奈良県立医科大学(奈良医大)の医学部医学科・後期入試は、「日本最難関の後期試験」の一つです。旧帝国大学の前期試験(東大・京大・阪大など)を志した超エリート層が集結する、まさに「敗者復活戦の最高峰」。
2026年度入試を控えた受験生の皆さん、そして次年度以降を目指す方に向けて、直近5年間の傾向を反映した最新の対策ガイドをまとめました。
奈良県立医科大学の医学科後期入試は、定員53名という大規模な募集枠を維持しており、前期で惜しくも涙を飲んだトップ層にとっての「最後の砦」です。しかし、その門は極めて狭く、戦略なしに突破することは不可能です。
目次
後期入試の概要と2026年度の変更点
まず、最新の入試データと配点を確認しましょう。
| 項目 | 内容 |
| 募集人員 | 53名 |
| 共通テスト配点 | 900点(各教科・科目のウェイトは標準的) |
| 個別学力検査 | 数学(300点)、理科(2科目・600点)、面接(100点) |
| 合計配点 | 1900点満点 |
| 二段階選抜(足切り) | 2026年度より「12倍」に厳格化(2025年度までは14倍) |
【注意】 2026年度から足切りのラインが12倍へと引き下げられました。志願者が多い場合、共通テストでの高得点(目安として88〜90%以上)が個別試験に進むための絶対条件となります。
過去5年の出題傾向分析
奈良医大後期の最大の特徴は、「数学の圧倒的な難化」と「理科の配点重視」にあります。
数学:数学界の”ブラックホール”
- 形式: 大問4問(120分)
- 傾向: 日本の大学入試でも屈指の難易度です。教科書レベルの知識は当然として、高い思考力と計算力が求められます。
- 頻出分野: 微積分、整数、確率、数列、ベクトル。
- 特徴: 誘導が少なく、初見では方針さえ立たない問題が混じります。完答は極めて困難で、「いかに部分点を拾うか」の勝負です。
理科:合否を分ける得点源
- 形式: 2科目選択(180分)
- 傾向: 数学に比べて標準〜やや難レベル。難易度が安定しているため、ここで8割〜9割を確保できるかどうかが、数学の失点をカバーする鍵です。
- 物理: 思考力を問う良問が多いが、計算量は多め。
- 化学: 理論・無機・有機・高分子から満遍なく出題。構造決定のスピードが重要。
- 生物: 考察問題と知識問題のバランスが良いが、論述の精度が求められる。
面接:段階評価
- 形式: 個人面接(10分程度)
- 傾向: 基本的には段階評価ですが、医師としての適性に欠けると判断された場合は点数がつかないため、最低限の対策は必須です。
合格のための3つの対策戦略
過去5年の推移を踏まえ、今やるべき対策を整理します。
① 理科で逃げ切る体力をつける
奈良医大後期は「数学が難しすぎて差がつかない」年が多くあります。その際、勝負を決めるのは理科の240分(実際は180分での2科目)の完成度です。
- 対策: 重要問題集レベルは完璧にし、過去問で「180分で2科目をどう時間配分するか」を徹底的にシミュレーションしてください。
② 数学は「捨て問」を見極める訓練を
全問解こうとすると自滅します。
- 対策: 過去問演習の際、最初の5分で「解ける問題(典型問題の変形)」と「解けない問題(思考型難問)」を仕分けする練習をしましょう。部分点を1点でも多くもぎ取る記述力も磨いてください。
③ 共通テストのリサーチ結果を冷静に分析
足切りラインが「12倍」になったことで、共通テストのボーダーはさらにシビアになります。
- 対策: 自己採点結果に基づき、二段階選抜を突破できる可能性を冷静に見極めてください。例年、ボーダー付近の受験生が逆転合格するのは「理科の圧倒的得点力」がある場合のみです。
まとめ:最後まで諦めない「精神力」の戦い
奈良医大の後期入試は、前期試験の合否発表前後で行われるため、精神的に最も過酷な時期の受験となります。しかし、合格者の多くは「前期の結果にかかわらず、淡々と過去問を解き続けた人」です。
数学が難しくてもパニックにならず、得意の理科で着実に得点を積み重ねる。この「守りの受験」ができる人が、最後に栄冠を勝ち取ります。最後まで全力で頑張ってください。