大学概要
奈良県立医科大学は、奈良県橿原市四条町に位置する公立の医科大学です。1945年に奈良県立医学専門学校として設立され、1952年に奈良県立医科大学となりました。医学部医学科と看護学科を擁し、附属病院も運営しています。
基本情報
- 大学名: 奈良県立医科大学
- 所在地: 〒634-8521 奈良県橿原市四条町840番地
- 設立: 1945年(奈良県立医学専門学校として)
- 公式サイト: https://www.naramed-u.ac.jp/
推薦入試の概要
奈良県立医科大学医学部医学科の推薦入試は、「学校推薦型選抜」として実施されており、「緊急医師確保特別入学試験」と「地域枠入学試験」の2種類があります。
入試区分
- 緊急医師確保特別入学試験
- 奈良県の地域医療に貢献する意欲のある学生を選抜
- 卒業後、一定期間奈良県内の医療機関で勤務することが条件
- 地域枠入学試験
- 奈良県の地域医療に貢献する意欲のある学生を選抜
出願要件
緊急医師確保枠出願要件
地域枠出願要件
1. 年齢制限の有無
地域枠推薦入試には明確な年齢制限は設けられていませんが、出願できるのは「当該年度に高等学校等を卒業見込みの者」または「卒業後2年以内の者」に限られます。つまり、現役生および高校卒業後お2年以内の既卒生(2浪)でないと出願できず、3浪以上の場合は出願資格を満たしません。
2. 出願可能な地域要件(居住歴など)
地域枠推薦入試では、奈良県にゆかりのある受験生を対象としており、出願時に以下のいずれかの地域要件を満たす必要があります。
奈良県内の高等学校等の出身者: 奈良県内に所在する高等学校もしくは中等教育学校等を卒業見込みの者、または卒業した者
奈良県内への居住者: 本人、またはその一親等内の親族もしくは配偶者のいずれかが、出願開始日の1年前から継続して奈良県内に住所を有していること
上記のいずれかを満たせば地域要件として認められます。つまり、「奈良県内の高校出身者」または「奈良県に一定期間居住(本人または親族)している者」で、いずれも高校卒業から2年以内であることが求められています。
3. 学業成績の基準
高等学校での評定平均値など、具体的な成績基準は公式には定められていません。募集要項の出願資格には学業成績に関する数値的条件の記載がなく、評定平均○以上といった要件は課されていません。実際には、学校長の推薦を受けることが必要であるため、学力・人物ともに優れていることが期待されます。また、大学入学共通テストにおいて本学指定の教科・科目を受験することが求められており、学力面でも所定の教科を履修し十分な成績を収めている必要があります。
4. 推薦を受けるための条件
地域枠推薦入試では、出身高等学校等の長(校長)が責任をもって推薦できる人物であることが前提です。そのため、医学部志望としての明確な動機を持ち、学力・人物ともに優れていることが求められます。特に奈良県立医科大学医学部の地域枠では、将来奈良県の地域医療に貢献したいという強い意志を持っていることが重視されており、募集要項上もその旨が明記されています。さらに、合格した場合には必ず本学に入学することを確約する必要があります。これは奈良県立医科大学医学部を第一志望(専願)として受験することを意味しており、合格後の辞退は想定されていません。なお、出願時には所定の様式による校長の推薦書の提出に加え、志望理由書や同意書(地域医療に貢献する意思や入学確約についての誓約書)の提出が求められます。
5. 併願の可否・その他の制限事項
奈良県立医科大学の地域枠推薦入試は専願扱いであり、他大学の学校推薦型入試との併願は認められていません。つまり、奈良県立医科大学医学部の地域枠推薦に出願する場合、他の国公立大学の推薦入試や、奈良県立医科大学のもう一つの推薦枠である「緊急医師確保特別入学試験」と同時に出願することができません。これは地域枠で合格した場合は奈良県立医科大学に入学することが前提となるため、合格後に他の推薦入試を辞退する手続きを避けるための取り決めです。私立大学の推薦入試との併願については明確な禁止事項はありませんが、奈良県立医科大学の地域枠推薦入試に合格した場合は入学の確約が必要です。そのため、仮に私立大学の推薦入試も受験する場合は、奈良県立医科大学合格時にはそちらを辞退する必要が生じる点に注意が必要です。
出願プロセス
出願期間
令和7年度入試の場合:令和6年12月11日(水)~12月13日(金)
出願方法
- 出願は郵送のみ受付(簡易書留・速達)
- 出願期間最終日の消印有効
必要書類
- 入学志願票
- 写真票・受験票
- 調査書
- 推薦書
- 自己推薦書
- 大学入学共通テスト成績請求票
- 入学検定料納付証明書
- 返信用封筒(受験票送付用)
入学検定料
17,000円
選抜方法と試験内容
選抜方法
- 第1段階選抜
- 令和7年度入試では実施しない
- 最終選抜
- 大学入学共通テスト
- 個別学力検査
- 面接
- 調査書
大学入学共通テスト
- 必須科目:
- 国語(近代以降の文章)
- 地理歴史・公民(世界史B、日本史B、地理B、「倫理、政治・経済」から1科目選択)
- 数学(数学I・数学A、数学II・数学B)
- 理科(物理、化学、生物から2科目選択)
- 外国語(英語[リスニングを含む])
個別学力検査
- 試験科目:
- 数学
- 理科(物理、化学、生物から2科目選択)
- 英語
面接試験
- 医師としての適性や地域医療への意欲を評価
- 複数の面接官による個人面接形式
- 約15分程度
配点
- 共通テスト:
- 国語: 100点
- 公民: 100点
- 数学: 200点
- 理科: 300点
- 外国語: 200点
- 満点: 900点(450点に換算)
- 個別試験:
- 数学: 150点
- 英語: 150点
- 理科: 150点
- 満点: 450点
- 合計: 900点
試験日程
令和7年度入試の場合
- 試験日: 令和7年2月1日(土)、2月2日(日)
- 合格発表: 令和7年2月12日(水)
試験時間割(参考)
- 1日目:
- 9:00~10:30 数学
- 11:00~12:30 英語
- 14:00~16:00 理科
- 2日目:
- 9:00~ 面接
統計データと合格傾向
令和7年度(2025年度)入試 志願状況
緊急医師確保特別入学試験
- 募集人員: 15名
- 志願者数: 117名
- 志願者倍率: 7.8倍
地域枠入学試験
- 募集人員: 22名
- 志願者数: 123名
- 志願者倍率: 5.6倍
令和6年度(2024年度)入試 結果
得点状況
緊急医師確保特別入学試験
- 最高点: 706.0点
- 最低点: 613.7点
- 平均点: 646.0点
地域枠入学試験
- 最高点: 752.7点
- 最低点: 640.2点
- 平均点: 678.6点
入学者の地域分布
緊急医師確保特別入学試験
- 入学者数: 13名
- 主な出身地域:
- 大阪府: 9名
- 奈良県: 3名
- 兵庫県: 1名
地域枠入学試験
- 入学者数: 25名
- 主な出身地域:
- 奈良県: 20名
- 大阪府: 3名
- 兵庫県: 1名
- 広島県: 1名
合格傾向
- 緊急医師確保特別入学試験の合格者は、900点満点中600点台後半の得点が必要
- 地域枠入学試験の合格者は、900点満点中600点台後半から700点台前半の得点が必要
- 両方の入試とも、共通テストと個別試験のバランスの良い得点が求められる
- 面接では医師としての適性や地域医療への意欲が重視される
- 地域枠入学試験では奈良県出身者が有利
入学後の義務と奨学金
緊急医師確保特別入学試験
- 卒業後、奈良県が指定する県内医療機関で一定期間(9年間程度)勤務する義務がある
- 奈良県の奨学金制度を利用可能
地域枠入学試験
- 卒業後、奈良県が指定する県内医療機関で一定期間(9年間程度)勤務する義務がある
- 奈良県の奨学金制度を利用可能
受験対策のポイント
学力試験対策
- 共通テストと個別学力検査の両方で高得点を目指す
- 特に理科(物理、化学、生物)は重点的に対策
- 英語は読解力とリスニング力の両方を強化
- 数学は基礎から応用まで幅広く学習
面接対策
- 医師を志望する明確な理由を準備
- 地域医療に対する理解と貢献意欲をアピール
- 奈良県の医療事情について調査
- 自己PRと志望動機を簡潔に伝える練習
推薦書・自己推薦書対策
- 高校での活動実績を具体的に記載
- 医療や科学への関心を示すエピソードを盛り込む
- 地域医療への貢献意欲を明確に表現
注意事項
- 総合型選抜、社会人・帰国子女特別入試、二次募集は実施していない
- 年度によって募集人員や試験内容に変更がある可能性があるため、最新の情報は必ず大学公式サイトで確認すること
- 推薦入試で不合格になった場合でも、一般選抜を受験することは可能
- 入学後の義務を果たせない場合は、奨学金の返還が必要になる場合がある
参考情報源
- 奈良県立医科大学公式サイト: https://www.naramed-u.ac.jp/
- 令和7年度奈良県立医科大学医学部医学科学校推薦型選抜志願状況
- 令和6年度奈良県立医科大学医学部医学科入学試験結果
- ベネッセマナビジョン: https://manabi.benesse.ne.jp/
- パスナビ(旺文社): https://passnavi.obunsha.co.jp/
※本資料は2025年3月時点の情報に基づいて作成されています。最新情報は必ず大学公式サイトでご確認ください。