2026年1月実施の大学入学共通テスト「情報Ⅰ」では、マークシートの解答欄に新たに 「e」や「f」 が追加されました。これは従来の数字のみのマーク欄にアルファベットを含める変更で、16進数(Hexadecimal)による直接的な数値解答が可能になったことを意味します。これにより、これまでは選択肢形式でしか問えなかったような問題でも、受験生自身に16進数の値を答えさせる出題が可能になります。具体的には、RGBカラーコード(例:#ffabe1)、IPv6アドレスの表記、MACアドレスの構造、そして文字コード(ASCIIやUTF-8など)といった、情報分野で用いられる16進数の具体例が出題されることが予想されます。
ここでは、共通テスト受験生のみなさん向けに、この変更の意義や新しい出題形式について解説し、予想される出題例とその対策を紹介します。16進数の基本から始め、RGBカラーコード、IPv6、MACアドレス、文字コードと順に取り上げ、最後に「暗記ではなく構造理解を問う」出題意図について考察し、効果的な勉強法を提案します。図や具体例も交えながら、初学者にもわかりやすく説明していきます。新形式への不安を解消し、自信を持って試験に臨めるように、一緒にポイントを押さえていきましょう。
目次
マーク欄に“e”“f”追加!何が可能になるのか?
まずは今回の変更点であるマークシートの「e」「f」追加の意義を押さえましょう。共通テストのマークシートでは、これまでも数学など一部科目で数字を直接マークして答える「数値入力」形式がありました。しかしその解答欄は基本的に0~9の数字(場合によっては符号「-」)のみで、アルファベットは含まれていませんでした 。情報Ⅰでは計算問題で2進数や16進数が扱われますが、16進数は10以上の数値にA, B, C, D, E, Fといったアルファベットを使うため、これまで解答にアルファベットを要する問題は選択式で出すしかなかったのです。
ところが2026年共通テスト情報Ⅰでは、解答用紙に「e」「f」が追加されました (同様に「a」~「d」も含まれて0~9およびa~fがマーク可能になります)。これにより、答えが16進数表記となる問題を直接出題できるようになります。例えば「次の10進数を16進数で答えなさい」という問いで、正解が10進数239に相当するEF16だった場合、これまではEFという解答を直接マークできなかったため選択問題にする必要がありました。しかし今後は受験生が解答欄に“E”と“F”をマークして回答できるわけです。これは情報Ⅰにおける出題の幅を大きく広げる変更です。
どんな問題が考えられるか? 上述のような16進数への変換問題はもちろん、情報分野ならではの 「特定のデータを16進数で表現したものを答える」問題が考えられます。次節から、予想される具体的なテーマ別に16進数表現とその仕組みを復習し、どんな出題があり得るかを見ていきましょう。
基礎復習:16進数とは?読み方・仕組み
本題に入る前に、16進数(hexadecimal)そのものの基礎をおさらいします。16進数は0~9の数字に加えてA~Fの6文字を使って数値を表す記数法で、0~15の計16種類の数値を一桁で表現できます。例えば、10進数で10は16進数ではA、15はFとなります。16進数の一桁は4ビットの2進数とちょうど対応しており、4桁の2進数=1桁の16進数です。以下に2進数と16進数の対応を示します:
- 2進数 0000 = 16進数 0
- 2進数 1001 = 16進数 9
- 2進数 1010 = 16進数 A (10進数では10)
- 2進数 1111 = 16進数 F (10進数では15)
16進数は2進数との相性が非常に良いため、コンピュータ内部のデータを人間が扱いやすい表記にする際によく使われます。例えば、2進数のままだと桁が長くなりがちなデータも、16進数なら桁数を1/4に圧縮でき、人間にとって「短く・読みやすい・ミスしにくい」表記になります。これは後述するカラーコードやアドレス表記で16進数が採用されている理由でもあります。
ポイント: 16進数の読み方は、基本的に桁ごとに読みます。例えば「3F」という16進数は「3エフ」と読み、10進法に直すと3×16 + 15 = 63です。また0xを頭につけて16進数を表す慣習(例:0x3F)や、下付きの16 (例:3F16) も覚えておくとよいでしょう。
以上を踏まえて、次のセクションから具体的な応用例と予想問題を見ていきます。
応用例①:RGBカラーコード – 色を16進数で表す
WEBデザインなどで目にするカラーコード(HEXカラーコード)は、16進数の代表的な実用例です。カラーコードは#に続いて6桁の16進数で色を表現します。6桁はペアになっており、左からRed(赤), Green(緑), Blue(青)の各成分値を表します。それぞれの成分は0~255までの256段階の明るさを取り、これを2桁の16進数(00~FF)で表現します。例えば純黒は赤=0, 緑=0, 青=0で #000000、純白は赤=255, 緑=255, 青=255で #FFFFFF となるわけです 。約1677万色(256^3通り)を表現できるためフルカラーとも呼ばれます。
具体例として、「#ffabe1」というカラーコードを見てみましょう。ff、ab、e1の3組に分かれていますが、これはそれぞれ16進数で赤・緑・青の値を示します。ff (=10進255) は赤最大、ab (=10進171) は緑やや強め、e1 (=10進225) は青も強め、という意味です。実際この色は淡いピンク色になります 。下図のように、カラーコード#FFABE1で表される色は赤成分255・緑171・青225のピンクです。
図: #FFABE1のカラーサンプル。このカラーコードは赤FF(255)、緑AB(171)、青E1(225)の組み合わせを意味する。
どんな問題が予想されるか? カラーコードに絡めた問題としては、例えば「与えられたRGB値を16進数コードにせよ」というものが考えられます。たとえば「赤=255、緑=171、青=225の色を16進数のカラーコードで答えよ」という問いが出た場合、答えは 「FFABE1」 となります(この値が冒頭の例と一致しますね)。このように10進→16進への変換力を問う問題や、逆にカラーコードを読んで10進値を答える問題もあり得ます。また「このカラーコードはどのような色か?」といった色味の概略(赤みが強い、明るい色 etc.)を選択肢から選ばせる問題も考えられます。この場合、各桁の16進数の大小を比較して色の強弱を判断することになります。
対策ポイント: 色の三原色RGBそれぞれが8ビット(1バイト)=2桁の16進数で表されることを理解しておきましょう。特に「FFは最大値=255」「00は最小値=0」という感覚は重要です。例えば「00とFFではどちらが明るい値か?」といった基本はすぐ答えられるように練習しましょう。また、身近な色で遊びながら覚えるのも効果的です。自分の好きな色のRGB値やカラーコードを調べてみると、楽しみながら16進数の感覚が養えます。
応用例②:IPv6アドレス – 128ビットを16進で圧縮
続いて、ネットワーク分野からの出題予想としてIPv6アドレスを取り上げます。IPv6は新しいインターネットプロトコルで、アドレス長が128ビットもあります 。とても長いビット列になるため、人間が扱える形にするために16進数表記が採用されています。IPv6アドレスは128ビットを16ビットずつ区切った8つのブロックに分け、それぞれを4桁の16進数で表記し、ブロック間をコロン「::」で区切ります。例えばIPv4では192.0.2.0のように10進区切りでしたが、IPv6では 2001:0db8:1234:5678:90ab:cdef:0000:0000 のような書式になります。アルファベットA~Fも使うため、IPv6アドレスを見ると数字とアルファベットの混在した長い16進数列になっているわけです。
IPv6表記には省略ルールもあります。連続するゼロブロックは::と一度だけまとめて省略でき(二度以上は不可 、各ブロック内の先頭のゼロも省略可能です。例えば先の例アドレス 2001:0db8:0000:0000:3456:0000:0000:0000 は、0db8の先頭ゼロを省略してdb8、連続する0000ブロックを一度だけ::に省略して2001:db8::3456:0000:0000:0000のように短く書けます (どこを省略するかで複数の表記が可能ですが、同じ::は1回までというルールです)。このようにIPv6では「長い16進数をいかに短く書くか」という工夫も大事なポイントです。
予想される出題としては、IPv6の表記ルールの理解を問うものが考えられます。たとえば 「次のIPv6アドレスを省略表記せよ」とか 「省略されたIPv6アドレスを元の完全表記に直せ」という問題です。具体例を挙げれば、2001:db8::3456:0000:0000:0000 という省略表記を見て「::の部分にはいくつの0000が省略されているか?」や、反対に「2001:0db8:0000:0000:3456::を完全な8ブロック表記に戻せ」といった設問が考えられます。これらは選択肢問題の可能性もありますが、直接省略せず書かせる形式なら今回の「16進数マーク解答」を活用できます。
対策ポイント: IPv6の基本として、「128ビット=16進数で32桁」であること、「コロンで4桁ずつ区切る(8ブロック)」ことをまず覚えましょう。その上で、省略ルール(連続ゼロを::に一度だけ、ブロック先頭のゼロ省略)の典型パターンに慣れておく必要があります。練習として、いくつか実在のIPv6アドレス例(教材やインターネットで公開されているもの)を自分で省略→復元してみると理解が深まります。省略場所を間違えると別のアドレスになってしまうため、省略されたら残りブロック数に注意して補うことを意識しましょう。また、「IPv6は桁数が多い=アドレス空間が広大(約3.4×10^38通り)」という点にも触れられる可能性がありますが、これは常識レベルで押さえておけば十分でしょう。
応用例③:MACアドレス – 機器を識別する48ビット番号
ネットワーク関連でもう一つ、MACアドレスも16進数表記の重要例です。MACアドレスとは各ネットワーク機器(パソコンやルータなど)に割り振られた固有の識別番号で、同一ネットワーク内でデータ転送の宛先として使われます。長さは通常48ビット(6バイト)で、これを1バイトずつ区切った計6つの2桁16進数で表し、区切りにコロン:(またはハイフン-)を使います。例えば FF:AB:CD:EF:12:34 のような形式で、各部分が0x00~0xFFの範囲の16進数です。2桁=8ビットなので、6つで48ビットになるわけです。
MACアドレスには構造があります。前半24ビット(上位3バイト)は OUI (Organizationally Unique Identifier) と呼ばれ、その機器を製造したメーカーごとに割り当てられた番号です。後半24ビットは各メーカーが自由に付けるシリアル番号で、同じOUI内で一意になるよう管理されています 。例えば有名なApple社のOUIは00-1B-63だとされています 。つまりMACアドレスを見ると、前半を見るだけで「これはApple製の機器だな」と分かる場合があるのです(実際には一般受験生が各社のOUIを覚える必要はありませんが、構造として知っておくと理解が深まります)。
出題パターンの考察: MACアドレスに関しては、アドレス構造や表記法を理解しているかを問う問題が考えられます。たとえば「MACアドレスは何ビットか」(答:48ビット)や「16進数何桁で表されるか」(答:12桁)といった基本事項は要チェックです。あるいは「次のうちMACアドレスの表記として正しいものを選べ」という選択問題で、桁数や区切りがおかしい選択肢を見分けさせる問題も予想されます。「12-34-56-78-9A-BC」「1234.5678.9ABC」などバリエーション豊かな表記がありますが、基本は6バイトを2桁ずつである点を押さえておけば惑わされません。
さらに、OUIに関する知識も問われるかもしれません。例えば「MACアドレスの前半○○ビットは何を表すか」といった問題で、「メーカー固有の識別番号(OUI)」と答えさせる形式です。共通テストではあまりマニアックな知識暗記は出しにくいため、「AppleのOUIを答えよ」などは考えにくいですが、「MACアドレスの構成要素」という一般知識としてOUIの概念を押さえておくと良いでしょう。
対策ポイント: MACアドレスについては48ビット=6バイトという基本と、16進数2桁×6組の表記ルールを確実に暗記してください 。特に「IPv6は128ビット、MACは48ビット」と混同しやすい数字なので注意です。また、情報Ⅰの教科書範囲でMACアドレスが扱われている場合は、その周辺知識(ARPというプロトコルでIPアドレスから対応するMACアドレスを取得する仕組みなど)にも目を通しておきましょう 。出題の中心はアドレス長や表記に関するものだと思われますが、背景として「同じネットワーク内ではMACアドレスで通信する」という役割も理解しておけば応用的な記述問題にも対応できます。
応用例④:文字コードと16進数 – データと文字を結ぶカギ
情報のデジタル分野では、文字コードも重要なテーマです。文字コードとは、文字に対応する番号(コード)を割り当てた規格のことで、コンピュータは内部的に文字を数値で管理しています。最も基本的な文字コードがASCIIコードで、アルファベットや数字、記号など128種類の文字に0~127の番号を割り振っています。ASCIIは1文字=7ビットのデータで、これを16進数表記すると00~7Fの範囲になります (7F16は12710のこと)。たとえば大文字“A”は10進65ですが、16進数では4116と表されます 。同様に、「B」は66(decimal)→42(hex)、「a」は97(decimal)→61(hex)というように、アルファベットや数字には覚えやすい連番のASCIIコードが存在します 。
Unicode(UTF-8やUTF-16)などの拡張文字コードでは日本語なども扱えますが、基本的な考え方は同じで、文字ごとに固有のコード値(コードポイント)が与えられています。そのコード値が16進数で表現されることも多く、例えば「あ」のUnicodeコードポイントはU+3042(16進)などと記述されます(U+~~はUnicodeを16進で示す慣習です)。プログラミングやWeb開発では、文字を16進数のエスケープシーケンスで書く場面も出てきます。
出題の可能性: 共通テスト情報Ⅰで文字コードそのものが大問になる可能性は高くありませんが、部分的な小問で絡めてくることは考えられます。例えば「ASCIIコードで’A’を16進数で表すといくつか」(正解:41)とか、「0x30はASCIIでどの文字か」(正解:数字の0)といった問題です。前述の通り、今回16進数で直接答えを書かせる形式が可能ですから、「次の文字のASCIIコード(16進表記)を答えよ」という問いは十分あり得ます。または選択式でコード値と文字の対応を問う問題も考えられます。「0x41はどの文字か?ア. A、イ. 4、ウ. a、エ. @」のように選ばせる形です。この場合、0x41=6510=’A’という知識をもとに正解は「ア」と判断します 。
さらに踏み込むと、文字コードとデータサイズの観点で、「ASCIIは7ビットだがコンピュータ上では1バイトで扱う」ことや 、「UTF-8では1文字あたり可変長(例えば漢字は3バイトなど)」といった話題も教科書で触れられています。共通テストでは長文の中にそうした説明が盛り込まれ、内容を理解していれば解ける問題として出題される可能性があります。例えば「UTF-8では英字1バイト・漢字3バイトで表す。このとき文字数に対するデータ量の計算として正しいものを選べ」等の応用も考えられます。
対策ポイント: ASCIIの基本的な対応(アルファベット・数字・記号の代表例)をいくつか押さえておきましょう。特に数字の’0’~’9’は0x30~0x39、大文字’A’~’Z’は0x41~0x5A、小文字’a’~’z’は0x61~0x7Aと連続した並びになっているのがポイントです。この規則性を覚えておくと、「たとえば0x42はBだな」などとすぐ推測できます。また、「改行(LF)は0x0A」など制御文字の代表も余裕があれば見ておきましょう。ただし丸暗記よりも覚え方のコツを意識してください。連番の並びを理解していれば、試験中に暗算で導けるケースも多いです。UTF-8などについては、「ASCIIの範囲は1バイトで共通、それ以外の文字は複数バイト」という大まかな特徴を理解しておけば十分でしょう。
表面的な暗記から構造理解へ:出題意図を読み解く
ここまで見てきたように、16進数に関する出題は単なる知識の暗記ではなく、その背後にある「仕組みの理解」を問う傾向があります。実際、共通テスト情報Ⅰでは知識の丸暗記を直接問う問題はほとんどなく、場面設定を読み取りながら論理的に考えさせる問題が中心です 。初めて見る内容でも必要な情報や定義が問題文中に与えられ、構造や原理を理解しているかで得点差がつく設計になっています 。
16進数関連のトピックも例外ではありません。例えばカラーコードの問題一つとっても、「#FF0000が赤を意味する理由を説明できるか?」というように、なぜその表現になるのかを理解している必要があります。IPv6でも、ただアドレスを覚えるのではなく「なぜ省略記法が必要か」「どういう場合に省略できるか」を分かっていないと応用が利きません。つまり、表面的な暗記では対応できず、仕組みをきちんと理解している受験生が有利になる方向にシフトしているのです。
このような出題意図は、2025年度初実施の試験分析からも読み取れます。東進の分析によれば、「実務的な題材を用いてシステム理解と分析力を問う」「データ活用の本質的な理解を問う」など、実践的な思考力を問う意図が明確であったとされています。ベネッセの解説でも「単に知識を問う問題はほとんどなく、場面設定を理解しながら解く出題が特徴」と述べられています。つまり共通テスト情報Ⅰでは、「知っているか」より「理解して使えるか」が試されるのです。
今回の16進数マーク解答の導入も、その一環と言えるでしょう。選択肢から勘で答えを選ぶのではなく、自分で計算・変換して正しい値を記入させることで、本当に原理をわかっているかをチェックできます。例えば「この値を2進数経由で16進数に変換できるか?」という力は暗記ではなくトレーニングで身につくスキルです。問題作成者側も、そうしたスキルを持った生徒を見分けたいと考えているはずです。
効果的な対策・勉強法
最後に、今回の内容を踏まえた受験生が備えるべき対策法をまとめます。
1. 基本の徹底練習: まずは2進数⇔10進数⇔16進数の基数変換に慣れましょう。情報Ⅰでは典型的な計算分野で、繰り返し練習することで素早く正確に変換できるようになります。特に16進数1桁と2進数4桁の対応表(上で示した0~Fと0000~1111の対応)は暗記しておくと便利です。これが頭に入っていると、どんな桁数の2進数でも4桁ごとに区切って16進数に直せます。
2. 実例で覚える: 色のコードやIPアドレスなど、具体例に触れながら学ぶと理解が深まります。例えばWeb上のカラーコード表から好きな色のコードを確認し、「これはRがこのくらい強いから〇〇色なんだな」と考えてみる 。IPv6なら、自分のPCやスマホのIPv6アドレス(設定画面で見られる場合があります)を眺めてみて、どこが省略されているかチェックしてみる。MACアドレスも、家にある機器のものを確認してみて(ネットワーク設定に表示されています)、「同じメーカーのデバイス同士で先頭が似ているか?」を見るとOUIの概念が実感できます。こうした 「教科書の外での学び」 は、構造理解に役立つだけでなくモチベーションアップにもつながります。
3. 計算+言葉で説明: 情報科目では、計算問題でも言葉で説明できるようにしておくと本番に強いです。例えば「なぜ16進数でカラーを表すのか?」と問われたら、「桁数が短くミスが減るから」と答えられる 、とか「IPv6で::が使えるのはどういう場合か?」と聞かれたら「連続する0がある場合で、曖昧にならない1箇所だけ」と説明できる、などです。自分なりに要点をかみ砕いて説明する練習をすると、知識が定着するとともに記述対策にもなります。
4. 模擬問題で慣れる: もし手に入れば、予備校や教材会社が出している情報Ⅰ模試の問題を解いてみましょう。特に2025年度本試の過去問と解説は要チェックです。今年度から追加された16進数入力形式そのものの予想問題はまだ多くないかもしれませんが、類題を自分で作ってみるのも有効です。例えば「この10進数を16進数で答える問題」を自分で設定し、友達と出し合ってみるとか、先生に見てもらうのも良いでしょう。
5. ケアレスミス対策: 数値のマークミスを防ぐために、本番形式のマークシートを使って練習するのもおすすめです。0とO、1とI、Bと8など形が似た文字・数字に注意しましょう。16進数ではアルファベットは大文字か小文字か悩むかもしれませんが、共通テストの解答用紙上は区別なく一種類に統一されています。指示に従ってマークすれば問題ありません。本番では焦ってマーク欄を間違えないよう、落ち着いて確認する習慣をつけておきましょう。
以上の対策を通じて、暗記に頼らず本質を理解する勉強を進めれば、新形式の問題も怖くありません。情報Ⅰは新しい科目で戸惑うことも多いかもしれませんが、裏を返せばしっかり対策すれば差をつけやすい科目でもあります。今回の16進数の出題に関する対策も、ぜひ早めに着手して他の受験生にリードしましょう。過去問研究や教科書の隅々までの理解がカギです。頑張ってください。
おわりに
「情報Ⅰ」の共通テストで新たに導入された16進数入力形式の出題について、その背景と具体例を解説してきました。マークシートに「e」「f」が追加されたことで、RGBカラーコード、IPv6アドレス、MACアドレス、文字コードなどが実践的な問題として登場しうることがわかりました。それらは単なる知識問題ではなく、仕組みへの理解を問う方向性で出題されると予想されます。
受験生の皆さんは、ぜひ 「なぜそうなるのか?」 を大切に学習を進めてください。16進数の計算練習を積むのはもちろん、今回紹介したような身近な例と結びつけて覚えることで、暗記に頼らずとも本番で対応できる力が付きます。情報科の学習は将来のITリテラシーにも直結する有用な知識ばかりです。ただ数字を覚えるだけでなく、コンピュータが情報を扱う原理を楽しみながら理解していきましょう。その積み重ねが共通テストで高得点を取る秘訣であり、ひいては入試本番やその先の大学での学びにもきっと役立つはずです。
最後に、くれぐれもケアレスミスには注意して、本番では落ち着いて実力を発揮してください。マーク欄の変更点もしっかり確認し、余裕をもって見直しする習慣をつけましょう。新傾向の問題にも対応できるよう十分準備をし、本番では自信を持って臨んでください。皆さんの健闘を祈ります!
