目次
- 1 2026年度の全体的な傾向
- 2 主な変更点の概要(複数大学で共通して見られる変更)
- 3 大学別の変更点一覧
- 3.1 岩手医科大学
- 3.2 慶應義塾大学(医学部)
- 3.3 日本大学(医学部)
- 3.4 東北医科薬科大学
- 3.5 国際医療福祉大学(医学部)
- 3.6 自治医科大学
- 3.7 獨協医科大学
- 3.8 埼玉医科大学
- 3.9 北里大学(医学部)
- 3.10 杏林大学(医学部)
- 3.11 昭和大学(医学部)
- 3.12 順天堂大学(医学部)
- 3.13 帝京大学(医学部)
- 3.14 東京医科大学
- 3.15 東京慈恵会医科大学
- 3.16 東京女子医科大学
- 3.17 東邦大学(医学部)
- 3.18 日本医科大学
- 3.19 聖マリアンナ医科大学
- 3.20 東海大学(医学部)
- 3.21 金沢医科大学
- 3.22 愛知医科大学
- 3.23 藤田医科大学
- 3.24 大阪医科薬科大学
- 3.25 関西医科大学
- 3.26 近畿大学(医学部)
- 3.27 兵庫医科大学
- 3.28 川崎医科大学
- 3.29 久留米大学(医学部)
- 3.30 産業医科大学
- 3.31 福岡大学(医学部)
- 4 受験生・保護者・先生方へのアドバイス
2026年度の全体的な傾向
2026年度の私立医学部入試日程には大きな変化が見られます。最大の要因は文部科学省による「2月1日以降ルール」の厳格化です。従来、多くの私立医学部では1月中に一般入試を行っていましたが、このルール遵守の通達により一次試験(筆記試験)は原則2月1日以降に実施することとなり、2026年度には一次試験日程が2月上旬に集中しました。2025年度には全国31校中14校が1月に一次試験を行っていましたが、2026年度では9校のみが1月入試を維持し、他大学は2月実施へ日程移動しています。この結果、2月1日から4日にかけて私立医学部15校程度の一次試験が重なり合う異例の過密日程となりました。
他方、1月中に一次試験を実施する医学部が減少したことで、年明け早期に試験を実施する大学の存在感が増大しました。特に帝京大学医学部は1月22日~24日の3日間に渡って一次試験を行うユニークな日程を組んでおり、この時期に受験できる貴重な機会として多くの受験生が志願すると予想されています。また愛知医科大学(1月20日)や岩手医科大学(1月21日)、国際医療福祉大学(1月21日)といった一部大学も例年通り1月中の試験日程を維持しており、他大学に先駆けた日程で志願者を集めることが予想されます。地域的には、関西の私立医学部(関西医科大学、近畿大学、兵庫医科大学など)は従来から年内や1月実施の推薦・併願入試に慣れている背景もあり、1月入試を続行します。ただし大半の私立医学部では2月入試への移行が進み、2026年度は「2月1日以降集中時代」とも言える日程の構図になりました。
主な変更点の概要(複数大学で共通して見られる変更)
① 一次試験日程の後ろ倒し・集約: 文科省の方針徹底により、多くの医学部で一般選抜一次試験の日程が前年より後ろ倒し(1月→2月)されました。具体的には、杏林大学(昨年1月23日→2026年2月2日)、北里大学(昨年1月下旬→2026年2月3日)、金沢医科大学(昨年1月30–31日→2026年2月3–4日)など複数校が例年より遅い2月上旬に変更しています。その結果、2月初旬の試験日が密集し、2/1~2/4の4日間に日本大学、東京女子医科大学、川崎医科大学、久留米大学(2/1)、日本医科大学、杏林大学、東海大学、福岡大学(2/2)、順天堂大学、北里大学、東海大学(二日目)、金沢医科大学(一日目)(2/3)、東京医科大学、金沢医科大学(二日目)、藤田医科大学(2/4)など多数の一次試験日程が重なっています。受験生はこの4日間で最大15校もの併願スケジュールを検討する必要があり、出願計画の重要性が一段と増しています。
② 複数日程・複数回入試の導入・拡充: 受験機会を増やす目的や他大学との日程重複を避ける工夫として、複数日程制を採用する大学が増えています。例年より早期日程を維持した帝京大学医学部は3日間連続(1/22~1/24)の一次試験を実施し、受験生は複数日受験して最も良い得点を採用してもらえる制度があります。金沢医科大学や東海大学医学部も同一方式で二日間(連続日)から選択できる日程を組んでおり、受験生の都合に合わせて試験日を選べる「自由選択制」を採用しています。また二次試験(面接など)を複数日程設定する大学もあり、例えば川崎医科大学は二次試験日を2026年2月7日・8日の2日間のうち指定日で行う形に変更しました。昭和大学医学部では近年II期入試(後期日程)を設けており、2026年度も一次試験を3月7日、二次試験を3月14日に実施する後期日程が存在します(募集人数12名 )。このように前期・後期や複数回入試の形でチャンスを増やす動きも見られ、日程パターンが多様化しています。
③ 日程変更に伴う受験環境の変化: 今年度の日程変更で特に注目されるのは、従来1月に試験を行っていた大学の激戦化です。例えば杏林大学や川崎医科大学、獨協医科大学などは日程変更によって他大学と重複しにくいポジションを得たため、志願者数の増加が予想されています。帝京大学医学部は1月中のの3日間日程で他校と一切重ならないため、安全校確保や腕試しを狙う受験生が集中し、志願者大幅増と難化が確実視されています。一方、獨協医科大学医学部の一般入試(前期)は2月11日・12日に一次試験を行う日程(例年より後倒し)となり 、主要校ラッシュ後の「ラストチャンス」的時期に当たるため、ここも受験生殺到による難化が懸念されています。このように、日程の前倒し/後倒しによって各大学の受験者層や併願動向が変化し、難易度にも影響を及ぼす可能性があります。
④ 試験日程変更以外のトピック: 試験日程に関連して、二次試験日の調整制度にも注目です。東北医科薬科大学医学部では一次合格後に指定された二次試験日(2月7日または8日)を受験生の希望で変更できる制度を公式に設けており、東邦大学医学部でも所定の手続きを踏めば二次試験日を振替可能としています。2026年度は一次試験日程集中の影響で二次試験日も各校で2月7日・8日に重複するケースが多く(例:兵庫医科大学、川崎医科大学、近畿大学、東北医科薬科大学が同じ週末に二次試験)、こうした配慮は受験生の併願に大いに役立つでしょう。また一部大学では入試方式そのものの変更(推薦入試の前倒し実施や募集人員の増減など)も行われていますが、本記事では試験日程に関わる変更点に絞ってまとめます。
大学別の変更点一覧
2026年度医学部入試日程における大学別の主な変更点をまとめ、日程変更や日程パターンに関するポイントを記載しています。
岩手医科大学
変更なし。一般選抜(一次試験)日は前年同様1月21日で変更はありません (共通テスト併用の地域枠二次試験日は1月30日・31日で自由選択)。依然として全国最速級の日程を維持しており、東京・大阪など全国6会場で一次試験を実施します。
慶應義塾大学(医学部)
変更なし。一般入試筆記試験日は例年通り2月中旬(2月10日前後)に実施予定で、日程変更の発表はありません(※慶應医学部は共通テストを課さず独自日程で例年2月中旬実施)。公式にも特に日程変更の言及はなく、従来通りのスケジュールです。
日本大学(医学部)
変更なし。一般選抜一次試験は2026年2月1日に実施予定で、前年から日付の変更はありません。2月1日には日本大学医学部と東京女子医科大学、久留米大学などが重なりますが、日本大学医学部は全国区で志願者の多い人気校のため例年どおりの難関日程となる見込みです。
東北医科薬科大学
(注目点) 一般選抜一次試験を1月24日(土)に実施(昨年比で日付ほぼ据え置き)し、二次試験は2月7日・8日の両日程で行います。一次試験日程に大きな変更はありませんが、二次試験日について合格者発表後に希望日へ変更可能な制度を継続しており 、他大学との併願調整がしやすい点が特徴です。今年度も一次試験を1月下旬に行う全国でも数少ない医学部として、早期日程を志望する受験生を集めそうです。
国際医療福祉大学(医学部)
変更なし。一般入試の一次試験日は前年同様1月21日で変更は発表されていません(同大学は複数キャンパスでの地域別募集を行いますが、日程はいずれも1月下旬中心)。共通テスト併用方式等も含め、大きなスケジュール変更はない模様です。
自治医科大学
変更なし(方式変更あり)。一般選抜の学力試験日程は例年通り1月26日(2026年度も1月26日に学力試験、その後面接)で変更はありません。※ただし自治医大は2026年度から総合型選抜・学校推薦型選抜を新設するなど方式面での変更がありますが 、一般入試の日程自体に変更はありません。
獨協医科大学
日程変更あり。一般選抜(前期)の一次試験日程が「1月27日・28日」から「2026年2月11日・12日」へ大幅に後倒しされました。獨協医科大は例年2日間にわたり一次試験(学科試験)を実施する方式ですが、2026年度はその2日間が他大学の主要日程終了後の2月中旬(建国記念日を含む連休)に設定されています。この変更により受験生の動向が変わり、志願者増加・難化が予想されています。なお二次試験(面接)日は例年通りで大きな変更はありません。
埼玉医科大学
変更なし。一般入試一次試験は例年どおり2月中旬(2月9日前後)に実施予定で、日程変更の情報はありません。埼玉医大は他大学より少し遅めの時期に一次試験を行う傾向で、2026年度も従来スケジュールを踏襲する見込みです。
北里大学(医学部)
日程変更あり。一般入試一次試験が「1月下旬」から「2026年2月3日」に移動しました。北里大学医学部は長らく1月実施組でしたが、2月実施への変更により、順天堂大学や東海大学(二日目)などと同日の2/3に重なる形となります。この変更で日程が他校とぶつかるデメリットはありますが、共通テスト利用入試(後期)を新設して5名募集するなど募集枠にも変更があり 、全体として入試機会を増やす対応もとられています。
杏林大学(医学部)
日程変更あり。一般選抜一次試験が「1月23日」から「2026年2月2日」に変更されました。これにより杏林大学医学部は日本医科大学や東海大学(初日)などと同じ2/2実施組となります。募集人員自体も一般枠が89名→79名に変更されていますが 、日程後倒しで首都圏中堅層以下の併願候補日となり志願者増も見込まれるため、競争倍率の変動に注意が必要です。
昭和大学(医学部)
(参考)日程パターン継続。昭和大学医学部では近年導入された一般選抜II期(後期)を2026年度も実施します(一次試験3月7日、二次試験3月14日)。前期日程(一次試験2月4日)と後期日程の二本立てで募集を行う方式で、2025年度から定員配分が前期73名・後期12名に変更されており 、2026年度もその内訳で行われます。試験日程自体は昨年度から変更はなく継続ですが、3月実施の医学部入試は少数派のため要注目と言えます。
順天堂大学(医学部)
変更なし。一般入試(A方式)の学科試験日は2026年2月3日で変更はありません(昨年度と同日実施)。順天堂は例年どおり共通テスト利用方式との併用で2月上旬に試験を行い、試験日変更は特にありません。
帝京大学(医学部)
(参考)複数日程を継続。一般入試一次試験を2026年1月22日(木)・23日(金)・24日(土)の3日間連続で実施します (日程自体は昨年とほぼ同じですが、他大学が2月移行する中で相対的に早まった形)。帝京大学では「2日以上受験した場合は最も高得点の日を採用」する制度を設けており、複数日程受験による合格可能性向上を狙う受験生が多く出願すると予想されています。日程変更ではありませんが、1月中の希少な連日実施校として2026年度入試でも際立つ存在です。
東京医科大学
変更なし。一般入試筆記試験日は2026年2月4日(水)で前年と同じ日付です。2/4は同日に金沢医科大学(二日目)や藤田医科大学と重なりますが、東京医科大学は例年通り都内会場で独自問題による試験を行う予定で、日程変更はありません。
東京慈恵会医科大学
変更なし。一般入試一次試験は例年通り2月中旬(2月7日前後)に実施されます(※正確な日付は非公表ですが、2025年度実績では2/7実施)。2026年度も大きな日程変更の発表はなく、他大学との重複を避けた例年通りのスケジュールになる見込みです。
東京女子医科大学
変更なし。一般入試(一般公募制推薦含む)の筆記試験日は2026年2月1日で変更はありません。2/1は日大医学部などと同日ですが、東京女子医大は女子限定という特性上、ある程度受験生の住み分けがなされています。昨年度の卒業生子女推薦入試廃止など方式変更はありましたが 、試験日程そのものに変更はありません。
東邦大学(医学部)
(トピック) 試験日程は従来通り一般入試を2月8日前後に実施する見込みで変更はありません。一方で二次試験日の振替制度に特徴があります。東邦大学医学部では、二次試験日が他大学と重なって受験困難な場合、所定の日時に窓口で申請すれば面接日を変更できる制度を公式に設けています。2026年度も詳細は募集要項に明記されており、試験日程集中による負担緩和に配慮した大学の一つとなっています。
日本医科大学
変更なし。一般入試一次試験は2026年2月2日(月)に実施予定で、前年(2/2)から変更はありません。首都圏有力校の日本医大は毎年2/2実施で定着しており、2026年度も他大学(杏林大や東海大初日など)との併願において重要なポジションを占めます。
聖マリアンナ医科大学
変更なし。一般入試一次試験日は例年通り2月上旬(2月5日頃)に設定される見込みで、公式発表でも特段の変更は告知されていません。聖マリアンナ医大は2次試験を1回のみ行う従来型で、2026年度も大きな日程変更はないと予想されます。
東海大学(医学部)
変更なし(方式変更あり)。一般入試一次試験(A方式)は2026年2月2日および2月3日の2日間で実施されます (いずれか1日選択受験)。日程自体は昨年と同じですが、「希望の星育成」選抜の第一次選考方法が書類審査に変わるなど方式面での変更が告知されています。試験日程に関しては二日間自由選択制を継続し、他大学との重複を避けたい受験生に配慮した形です。
金沢医科大学
日程変更あり。一般選抜(前期)の一次試験日が「1月30・31日」から「2026年2月3日(火)・4日(水)」に変更となりました。併せて東京試験場および名古屋試験場の会場変更も公式発表されています。この変更により、金沢医大の一次試験初日(2/3)が順天堂大・北里大と重複、二日目(2/4)が東京医大・藤田医大と重複する形になりました。地方医大として例年首都圏からの志願者も多い金沢医大ですが、日程移動に伴い出願動向や試験会場の人員配置に変化が生じる可能性があります。
愛知医科大学
変更なし。一般入試一次試験は引き続き全国最速の1月20日(月)に実施され、変更はありません。愛知医大は2025年度も1/20に試験を行っており、2026年度も年明け最初の私大医学部入試として位置づけられます。他大学より極めて早い日程のため競合が少なく、この日程を維持しています。
藤田医科大学
変更なし。一般入試一次試験日は2026年2月4日(水)で、前年(2/4)から変更はありません。藤田医科大は近年学費減額や入試方式見直しで注目されていますが、試験日程については従来通り2月初旬のままです。ただし2/4は東京医大や金沢医大(二日目)と重なるため、受験生は併願計画に注意が必要です。
大阪医科薬科大学
変更なし。一般選抜(前期)一次試験は2026年2月10日(火)に実施予定で、大きな変更はありません。旧大阪医科大学と大阪薬科大学の統合後も例年通り2月中旬寄りの日程を組んでおり、2026年度も2/10一次、2/19二次の日程で行われます (地域枠等も同日)。関西圏では2月中旬実施のため他校との直接競合が少ないスケジュールです。
関西医科大学
変更なし。一般入試に共通テストを課す独特の方式ですが、2026年度も例年通り共通テスト後~3月上旬にかけて選抜を実施します(一次試験=共通テスト、二次試験=面接を3月中旬)。元々2月1日以降の日程で運用されていたため、今回のルール強化による変更は特にありません。
近畿大学(医学部)
変更なし。一般入試(前期)の学力試験日は2026年2月15日(日)で変更なく行われる見込みです。近畿大学医学部は推薦入試等で学内他学部と共通問題を課す併願制を採用しており、関西では伝統的に年内~1月実施の入試文化があるため、一般入試の日程自体は従来通り2月中旬で据え置かれています。
兵庫医科大学
変更なし。一般入試一次試験日は例年通り1月下旬(1月27日前後)に設定されています(正式発表では2026年度も1月実施を維持)。関西勢として2026年度も1月一次試験を継続する数少ない大学で、日程変更はありません。
川崎医科大学
日程変更あり。一般入試一次試験日が「1月26日」から「2026年2月1日」に変更されました。これにより川崎医大の学科試験は2月1日実施となり、久留米大・日本大・東京女子医大など2/1組に加わりました。また二次試験日程は2月7日・8日のいずれか1日指定に変更され、面接日を連続2日設定しています。地方(岡山)に所在する川崎医大ですが、試験日移動で都市部受験生も併願しやすくなった半面、他校との日程重複も生じています。今年度の変更で一次試験・二次試験とも日程が大きく動いた大学の一つです。
久留米大学(医学部)
変更なし。一般入試一次試験は2026年2月1日に実施予定で、前年と同様です。九州勢では久留米大と福岡大が2/1・2/2に集中していますが、久留米大は地元志向の上位層が多く受験するため、例年通りの日程で特段の変更はありません。
産業医科大学
変更なし。一般入試(一次試験)は2026年2月6日頃の予定で変更情報はありません(2025年度実績では2/5実施)。産業医科大は2月上旬に独自日程を設定し、二次試験を2月中旬~下旬に行う従来型を維持しています。
福岡大学(医学部)
変更なし。一般入試一次試験は2026年2月2日(月)に実施予定で変更はありません。福岡大学医学部は毎年2/2に試験を行い、2026年度も同様です。九州では福岡大が2/2、久留米大が2/1と地元私大の日程が分かれているため、こちらも例年通りのスケジュールとなっています。
受験生・保護者・先生方へのアドバイス
過密日程を見据えた出願計画を! 2026年度入試では2月初旬に一次試験が集中するため、併願校の優先順位と受験スケジュールを事前によく整理することが不可欠です。例えば2月1日~4日の4日間で最大15校の試験が重なるため、「どの大学を本命・抑えに据えるか」「物理的に連続受験が可能か」を踏まえた“4日間のプラン”を立てる必要があります。各校の試験会場(都市)も確認し、移動スケジュールにも無理がないようにしましょう(首都圏で連日受験する場合でも、試験終了時間や翌日の集合時間に注意が必要です)。願書出願の段階からカレンダーに書き出して重複をチェックし、戦略的に出願校を選定することが大切です。
チャンス拡大を積極活用! 帝京大学医学部のように複数回受験できる大学や、東海大学・金沢医科大学のように試験日自由選択制を採る大学は、受験生にとって貴重なチャンスです。学力や志望度に応じてこうした大学に複数日出願し、得点が最も伸びた日で合格判定してもらう制度 を最大限に活用しましょう。また一次試験が早い時期にある愛知医科大学・岩手医科大学・帝京大学などは“腕試し”や“滑り止め確保”にも適しています。1月中の試験で合格を一つ得られれば精神的に余裕を持って2月本番に臨めます。逆に言えば、1月入試実施校は志願者集中で難化する可能性もあるため油断は禁物です。
二次試験(面接)日程も要チェック! 筆記試験の後には各校で面接や小論文等の二次試験が待っていますが、今年度は二次試験日も2月7日~8日に集中しています。一次合格を勝ち取った後、「面接日が他校と丸かぶりで片方辞退…」という事態にならないよう、事前に二次試験日も把握した併願を心がけましょう。幸い、東北医科薬科大学や東邦大学のように面接日の変更を受け付けてくれる大学もあります。募集要項で変更手続の方法(申請期限や手順)を確認し、該当者は迅速に大学へ相談してください。特に遠方同士の併願で移動が困難な場合など、諦めずに問い合わせる価値があります。
情報収集と柔軟な対応を! 今年の入試日程変更により、「例年通り」の感覚が通用しないケースも出てきます。各大学の公式サイトで最新の入試日程や変更点を必ず確認し、不明点は入試課に問い合わせましょう。「2月1日ルール」の影響は今年始まったばかりで、来年度以降さらに日程が変わる大学もあり得ると指摘されています。受験生・保護者の皆さんは最新情報にアンテナを張りつつ、急な変更にも対応できるよう出願校に優先順位をつけたプランBも用意しておくと安心です。先生方も生徒が安全に受験できるよう、出願締切や試験日程の管理に十分配慮してください。今年度はスケジュール管理が合否を左右しかねない状況ですので、余裕を持った計画と冷静な対応で乗り切りましょう。
