厚生労働省「令和6(2024)年 医師・歯科医師・薬剤師統計」統計表10に掲載されている 「人口10万人あたり医療施設従事医師数(従業地ベース)」 を、都道府県別に多い順へ並べ替えたランキングです。
| 順位 | 都道府県 | 人口10万人あたり医療施設従事医師数(人) | 全国平均との差(人) |
|---|---|---|---|
| 1 | 徳島県 | 345.4 | +78.0 |
| 2 | 長崎県 | 333.8 | +66.4 |
| 3 | 京都府 | 333.2 | +65.8 |
| 4 | 和歌山県 | 327.7 | +60.3 |
| 5 | 高知県 | 325.2 | +57.8 |
| 6 | 東京都 | 324.1 | +56.7 |
| 7 | 岡山県 | 320.8 | +53.4 |
| 8 | 鳥取県 | 319.6 | +52.2 |
| 9 | 福岡県 | 316.1 | +48.7 |
| 10 | 島根県 | 313.7 | +46.3 |
| 11 | 鹿児島県 | 305.4 | +38.0 |
| 12 | 大分県 | 301.1 | +33.7 |
| 13 | 香川県 | 299.9 | +32.5 |
| 14 | 石川県 | 297.8 | +30.4 |
| 15 | 愛媛県 | 294.8 | +27.4 |
| 16 | 奈良県 | 294.7 | +27.3 |
| 17 | 熊本県 | 291.6 | +24.2 |
| 18 | 大阪府 | 290.1 | +22.7 |
| 19 | 兵庫県 | 285.3 | +17.9 |
| 20 | 広島県 | 279.5 | +12.1 |
| 21 | 福井県 | 277.9 | +10.5 |
| 22 | 佐賀県 | 277.7 | +10.3 |
| 23 | 富山県 | 275.5 | +8.1 |
| 24 | 山口県 | 274.0 | +6.6 |
| 25 | 宮崎県 | 271.2 | +3.8 |
| 26 | 山梨県 | 270.7 | +3.3 |
| 27 | 宮城県 | 267.7 | +0.3 |
| 28 | 沖縄県 | 267.2 | -0.2 |
| 29 | 北海道 | 258.6 | -8.8 |
| 30 | 秋田県 | 256.2 | -11.2 |
| 31 | 長野県 | 255.4 | -12.0 |
| 32 | 三重県 | 252.3 | -15.1 |
| 33 | 滋賀県 | 250.5 | -16.9 |
| 34 | 群馬県 | 249.9 | -17.5 |
| 35 | 山形県 | 244.9 | -22.5 |
| 36 | 栃木県 | 244.3 | -23.1 |
| 37 | 愛知県 | 243.0 | -24.4 |
| 38 | 岐阜県 | 238.9 | -28.5 |
| 39 | 静岡県 | 238.9 | -28.5 |
| 40 | 福島県 | 238.8 | -28.6 |
| 41 | 神奈川県 | 233.3 | -34.1 |
| 42 | 青森県 | 224.1 | -43.3 |
| 43 | 岩手県 | 223.8 | -43.6 |
| 44 | 新潟県 | 222.2 | -45.2 |
| 45 | 千葉県 | 213.3 | -54.1 |
| 46 | 茨城県 | 198.1 | -69.3 |
| 47 | 埼玉県 | 189.1 | -78.3 |
ざっくり要点
- 全国平均は 267.4人/10万人
- 上位:徳島(345.4)→長崎(333.8)→京都(333.2)
- 下位:埼玉(189.1)→茨城(198.1)→千葉(213.3)
- 最多(徳島)と最少(埼玉)の差は 156.3人/10万人(約1.83倍)で、都道府県間の差が大きい
簡潔な考察(なぜ差が出るのか)
- 「従業地(=勤務先がある都道府県)」ベースのため、大都市(例:東京都)に医師が集まる一方で、周辺県(例:埼玉・千葉・茨城)は、人口規模に対して医師の勤務先が相対的に少なく見えやすい
- 上位県は、人口規模が大きくない一方で、大学病院・基幹病院などの集積があると数値が上がりやすい(医師数が一定以上いて、分母人口が小さめ)という傾向
- ただしこの指標だけでは、同じ県内でも「都市部に偏っていて郡部が薄い」といった県内偏在や、診療科(小児科・産婦人科・外科等)の偏りは不明
現時点の主な問題(論点)
- 地域偏在(都道府県間+県内偏在):医師数が多い都道府県でも、医師が県庁所在地や大病院周辺に集中しへき地・中山間地域で不足している可能性あり。
- 診療科偏在(産科・小児科・外科など):医師数はあるのに、必要な診療科が足りない、当直・救急が回らないという問題が発生する可能性あり。
- 働き方・持続性の問題:医師の働き方改革(2024年度)で、時間外・休日労働の上限管理や健康確保措置が制度化される一方、地域や診療科によっては「人が足りないから回らない」という圧力が強く、単純な根性運用が限界に近づいている可能性。
考えられる解決策(現実的な方向性)
- 「配置の最適化」を回す仕組みの強化(都道府県の司令塔機能):都道府県には、医師確保対策を関係者で協議・調整する「地域医療対策協議会」や、実務拠点としての「地域医療支援センター」が設置。これを情報と権限が集まる場として、派遣・研修・キャリア支援を一体で運用することが重要。
- 医師偏在指標・医師確保計画を実行に直結するKPIにする:国は「医師確保計画」の見直し等で、偏在指標を踏まえた目標医師数の考え方などを示している。計画が単なる計画倒れに終わらないよう、二次医療圏単位で「どの病院群にいつまでに何人必要か」を具体化し、進捗を公開して実現を目指すのが現実的。
- 不足地域で働くことが医師個人のキャリア上のメリットになる設計:医師少数区域等で一定期間勤務した医師を認定する制度(医師少数区域経験認定医師制度)があり、勤務促進の仕掛けとして使える。医師個人の善意に訴えるお願いではなく、専門医取得・研修・融資や支援などとセットで選ばれる制度設計に寄せるのが鍵。
- タスクシフト/タスクシェア+デジタルで医師の可処分時間を増加させる:医師数を短期で増やすのは難しいため、看護師、薬剤師、救急救命士、診療放射線技師、臨床検査技師、事務職等との役割分担、標準化、遠隔支援(遠隔画像診断、遠隔ICU支援、オンライン診療等)で、医師が「医師でないとできない業務」に集中できる構造を作る。
- 働き方改革と地域医療の維持の両立を目指す(医療機関群で回す:個別病院だけに負担を背負わせようとせず、病院群で当直・救急・専門外来を分担する、専門医の巡回・兼務を前提に設計する、などの地域単位の運用が必要。制度上も医師の健康確保措置が重視されているため、医師の長時間労働で帳尻を合わせる現状からの転換が不可避。