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都道府県別「人口10万人あたりの病院数」ランキング【2022年版】地域医療の現状を徹底分析

日本の地域医療の現状を可視化する指標として、「人口10万人あたりの病院数」は非常に重要な意味を持ちます。この数値は、単なる施設の多寡だけでなく、その地域の歴史、医学部の影響力、そして現在の人口動態を如実に表しています。

厚生労働省の「令和4年(2022年)医療施設調査」に基づき、47都道府県の全ランキングを公開します。

全国平均は 6.7施設 です。四国・九州勢が上位を独占する一方で、人口密度の高い首都圏や中京圏が下位に沈むという、鮮明なコントラストが出ています。

順位都道府県病院数(10万人対)
1位高知県18.0
2位鹿児島県15.4
3位徳島県14.9
4位大分県13.5
5位佐賀県12.9
6位宮崎県12.5
7位熊本県11.5
8位長崎県11.1
9位島根県10.9
10位山口県10.4
11位香川県10.1
12位愛媛県9.8
13位福岡県9.1
14位鳥取県8.9
15位和歌山県8.8
16位北海道8.7
17位岡山県8.6
18位奈良県7.9
19位広島県7.9
20位富山県7.8
21位山形県7.4
22位石川県7.3
23位福井県7.3
24位秋田県6.9
25位山梨県6.7
全 国 平 均6.7
26位青森県6.6
27位京都府6.3
28位岐阜県6.2
29位宮城県6.0
30位群馬県5.9
31位新潟県5.8
32位栃木県5.5
33位長野県5.4
34位兵庫県5.3
35位福島県5.2
36位東京都5.1
37位岩手県5.0
38位三重県4.9
39位大阪府4.9
40位茨城県4.8
41位静岡県4.8
42位沖縄県4.8
43位埼玉県4.7
44位千葉県4.6
45位愛知県4.3
46位滋賀県4.0
47位神奈川県3.7

ランキングから読み解く3つのポイント

鮮明な「西高東低」の構造

1位の高知県(18.0)と47位の神奈川県(3.7)では、約5倍の開きがあります。西日本、特に九州・四国エリアに病院が多い背景には、明治期の私立医学専門学校の多さや、そこから派生した民間病院が地域医療の主体として根付いた歴史があります。対照的に、東日本は国立病院や公的病院を中心とした大規模施設による集約化が進んでいます。

「病院数」と「医療の質」は別問題

病院数が多い地域は、1つひとつの施設が小〜中規模(療養型など)であるケースが多く、地域に密着した医療を提供しています。一方で、ランキング下位の東京、神奈川、愛知などは、病院数こそ少ないものの、1施設あたりの病床数が多く、高度な医療機器を備えた「特定機能病院」や「地域医療支援病院」が集積しています。

都市部の人口爆発と病床制限

埼玉県や千葉県、神奈川県などの首都圏が下位に並ぶ最大の要因は、急激な人口流入です。1985年の医療法改正で導入された「病床規制」により、人口が増えても新しい病院を自由に建てることが難しくなりました。その結果、既存の病院がキャパシティを超える患者を受け入れる構造になっており、救急搬送の困難事案が発生しやすい一因ともなっています。

医学部受験生・医療従事者の視点

このデータは、将来のキャリアプランを考える上での「ヒント」になります。

  • 上位県(地方都市)での勤務:中小規模の病院が多いため、若いうちから幅広い症例を任されたり、地域医療のマネジメントに携わったりする機会が多い傾向にあります。
  • 下位県(大都市圏)での勤務:大規模病院への機能集約が進んでおり、高度専門医療や研究、先進的な症例に触れる機会が豊富です。ただし、病院あたりの患者数が多いため、現場の負担は非常に大きくなる傾向があります。

まとめ

日本の医療は、各都道府県が独自の歴史と課題を抱えながら成立しています。「人口10万人あたりの病院数」を知ることは、各地域の医療ニーズや将来の医師不足問題を考えるための第一歩です。この数値を踏まえ、志望大学がある地域の病院配置や医局の勢力図をさらに考察すると、より立体的に地域医療が見えてくるはずです。

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