッシュアップです。和文英訳や自由英作文の練習で、自分の書いた英文が適切か疑わしいときに、キーワードとなる単語を英英和辞典で引いてみましょう。載っている定義や用例と自分の英文を見比べれば、その単語の使い方が合っているかチェックできます。「この動詞は進行形にしない方が良いのかも」「この名詞は不可算だから冠詞は要らないな」など、辞典の情報から多くのフィードバックが得られます。また、長文読解の学習で知らない単語が出たときも、本文中での意味を推測してから辞書で確認する訓練に英英和辞典を使えば、より確実に語彙力が身につきます。要するに、普段の英語学習のあらゆる場面で積極的に英英和辞典を参照することで、「英語を英語で理解する」機会を増やすことが大切です。

以上のような方法で、英英和辞典を日々の学習に取り入れてみてください。最初は戸惑うかもしれませんが、使えば使うほど効果を実感できるはずです。辞書の例文から学んだ表現が模試の長文に出てきてニヤリ…なんてことも起こるかもしれません。

英英和辞典で一歩ずつ「英語が得意」へ

英英辞典に興味はあるもののハードルを感じていた医学部志望の皆さんに向けて、英英和辞典という強い味方とその活用法をご紹介してきました。英英和辞典を使えば、英語を英語で理解する力を無理なく伸ばしつつ、日本語の助けも得られるため、英英辞典への挑戦を挫折で終わらせることなく続けられるでしょう。

医学部合格という目先の目標だけでなく、その先の医学・医療の世界で活躍する自分をイメージしてみてください。おそらく英語で書かれた論文を読みこなし、海外の医師とディスカッションし…といった場面が思い浮かぶのではないでしょうか。今、英英和辞典で培った英語力は、将来必ずあなたの武器になります。語学は一朝一夕では身につきませんが、日々の少しずつの努力が積み重なって大きな力となります。英英和辞典というツールを上手に使いこなし、「英語が得意だ」と胸を張って言える自分に近づいていきましょう。丁寧にコツコツと続けていけば、医学部入試の長文も怖くなくなり、英語がますます面白く感じられるはずです。

医学部入試のことで悩んでいる、受験相談がしたい、通っている高校が忙しすぎて効率的な勉強ができずに成績が下がってしまっている。英語も苦手になってきてしまったし、数学の成績も落ちてきているなど、医学部受験にかかわるどんな相談でもかまいません。ご相談のあるかたは、下のLINE登録から友だち登録して、お気軽にご相談ください。




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