私立医学部への進学を考える際、偏差値や学費と同じくらい重要なのが「大学病院の規模(病床数)」です。病床数が多いということは、それだけ多くの症例に触れられるチャンスがあり、将来の臨床研修先としてのポテンシャルも高いことを意味します。
全国の私立医学部全31大学を対象に、その「附属病院」の合計病床数をランキング形式でまとめました。2025〜2026年の最新データに基づいた決定版です。
このランキングは、各大学が持つ「大学附属病院」の許可病床数を合算したものです。関連病院を含めると数万床になる大学もありますが、今回は直接の教育拠点である「附属病院」に絞っています。※各大学の公式サイトおよび最新の届出病床数を合算。
| 順位 | 大学名 | 合計病床数 | 病院数 | 主な附属病院構成(2026年現在) |
| 1 | 順天堂大学 | 3,589床 | 6 | 順天堂医院、静岡、浦安、練馬、越谷、江東 |
| 2 | 昭和大学 | 3,246床 | 8 | 昭和大学病院、横浜市北部、藤が丘、江東豊洲など |
| 3 | 国際医療福祉大学 | 約3,200床 | 6+ | 成田病院、三田病院、熱海病院、塩谷病院など |
| 4 | 東京慈恵会医科大学 | 2,777床 | 4 | 慈恵医大病院、葛飾医療、柏、第三(狛江) |
| 5 | 藤田医科大学 | 2,636床 | 4 | 藤田医大病院、ばんたね、七栗、岡崎医療 |
| 6 | 埼玉医科大学 | 2,482床 | 3 | 埼玉医大病院、国際医療、総合医療センター |
| 7 | 帝京大学 | 2,354床 | 3 | 板橋病院、ちば総合医療センター、溝口病院 |
| 8 | 獨協医科大学 | 2,322床 | 3 | 獨協医大病院、埼玉医療、日光医療センター |
| 9 | 東京女子医科大学 | 2,143床 | 3 | 本院、足立医療センター、八千代医療センター |
| 10 | 日本医科大学 | 2,134床 | 4 | 日本医大病院、武蔵小杉、千葉北総、多摩永山 |
| 11 | 東京医科大学 | 1,964床 | 3 | 東京医大病院、八王子医療、茨城医療センター |
| 12 | 東邦大学 | 1,939床 | 3 | 大森病院、大橋病院、佐倉病院 |
| 13 | 関西医科大学 | 1,902床 | 4 | 附属病院、総合医療センター、香里、天満橋 |
| 14 | 川崎医科大学 | 1,885床 | 2 | 川崎医大病院、総合医療センター |
| 15 | 北里大学 | 1,862床 | 3 | 北里大学病院、東病院、メディカルセンター |
| 16 | 聖マリアンナ医科大学 | 1,813床 | 3 | 本院、横浜市西部、東横病院 |
| 17 | 東海大学 | 1,793床 | 4 | 伊勢原、大磯、八王子、東京病院 |
| 18 | 自治医科大学 | 1,776床 | 2 | 自治医大病院、さいたま医療センター |
| 19 | 杏林大学 | 1,493床 | 2 | 附属病院(三鷹)、杉並病院(340床) |
| 20 | 久留米大学 | 1,493床 | 2 | 本院、医療センター (※注1) |
| 21 | 日本大学 | 1,357床 | 2 | 板橋病院、駿河台病院 |
| 22 | 近畿大学 | 1,318床 | 2 | 新本院(800床)、奈良病院(518床) |
| 23 | 福岡大学 | 1,225床 | 2 | 福岡大病院、筑紫病院 |
| 24 | 兵庫医科大学 | 1,105床 | 2 | 兵庫医大病院、ささやま医療センター |
| 25 | 金沢医科大学 | 1,084床 | 2 | 附属病院(内灘)、氷見市民病院(250床) |
| 26 | 岩手医科大学 | 1,000床 | 1 | 岩手医科大学附属病院 |
| 27 | 慶應義塾大学 | 960床 | 1 | 慶應義塾大学病院 |
| 28 | 愛知医科大学 | 900床 | 1 | 愛知医科大学病院 |
| 29 | 大阪医科薬科大学 | 845床 | 1 | 大阪医科薬科大学病院 |
| 30 | 産業医科大学 | 820床 | 2 | 産業医科大学病院、若松病院 |
| 31 | 東北医科薬科大学 | 754床 | 2 | 附属病院、若林病院 |
目次
注目のアップデート解説
近畿大学:最新の「おおさかメディカルキャンパス」始動
2025年11月、近畿大学病院は堺市・泉ヶ丘駅前へ移転しました。ユーザー様のご指摘通り、新病院は800床となっています。旧病院(919床)から数は減ったものの、これはICT活用による効率化と、全室個室化(一部除く)などの高度な療養環境への転換を意味しています。奈良病院(518床)と合わせ、合計1,318床という非常にバランスの良い規模となりました。2026年現在のトレンドは、単純な「病床数の多さ」から、「施設の新しいさ」や「機能の集約化」へと移り変わっています。近畿大学の移転・減床はその象徴的な例と言えるでしょう。
杏林大学・金沢医科大学:「分院」の存在感
杏林大学医学部付属杉並病院(340床)や、金沢医科大学氷見市民病院(250床)を正確に合算しました。これにより、杏林大学は20位以内へとランクアップし、金沢医科大学も1,000床を超える大規模型大学としての立ち位置が明確になりました。
久留米大学:2027年度末の統合への動き(※注1)
久留米大学は現在、本院と医療センターの合計で1,493床ですが、2027年度末までに医療センターを縮小・再編し、本院(久留米大学病院)へ統合・集約する計画が進んでいます。将来的には「1病院への機能集中」によるさらなる高度化が予想されます。
ランキングの注目ポイント
圧倒的な「巨大ネットワーク」を誇るトップ3
順天堂大学が3,500床オーバーで首位を独走しています。続く昭和大学も附属病院が8つと非常に多く、都内を中心に強力な診療網を構築しています。新鋭の国際医療福祉大学は、成田病院(642床)をはじめグループ全体の拡大が凄まじく、今後もさらに存在感を増すでしょう。
「単独施設」としての日本最強は藤田医科大学
合計数では5位ですが、愛知県にある藤田医科大学病院は単一の病院として1,376床という日本最大の病床数を誇ります。「一つの巨大な城」で学びたいならここが最強です。
「少数精鋭」の慶應・日医・慈恵
旧設の名門校(慶應、慈恵、日医)は、病床数こそ3,000床クラスではありませんが、一つの病院あたりの密度や難病の症例数が非常に濃いのが特徴です。病床数=教育の質とは一概に言えませんが、「関連病院(医局員を派遣している病院)」を含めたネットワークは、ランキング下位の大学でも巨大であるケースがほとんどです。
地域医療の砦、独協や埼玉医大
北関東~埼玉エリアを支える獨協医科大学や埼玉医科大学は、地域の中核を担うため必然的に病床数が多くなっています。救急搬送数も多く、バリバリと臨床経験を積みたい学生には最高の環境と言えます。
まとめ
病床数の多さは、そのまま「マッチング(研修先探し)」の際の内製枠の多さにもつながります。「とにかくマンモス病院でたくさんの患者さんを診たい!」という人は上位校を、「特定の専門領域で深く学びたい」という人は、数だけでなく各病院の標榜科や強みをチェックして、将来のキャリア選択の参考にしてください。