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医学部受験生必見!エビングハウスの忘却曲線とAnkiアプリで暗記効率を劇的に高める方法

医学部受験は暗記量との戦い。 膨大な知識を効率よく暗記できるかどうかは、合否を左右する重大な課題です。しかし一度覚えた内容も、時間の経過とともに忘れてしまう――誰もがそんな経験をお持ちではないでしょうか。これはドイツの心理学者エビングハウスが発見した「忘却曲線」と呼ばれる現象で説明できます。人間の記憶は放っておくと急速に薄れていき、何もしなければ新しく学んだ情報の約8割を1週間後には忘れてしまうのです。一見ショッキングな数字ですが、この“忘れる”性質を理解し対策を講じることで、記憶の定着率を劇的に向上させられることもエビングハウスは示しています。鍵となるのは適切なタイミングでの繰り返し復習能動的な想起(アクティブリコール)です。本記事では、忘却曲線の概要とそれが示唆する効果的学習法を解説し、間隔反復(スペースドリル)を活用した最強の暗記ツール「Ankiアプリ」をご紹介します。GRITメディカルではこのAnkiアプリの活用を強く推奨しており、受講生全員にiPadを配布して学習効率最大化を図る方針を取っています。その特徴を踏まえ、医学部受験でAnkiを使いこなす具体的な方法や、GRITメディカルでの活用事例、さらにはAnkiを効果的に使うためのポイントまで、順を追って丁寧にお伝えします。

エビングハウスの忘却曲線とは? – 記憶と学習効率の基礎理論

まずはエビングハウスの忘却曲線について押さえておきましょう。忘却曲線とは、人間の記憶保持率が時間経過とともにどのように低下していくかを示した曲線です。エビングハウスは無意味な音節を用いた実験で、人が新しい情報を覚えた直後を100%の記憶量とすると、1時間後には約半分、1日後には約7割を忘却し、1週間後にはわずか2割程度しか思い出せなくなることを報告しました。さらに放置すれば1ヵ月後にはほとんど忘れてしまうという結果も出ています。

こうした数字を見ると、「せっかく覚えても大半は無駄になってしまうのか」と不安になるかもしれません。しかし忘却曲線が教えてくれる重要なポイントは、「人は放っておけば忘れる」という当たり前の事実であり、裏を返せば「適切なタイミングで復習すれば忘却を防げる」という希望でもあります。エビングハウス自身、実験を通じて繰り返し復習を行うことで記憶の定着率が飛躍的に高まることを発見しています。つまり忘却曲線そのものは脅威ではなく、この曲線を味方につけた賢い勉強法が存在するのです。

その勉強法の鍵が「間隔反復」(Spaced Repetition)と呼ばれる手法です。これは学習後の復習間隔を徐々に延ばしながら繰り返す方法で、忘れかけた頃合いに思い出す作業を重ねることで記憶を保持し続ける戦略です。例えば研究によれば、学習後24時間以内に1回目の復習を行い、その後1週間以内に2回目、1ヵ月以内に3回目の復習をすることで、復習にかかる時間は徐々に短くなりつつも記憶保持率をほぼ100%近くまで戻せることが示されています。逆に言えば、全く復習しなければ1ヵ月後には学んだことの大半を忘れてしまうわけですが、適切なタイミングで複数回復習することで忘却曲線の傾きを緩やかにし、効率よく知識を長期記憶に定着させられるのです。

また、単に復習するだけでなく「思い出す」訓練(アクティブリコール)を組み合わせると記憶効果はさらに高まります。ただノートを読み返すのではなく、自分で問題を解いたりクイズ形式で記憶を引き出したりする方が、脳への刺激が強く記憶に残りやすいことが多くの研究で示されています。この「間隔をあけた繰り返し復習」「能動的に思い出す作業」を融合させた学習こそ、忘却曲線に打ち克つ最善策なのです。

医学部受験は暗記量との戦い:繰り返し復習が不可欠な理由

では、この忘却曲線の知見を医学部受験勉強にどう活かせるでしょうか。医学部受験では、高いレベルで幅広い分野の知識を要求されるため、一度学んだ内容を試験本番まで記憶に留め続けることが極めて重要です。英語の長文読解に必要な大量の英単語、生物・化学の専門用語、歴史の年号や地理の事項に至るまで、受験生が覚えるべき知識量は膨大です。しかも受験勉強は長期戦。夏までに暗記した知識も、受験直前になって忘れていては元も子もありません。過去に学んだ内容を積み重ねて活用する場面が多い医学部入試では、学習内容を忘却させず積み上げていくことが合格への絶対条件となります。

しかし人間の記憶は放っておけば必ず薄れていきます。「頑張って覚えたのに、しばらく経つと忘れてしまった」という事態を防ぐには、計画的な復習が欠かせません。忘却曲線によれば、記憶した内容は何度もタイミングよく復習することで初めて長期保持できるのです。例えば単語帳を一度見ただけでは1週間後にほとんど忘れてしまいますが、翌日、数日後、1週間後…と間隔を空けて繰り返し見直すことで、忘却のスピードを大幅に遅らせることができます。

さらに効果的なのは、問題演習などアウトプットを通じた復習です。ただ読み返すだけの受動的な復習ではなく、自分で解いてみる・答えてみるという能動的プロセスを取り入れると記憶定着率が上がります。例えば、一問一答形式の問題集やカードを使って自問自答しながら復習すると、教科書を眺めているだけの場合に比べてはるかに記憶に残りやすくなります。これは脳が「思い出す」作業によって刺激され、記憶が強化されるからです。

要するに、医学部受験のような大量の暗記を要する試験では、「適切なタイミングで」「繰り返し」「能動的に」復習することが合格へのカギとなります。裏を返せば、これらをサボってしまうとどんなに一度は覚えても本番で思い出せず実力を発揮できなくなる恐れがあります。実際、大手予備校でも「単語帳やフラッシュカードを活用して、忘れないうちに簡単に反復学習できる方法」を取り入れるよう勧めているほどで、繰り返し学習の重要性は受験指導の常識となっています。

「復習を制する者が医学部受験を制す」と言われるゆえんも、まさにこの点にあります。忙しい受験生活で計画通りに復習を続けるのは容易ではありませんが、そこを怠ると記憶はどんどん薄れていきます。忘却曲線を味方につけ、効率よく知識を積み上げるためにも、日々のスキマ時間も使ってコツコツと復習を重ねる習慣を身につけましょう。この地道な繰り返しこそが、最難関とも言われる医学部入試を突破する近道なのです。

Ankiアプリの仕組みと忘却曲線との親和性

こうした間隔を空けた反復学習とアクティブリコールを実践するのに最適なツールが、GRITメディカルでも積極活用を推奨している「Anki(アンキ)アプリ」です。Ankiとは一言で言えば、IT技術で強化された最強の単語帳のようなもの。人間の忘却メカニズムに基づいて設計された間隔反復アルゴリズムが組み込まれており、ユーザーの記憶定着度に応じてカードを出題する最適なタイミングをアプリが自動で判断してくれます。これは紙の単語帳では真似できない機能で、Ankiを使えば「忘れそうになった頃合い」に合わせて効率的・効果的な復習を行うことが可能になるのです。実際、人気のデジタルノートアプリGoodNotesのフラッシュカード機能も同様のアルゴリズムを搭載しており、ユーザーの解答状況から「忘れかけた頃」を予測して自動通知してくれると公式発表されています。Ankiアプリもまさに同じ発想で、忘却曲線に沿ったタイミングでカードを再出題することで記憶の定着を図る仕組みなのです。

Ankiのもう一つの特徴は、能動的な記憶想起を徹底できる点です。ユーザーはカードの表面(質問)を見て、自分の頭で答えを思い出し、裏面(答え)を確認します。この一問一答の反復テストそのものがアクティブリコールの実践であり、記憶の定着を飛躍的に強めます。単にテキストを読み返す勉強と比べて、Ankiでの学習は常に自分へのクイズ形式になるため、忘れにくく長期記憶に残りやすいのです。

さらにAnkiのアルゴリズムはユーザーごとの得意・不得意に合わせて出題頻度を調整してくれます。具体的には、カードに対して解答後に「覚えた」「少し迷った」「全く覚えていない」等を評価入力すると、それに応じて次にそのカードが出題される間隔が自動的に延長または短縮されます。間違えた問題や曖昧な記憶のカードほど優先的に再出題されるため、自分の弱点を効率よく補強できる仕組みになっています。一方、簡単に思い出せたカードは次回出題までの間隔が大きく延びるため、既に定着した知識に無駄な時間をかけず、必要なところにより多くの学習時間を割けるようになります。このようにAnkiアプリは忘却曲線を考慮して記憶が薄れかけた頃に効率よく復習させ、かつ苦手分野に学習リソースを集中できるため、膨大な専門用語であっても効率よく暗記することが可能です。

実際、世界中の医学部生や受験生がAnkiを活用して成果を上げています。アメリカの医師国家試験(USMLE)対策でもAnkiは必須ツールとして紹介されるほどであり、忘却曲線に沿った反復学習ができる最強の暗記アプリとして人気が高まっています。ある日本の医学生は、Ankiによる間隔反復のおかげで難解な内容もストレスなく暗記でき、短期間で試験合格できたと報告しています。また別の医学部の先輩は、国家試験対策でフラッシュカードアプリ(Anki等)を駆使して合格を勝ち取った経験から「もっと早く始めればよかった」と語っており、受験勉強の段階からこの学習法を習慣化しておくことは合格への近道だと証言しています。Ankiは将来の医学部在学中や医師国家試験で威力を発揮する学習法でもあるため、高校生・浪人生のうちに使いこなしておけば一生ものの武器になるでしょう。

医学部合格に向けたAnkiの具体的活用法 – 英単語から専門用語まで

では、医学部受験勉強において具体的にAnkiアプリをどのように活用できるか、その方法を見ていきましょう。Ankiは覚えたい事柄を何でもカード化できる柔軟なツールです。英語、理科、社会など科目を問わず、「これは暗記しないといけない」という内容はすべてAnkiに集約してしまうのがおすすめです。以下に科目別・用途別の活用例を挙げます。

  • 英単語の暗記: 医学部受験では大学入試レベルの高度な英文を読み解く必要があるため、英単語力の強化は不可欠です。Ankiで英単語カードを作成し、表面に英単語、裏面に日本語の意味(できれば英語の同義語や簡単な英英定義も)を書くことで、自分だけのデジタル単語帳ができます。例えば「meticulous」という単語を表に、「綿密な、細心の【類】thorough」などと裏に書いておきます。あとは通学時間やスキマ時間にAnkiを開き、発音も頭に思い浮かべながら意味を言えるかテストしてみましょう。覚えられなかった単語はAnkiが重点的に再出題してくれるので、苦手単語も効率よく克服できます。Ankiならスマホと同期もできるので、スキマ時間勉強にも最適です。
  • 理科科目の用語・公式暗記: 生物や化学では専門用語や反応式、物理では公式や法則名など、暗記すべき知識が数多くあります。これらも一問一答形式でカード化してしまいましょう。例えば生物なら「グリコーゲンは何の単糖が多数結合した高分子か?」を表に、「グルコース(ブドウ糖)」を裏に、といった具合です。化学反応式であれば穴埋め形式(クローズ法)でカードを作るのも効果的です。例えば「アンモニアソーダ法: NaCl + ___ + H2O + CO2 → 2 NH4Cl + Na2CO3」のように一部を伏せ字にしてカードにし、裏面に答え「NH3(アンモニア)」を書くという方法です。Ankiならテキストだけでなく画像や数式もカードに埋め込めるので、解剖図や化学構造式を貼り付けて視覚的に用語を覚えることもできます。自分で図を書くよりも手軽で、視覚と聴覚(音声)も組み合わせて記憶定着を高めることが可能です。例えば歴史の年号暗記では年代と出来事を対応させるカードを作ったり、地理では白地図を貼って国名や州名を答えるカードを作ることもできます。覚えるべき事柄はすべてAnkiで管理し、間隔反復で効率よく脳に定着させましょう。
  • 医学知識・専門用語の習得: 医学部受験そのものでは高校範囲の学習が中心ですが、将来の医学部生活を見据えて基礎的な医学用語や知識を少しずつ暗記しておくのも良いでしょう。たとえば解剖学の基本用語(骨や臓器の名前)や、生理学の基礎概念(ホルモン名と働きなど)をAnkiでカード化しておけば、入学後の学習がスムーズになります。実際、多くの医学生が解剖学や薬理学の膨大な専門知識をAnkiで暗記しているほど、医学とAnkiの相性は抜群です。高校生のうちから医学系単語に親しんでおくことで、モチベーションアップにも繋がるでしょう。GRITメディカルでも、医学部志望者の関心を高めるために必要に応じて医療トピックに関する豆知識を教えることがありますが、それらもAnkiに入れておけば後々まで役立つ自分だけの財産になります。なお、医学部合格者の中には「受験勉強の段階からAnki等の暗記カード学習を習慣化していたことが合格の決め手になった」と振り返る人もいます。覚えるべき内容は違えど、暗記力を鍛えるトレーニング自体はどんな分野にも通用します。Ankiで日々暗記トレーニングを積むことは、合格への実力養成であると同時に、将来の医学学習への先行投資とも言えるでしょう。

グリットメディカルでのAnki活用事例 – 全受講生にiPad&徹底サポート

グリットメディカルでは、受講生全員に学習用のiPadを持参・活用してもらう方針をとっています。これは、単にデジタル機器に慣れてもらうだけでなく、合理的かつ効率的な学習法で最短合格を目指すという当塾の理念によるものです。iPadを使って塾生に勉強してもらうことで、Ankiアプリをはじめとする先進的な学習ツールを存分に活用できる環境を整えているのが大きな特徴です。

では、グリットメディカルの受講生たちは実際どのようにAnkiを活用しているのでしょうか。当塾の具体的なサポート内容と併せてご紹介します。

  • 初期設定と導入サポート: 入塾時にはまず各生徒のiPadにAnkiアプリ(もしくは同等の暗記カードアプリ)をインストールし、すぐ使い始められる状態に設定します。AnkiはPC版やAndroid版が無料で使え、iOS版は有料ですが、その価値は十分あることを説明し、必要に応じて導入のお手伝いをしています。また、AnkiWebへのアカウント登録やデバイス間同期の設定もサポートし、自宅のPCでカードを作成し通学中にスマホやiPadで復習するといったマルチデバイス活用ができるようにしています。最初は「Ankiの使い方が難しそう…」と戸惑う生徒もいますが、担当講師が基本的な操作方法からカードの作り方までマンツーマンでレクチャーするので心配はいりません。最初はデジタルに慣れない生徒もいますが、Ankiなどの暗記カードアプリを使いこなせるようになると学習効率アップに大いに役立つため、ここは丁寧にサポートしています。
  • 暗記教材の共有とデッキ配布: グリットメディカルでは授業で使用する教材や板書もすべてタブレット上で共有・配布します。例えば英単語帳や重要用語集などは紙で配る代わりにデータを配信し、その中でAnki用のカードデッキを用意して配布することもあります。英単語については、頻出医学部英単語リストを元にしたAnkiデッキをこちらで作成し、生徒に提供しています。生徒はそれをインポートするだけで学習を開始でき、カード作りに時間を取られることなくすぐに暗記練習に取りかかることができます。理科の重要公式集や社会科の年代暗記カードなども、講師が工夫を凝らしたデッキを共有することで効率よく基礎事項を記憶できる仕組みを整えています。もちろん自分でカードを作りたい生徒にはそのやり方を指導し、「自分専用の問題集」を作る感覚でAnkiを活用してもらっています。授業で出てきたキーワードや間違えた問題はその場でAnkiに登録させ、授業内容が終わった直後から復習サイクルが回り始めるよう工夫しています。
  • 定期的な使い方指導とフォロー: Ankiは便利な反面、継続して使わなければ効果が出ません。当塾では週次の面談や学習コーチングの際にAnkiの利用状況もチェックし、うまく活用できていない様子であれば原因を一緒に考えます。「カードの作り方がわからない」「レビューが溜まりすぎて嫌になった」などの声に対しては、講師が実際に生徒のデッキを見ながら改善アドバイスを行います。例えば、カード内容が難しすぎる場合は一問一答の粒度を小さく分割することや、覚えにくいものは画像や語呂合わせを取り入れる工夫を提案します。また、レビューが負担にならないよう1日の新出カード追加枚数を制限したり、勉強計画の中にAnki復習時間を組み込むよう指導します。場合によっては学習スケジュールを講師が預かり管理し、リマインドを送るなど徹底したフォローで、「自分一人ではサボりがちな復習」も習慣化できるよう支援します。その結果、多くの生徒がAnkiでの復習ペースを維持できており、「一度習慣になってしまえば苦痛なく続けられるし、成績も上がって自信になった」という声が聞かれます。

このように、グリットメディカルではデジタル技術とマンツーマンサポートを融合させることで、忘却曲線に打ち克つ合理的な学習法を実践しています。受講生全員にiPadを持たせているのも、Ankiに代表される効率学習ツールを最大限に活用して最短で医学部合格を勝ち取ってほしいという思いからです。「復習の徹底なんて自分では難しい」、「新しいことの勉強に必死で復習が習慣化できない」と感じる人でも、グリットメディカルなら周到なサポートのもとで効率的な反復学習を習慣化できます。ぜひ私たちと一緒に、最新の学習メソッドを駆使して医学部合格を勝ち取りましょう。

Ankiを使いこなすためのポイント・注意点

最後に、Ankiアプリを最大限に活用するためのコツ注意すべきポイントを整理します。便利なツールではありますが、使い方を誤るとかえって非効率にもなり得ます。以下のポイントを参考に、Ankiの効果を100%引き出せるようにしましょう。

  1. 毎日の習慣にする: Ankiの間隔反復アルゴリズムは、決められた日に復習を行うことが前提になっています。レビュー(復習)を先延ばしにするとカードが雪だるま式に溜まり、負担が増してしまうので注意が必要です。1回の復習は数分~15分程度でも構いませんから、毎日欠かさずAnkiを開く習慣をつけましょう。「今日は疲れたから明日まとめて」ではなく、通学中や寝る前などスキマ時間で良いので短時間でも継続することが肝心です。
  2. 暗記する前に理解する: 「理解していないものを暗記するな」というのは記憶術の鉄則です。意味が分からないまま丸暗記しようとしても、すぐに忘れてしまったり混乱したりしがちです。Ankiに入れる内容は、まず教科書や参考書で十分に理解してからカード化するようにしましょう(どうしても理解が追いつかない場合は、講師に質問してクリアにしてから覚える方が結果的に効率的です)。例えば英文解釈であれば構文を理解してから例文を丸暗記する、化学反応でも原理を理解してから反応式を覚える、といった具合に、理解と暗記をセットで進める意識を持つと知識が定着しやすくなります。
  3. カードはシンプルに、1問1答形式で: Ankiカードを作るときは、できるだけシンプルに一つの事柄だけを問うように心がけましょう。これは記憶研究の権威ウォズニアック博士の提唱する「最低情報の原則」でも強調されています。質問文はできるだけ短く明確にし、答えも一点に絞ります。例えば「センメルウェイスが提唱した医療衛生習慣は?」というカードであれば答えは「手洗い」のみにする、といった具合です。複数の情報を一度に聞くカード(「〇〇の原因と症状と治療法は?」など)は覚えづらく、部分的に曖昧なまま正解してしまう恐れもあります。どうしても関連事項をまとめたい場合でも、なるべく細かくカードを分割するか、穴埋め問題形式で一部だけ隠す(クローズド削除)ようにすると良いでしょう。
  4. 画像や音声、語呂合わせも活用: Ankiはテキストだけでなく画像や音声をカードに埋め込むことが可能です。視覚や聴覚を刺激すると記憶の定着率が上がる場合があるので、有効に活用しましょう。例えば生物の暗記では実物の写真や模式図を貼ったり、英語の発音を音声ファイルで添付したりできます。また、どうしても覚えにくい事項には語呂合わせやイメージ画像をカードに書き込んでおくのも手です。「ゴロ」や記憶術(メモリーテクニック)は覚える助けになりますが、後から見返したときに思い出せないと困るので、Ankiカード上に語呂のヒントを書いておけば試験直前の総復習にも役立ちます。
  5. 学習ペースを管理する: Ankiでは自分で新規カードの追加ペースを調整できます。最初に張り切って大量のカードを投入しすぎると、翌日以降のレビューが膨大になって挫折しがちです。1日に追加する新カード枚数は、自分が無理なく復習を継続できる範囲に抑えるのがコツです。例えば1日20枚ずつ増やす設定にしたら、そのぶん復習も増えるため、他教科の勉強時間との兼ね合いを考えながら調整しましょう。受験直前期など忙しいときは無理に新規カードを増やさず、既存カードの復習に専念することも大切です。Ankiの良い点は自分のペースで学習スケジュールをカスタマイズできることなので、焦らず着実に使い続けることを意識してください。
  6. 正直に自己評価する: カード回答後の自己評価は、復習間隔を決める重要なデータになります。つい「また覚えるのは面倒だから…」と甘めに評価したくなることもありますが、思い出せなかったカードは素直に「忘れた」扱いにして再学習することが肝要です。Ankiのアルゴリズムは多少忘れても何度も出題してくれるよう設計されていますから、間違えたことを怖がる必要はありません。むしろ、間違えたカードほど優先的に出てくることで弱点を補強できるのがAnkiの利点です。逆に覚えているカードに「難しい」を選び続けてしまうと、何度も同じカードが出てきて非効率です。本当に暗記できたものは思い切って間隔を伸ばし、まだ不安なものだけ繰り返すようにしましょう。こうすることで、時間をかけるべき箇所に集中できる学習効率の良さが際立ってきます。
  7. 定期的にデッキを見直す: 長期間Ankiを使っていると、カードの数が増えて管理が大変になることがあります。そんなときはデッキを科目ごと・分野ごとに整理したり、不要になったカードは思い切って削除することも検討しましょう。受験が終わったらその科目のデッキはアーカイブする、頻出でないマニアックな知識は一旦外す、といった取捨選択も時には必要です。常に「このカードは今の自分に必要か?」を意識し、アップデートし続けることで、Ankiデッキが自分専用の究極の問題集として完成度を増していきます。逆に、カードに誤情報を入れてしまうとそのまま覚えてしまう危険もあるため(Garbage In, Garbage Outの原則)、内容の正確さチェックも忘れずに。講師に確認してもらうのも良いでしょう。

以上のポイントを踏まえてAnkiを使えば、鬼に金棒です。最初は設定や操作に戸惑うかもしれませんが、一度自分のペースを掴めばまるでゲームのように楽しみながら暗記力を伸ばすことができるでしょう。「あと◯枚で今日のノルマ達成」といった具合に小さな達成感を積み重ねることでモチベーションも維持できます。ぜひAnkiを賢く使いこなし、医学部合格に必要な知識を効率よく自分のものにしてください。

まとめ

「忘却曲線」に代表されるように、人間の記憶は復習なくして維持できません。しかし逆に言えば、適切なタイミングで繰り返し復習することで記憶をコントロールできるということでもあります。医学部受験という長期戦を勝ち抜くには、この忘れゆく性質に対応した合理的な学習戦略が必要不可欠です。その最たるものが間隔反復学習であり、今回ご紹介したAnkiアプリはその実践を強力に支援してくれるツールです。

グリットメディカルでは、全受講生にiPadを持ってもらってAnkiアプリをはじめとするデジタル学習を徹底サポートしています。忘却曲線に抗い、効率よく知識を積み上げる学習法を身につけることで、膨大な暗記が要求される医学部受験も決して不可能な壁ではなくなります。実際、当塾の卒業生たちはAnkiやGoodNotesを駆使して計画的に復習を重ね、着実に実力を伸ばして第一志望校へと巣立っていきました。あなたもぜひ、エビングハウスの示した科学的メソッドを味方につけてください。繰り返し復習するというシンプルな習慣こそが、難関と言われる医学部入試突破への最短ルートです。

忘れることを恐れる必要はありません。 正しい方法で復習しさえすれば、記憶は必ずあなたの力となって応えてくれます。Ankiをはじめとするツールと我々グリットメディカルのサポートを存分に活用し、効率的かつ計画的な暗記学習で合格を勝ち取りましょう!暗記を制し、医学部受験を制する日まで、私たちも全力で伴走いたします。




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