2025年11月、大阪府堺市に誕生した「近畿大学おおさかメディカルキャンパス」。長年、大阪狭山市で地域医療を支えてきた近畿大学医学部附属病院と医学部が、最新鋭の設備を携えて泉北高速泉ケ丘駅前に全面移転しました。
2026年2月現在、開院から数ヶ月が経過し、その圧倒的なスケールと「スマートホスピタル」としての真価が明らかになっています。今回は、南大阪の医療地図を塗り替えるこの新キャンパスについて、特に病院機能の詳細に焦点を当てて解説します。
目次
コンセプトは「公園の中の病院」
新キャンパスは、泉ケ丘駅周辺の再開発プロジェクトの中核です。
「公園の中の病院(Hospital in the Park)」をテーマに掲げ、敷地内には豊かな植栽、散策路、そして市民が憩える広場が整備されています。
- 駅直結の利便性:泉ケ丘駅から歩行者専用デッキ(ペデストリアンデッキ)が直結しており、徒歩約5〜6分で病院・大学へアクセス可能。雨の日も濡れずに、段差のないバリアフリーな動線が確保されています。
- 癒やしの空間設計:建物内は自然光をふんだんに取り入れ、壁面緑化やアート作品を配することで、患者さんの心理的ストレスを軽減する工夫が凝らされています。
【詳細解説】近畿大学病院の高度な医療機能
新病院は800床・35診療科を擁する巨大な医療拠点です。旧病院から単に場所を移しただけでなく、機能面で劇的な進化を遂げています。
① 南大阪の命を守る「救命救急・集中治療」
南大阪エリアの救急医療の「最後の砦」としての機能が大幅に強化されました。
- ICU(集中治療室)の拡充: 従来の14床から24床へ増床。さらにHCU(高度治療室)なども合わせ、重症患者を受け入れる体制を万全にしています。
- ハイブリッド手術室: 最新の画像診断装置(CTや血管撮影装置)と手術台を組み合わせた「ハイブリッド手術室」を含む、計16室以上の高度なオペ室を完備。心臓血管外科や脳神経外科などの難手術にも対応します。
② がん治療の最前線「通院治療センター」
「働きながら、生活しながら治す」をコンセプトに、がん治療機能が特化されました。
- 46床の治療ブース:化学療法(抗がん剤治療)を受けるための専用ブースが46床設置されています。全席にテレビやリクライニング機能を備え、プライバシーに配慮した開放的な空間でリラックスして治療を受けられます。
- ゲノム医療の推進:最新の遺伝子検査に基づいた個別化医療(精密医療)を提供する体制が整っています。
③ デジタルが生む「スマートホスピタル」
ITを駆使した効率的な運用が、安全性と利便性を高めています。
- スマートベッドサイドシステム:全病床に設置されたタブレット端末から、自分の検査スケジュール、食事メニュー、お薬の説明などを確認できます。
- 自動搬送ロボット:院内の薬剤や備品、検体の搬送をロボットが自動で行い、医療スタッフが患者さんのケアに集中できる時間を創出しています。
④ 周産期・小児医療の充実
堺市南区においてニーズの高い、母子医療にも注力しています。
- NICU(新生児集中治療室): リスクの高い出産にも対応できるよう、最新の保育器とモニタリングシステムを備えています。
次世代の医療人を育てる教育環境
病院に隣接する医学部棟も、国内最高レベルの学習環境にアップデートされました。
- シミュレーションセンター:ほぼすべての医療処置を模擬体験できる最新シミュレーターを完備。学生だけでなく、現役医師の技術向上にも寄与しています。
- 2026年4月、看護学部がスタート:2ヶ月後には、同キャンパス内に看護学部が開設されます。医師と看護師を目指す学生が同じ場所で学ぶことで、1年目から「チーム医療」の精神を養うことができます。
難易度・偏差値への影響
- 昨年度入試(2025年度入試)から、進学先への影響が出てきています。大阪北部や阪神間の生徒で、兵庫医科大学と近畿大学医学部の両方に合格した生徒で、近畿大学医学部を選ぶ生徒が増えてきています。それまでには少なかった選択です。兵庫医科大学まで20分ほどの場所に自宅があるのに、通学に1時間以上かけても近畿大学医学部泉ヶ丘キャンパスを選ぶ生徒と何人か話をしました。
- 通学時間が長くなっても、キャンパスが最新で学習環境に魅力があるということと、附属病院の最新設備で教育を受けられることに関心が強いようです。
- 今後も、偏差値的にも競合する兵庫医科大学と両方合格した場合に、近畿大学医学部を選択する生徒が増えることが予想されます。
- 2026年度入試での合格者の平均偏差値も上昇する可能性があります。
4. 快適な通院を支える「アメニティ」
最後に、利用者の満足度を支える充実のカフェ・レストラン情報をご紹介します。
スターバックスコーヒー
病院1階のメインエントランス横に位置。高い吹き抜けと大きな窓がある開放的な店舗で、車いすでも利用しやすい広い通路が確保されています。診察の待ち時間や、お見舞いの方の憩いの場として絶大な人気を誇ります。
レストラン「THE DINING(ザ・ダイニング)」
「病院の学食」というイメージを覆す、洗練されたレストランです。
- 食のこだわり: 近畿大学ならではの「近大マグロ」を用いたメニューや、栄養バランスを考え抜かれた「近大ヘルシー定食」などが楽しめます。
- ロケーション: 窓からは泉ケ丘の街並みと豊かな緑が見渡せ、お見舞いの際のご家族との会食にもふさわしい落ち着いた空間です。
ローソン(S-LAWSON)
24時間営業のコンビニも併設。入院生活に必要なパジャマや衛生用品、ケア用品が充実しているのはもちろん、学生向けの書籍や文房具も揃っており、キャンパスライフの拠点にもなっています。
南大阪の新たなランドマーク
近畿大学おおさかメディカルキャンパスは、単に最新医療を提供する場所である以上に、街と人がつながり、次世代の医療が育まれる「未来型の拠点」です。
泉ケ丘駅からのアクセスの良さ、そしてホテルのようなホスピタリティを備えたこの施設は、患者さんにとっても、働くスタッフや学ぶ学生にとっても、地域住民にとっても快適で心強い場所となることでしょう。