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【2026最新】医学部MMI実施大学一覧!川崎医科大の変更など最新動向と対策を専門予備校が解説

医学部入試において、従来の面接とは一線を画す評価手法として「MMI(Multiple Mini Interview:多面的客観評価方式)」の導入が急速に進んでいます。2026年度入試では、これまでオーソドックスな個人面接を行っていた川崎医科大学が突如MMI形式に変更するなど、受験生にとって「予測不能な事態」への対応力がより一層求められるようになっています。

医学部入試の二次試験といえば、かつては「15分程度の個人面接」が主流でした。しかし近年、医師としての資質をより多角的に、そして公平に評価するためにMMIを導入する大学が急増しています。

MMIは、2000年代初頭にカナダのマックマスター大学で考案されて以来、医学部を中心とした高等教育機関の入試において、世界的なスタンダードとなりつつあります。従来の個人面接と比較して、なぜMMIがこれほどまでに高く評価され、導入が進んでいるのか。その主なメリットと理論的背景について解説します。

MMIとは何か?

MMIは、受験者が複数の「ステーション(部屋やブース)」を短時間で回り、それぞれの場所で異なる課題や質問に答える形式の面接です。1つのステーションにつき数分から10分程度で、倫理的ジレンマ、対人コミュニケーション、データ解釈など、特定の能力(非認知スキル)を評価するように設計されています。

従来の個人面接と比較した4つの大きなメリット

評価の「信頼性」と「客観性」の向上

従来の面接では、1組の面接官が1人の受験者を短時間で評価します。この場合、面接官の主観や好みが評価を大きく左右するリスク(評価者バイアス)がありました。MMIでは、評価者がステーションごとに異なるため、1人の面接官と相性が悪かったとしても、他のステーションで挽回が可能です。複数の評価者のスコアを合算することで、統計的に信頼性の高い「客観的な指標」を得ることができます。

「ハロー効果」の抑制

「ハロー効果」とは、ある一つの優れた(または劣った)特徴に引きずられて、全体の評価が歪んでしまう現象です。

  • 従来型: 最初の5分で「優秀そうだ」という印象を持たれると、その後のミスが見逃されてしまう可能性が高い。
  • MMI: 各ステーションが独立しているため、前のステーションでの評価が次のステーションに影響しません。受験者のパフォーマンスを「一瞬の印象」ではなく、「多角的な断面」で捉えることができます。

多様な「非認知スキル」を具体的に測定できる

医学教育などで求められるのは、学力だけではなく、共感性、倫理性、批判的思考、チームワークといった非認知スキルです。MMIでは、特定のシナリオ(例:「友人が不正をしているのを見つけたらどうするか?」など)を提示することで、抽象的な「やる気」ではなく、具体的な状況下での思考プロセスや行動特性を直接観察することが可能です。

コンテンツの妥当性(網羅性)

1回の長い面接では質問できる範囲に限りがありますが、MMIでは例えば10個のステーションがあれば、10種類の異なる能力を個別にテストできます。これにより、「たまたま準備していた質問が来たから受かった」という運の要素を排除し、受験者の能力を網羅的に把握することができます。

なぜMMIが選ばれるのか

MMIの最大のメリットは、「公平で、科学的な根拠に基づいた選抜」が可能になる点にあります。特に、医師や医療従事者のように、高い倫理観とコミュニケーション能力が求められる専門職において、その人の「人間性」や「適性」をより正確に予測するための最適解として、MMIは今後もさらに普及していくと考えられます。

MMI導入大学一覧

国公立大学

国公立大学では、総合型選抜や推薦入試を中心に導入が進んでいますが、近年は千葉大学や筑波大学のように一般選抜で本格的に実施するケースが増えています。

大学名入試方式形式・内容の特徴
東北大学フロンティア入試(総合型)II期・III期個人面接の中にMMI形式を包含。
筑波大学一般選抜(前期)2回目の面接として実施。飲酒運転やカンニング等の倫理課題。
千葉大学一般選抜(前期・後期)7分×3回。生成AIの是非やチーム医療での葛藤など。
横浜市立大学特別公募制(学校推薦型)5つのテーマ(社会性・志望理由・協調性・独創性・倫理性)で評価。
宮崎大学学校推薦型選抜(地域枠)選考プロセスにMMIを採用。

私立大学

私立大学はMMIの先駆けである東京慈恵会医科大学をはじめ、一般選抜で本格的な複数ステーション制を敷く大学が目立ちます。

大学名入試方式形式・内容の特徴
獨協医科大学学校推薦型(公募・地域)5分×5回のステーション形式。
東京医科大学学校推薦型選考内容にMMIを含む。
東京慈恵会医科大学一般選抜日本初の導入校。7分×6回の本格的MMI。論理性・倫理性を重視。
帝京大学総合型選抜2025年度より新設。人物評価を重視した選考。
藤田医科大学一般選抜など2回の個人面接に加えて、MMIが5分×2回のステーション形式。プレゼンテーション型発表が特徴。
川崎医科大学一般選抜2026年度より事実上のMMIを導入。対人ロールプレイを含む課題型。

【最新トピック】2026年度入試の大きな変化

2026年度入試(2026年2月実施)において、川崎医科大学の一般選抜で大きな変化がありました。これまでのオーソドックスな個人面接から、課題を読み上げて回答させたり、面接官を患者に見立てて対応を求める「ロールプレイ型」の課題が出題されるなど、実質的なMMI(課題型面接)へと移行しています。

MMIで問われる「正解のない問い」の例

MMIでは、知識の有無よりも「思考のプロセス」が問われます。過去には以下のようなユニークな課題も出題されています。

  • 横浜市立大学:「西日本に第2の富士山を作るなら、場所や資金調達をどうするか?」「地球外生命体の形状を描き、その理由を説明せよ」
  • 大阪大学:「100人の患者に対し10人分の薬しかない場合、どう分配するか?」
  • 千葉大学:「チームメンバーが遅刻を繰り返している。リーダーとしてどう対応するか?」

対策のポイント:暗記ではなく「対話」を

MMIは、準備された「模範解答」を読み上げる場ではありません。

  1. 公平性の理解: 多くの大学で、高校名や経歴を明かさないルール(ブラインド面接)が徹底されています。純粋に「その場の思考と態度」で勝負する姿勢が必要です。
  2. 多角的な視点: 「自分はどう思うか」だけでなく、「患者ならどう思うか」「病院経営の観点ではどうか」「社会的な影響はどうか」と視点を切り替える訓練をしましょう。
  3. 瞬発力と切り替え: 新潟大学のように回答時間が2分と短いケースや、複数の部屋を回る形式では、一つのミスを引きずらず、次のステーションでリセットするメンタルが重要です。

MMIの導入拡大は、日本の医学教育が「学力至上主義」から「人間性・適性重視」へと大きく舵を切っている証拠と言えます。日頃から医療ニュースや倫理的課題に触れ、自分の言葉で論理的に説明する練習を積み重ねていきましょう。

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