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【ミニマム医学部小論文】2025年度医学部小論文 予想テーマ「AIと医療」の論点と対策

医学部入試の小論文や面接では、昨今話題の「AIと医療」に関する質問が出される可能性があります。AIは今後の医療に不可欠であり、基本的な知識を身につけておくことが重要です。本記事では、医療現場でのAI活用例、AIの利点と課題、そして小論文や面接で問われた場合のポイントについて解説します。

医療現場におけるAIの具体的活用例

医療現場ではAIの導入が始まっています。具体的には、診断の補助や画像解析、医療事務作業の効率化など様々な分野で活用が期待されています。例えば画像診断支援AIにより医師の見落としを減らす試みが進められており 、内視鏡検査でAIが医師と協働して早期胃がんを検出する技術も登場しています 。また、診断だけでなく膨大な医学論文や症例データをAIが解析し、新たな治療法の発見や最適な治療計画の立案に役立てる取り組みも進んでいます 。

さらに、医療事務の効率化にもAIが活用されています。例えば、AI問診システムを導入した病院では医療スタッフの負担が軽減され、患者の待ち時間も短縮したと報告されています 。このようにAIは診療やケアを支える多くの場面で活躍し始めています。

AIの医療への利点

AIを医療に活用することで得られる主な利点として、以下が挙げられます。

  • 診断精度・効率の向上: AIは大量の医療データからパターンを迅速に見出すため、画像診断や検査データの分析で医師をサポートし、見落としの減少や診断スピードの向上が期待できます 。例えばAIががんの兆候を検出し医師に提示することで、早期発見・治療につながります。
  • 医療従事者の負担軽減: 書類作成やレセプト(診療報酬請求)業務、問診の自動化など煩雑な事務作業をAIが代行することで、医師や看護師は患者対応や治療により専念できるようになります 。その結果、業務効率が上がり医療現場の人手不足解消にもつながると期待されています。
  • 新たな医療の展開: AIは人には解析が難しいビッグデータの処理に優れており、ゲノム(遺伝子)解析による個別化医療や、新薬候補の探索などにも寄与します 。従来困難だった疾患傾向の分析や治療法の開発にも新しいアプローチをもたらしています。

AI導入における課題

一方で、医療へのAI活用には慎重な検討が必要な課題もあります。主な課題として、以下の点が指摘されています。

  • 倫理・責任の問題: AIの診断に誤りがあった場合、誰が責任を負うのかという問題があります。現状ではAIはあくまで医師の補助であり、最終的な判断と責任は医師が負うべきだという考えが一般的です 。生死に関わる決定をAIに任せるべきではないとの指摘もあり 、医師がAIの提示した結果を理解し吟味する体制が不可欠です。
  • データと精度の課題: AIを動かすには大量の患者データが必要で、その取り扱いにはプライバシー保護が不可欠です。さらにAIの診断精度もまだ完全ではなく、誤った結論を出すケースもあります 。そのためAI任せにせず、最終的に人間がチェックするプロセスが欠かせません。
  • 患者との関係性: AIに頼りきりで医師と患者の対話が減れば、信頼関係が損なわれかねません。医療はデータ分析だけではなく患者の心に寄り添うことが大切です。機械には共感や柔軟な判断ができないため、AIに任せられる部分は任せつつも、人間らしいケアを疎かにしない姿勢が求められます 。

小論文や面接で問われた場合のポイント

医学部の小論文や面接で「AIと医療」について問われた場合は、賛成・反対双方の論点を整理した上で自分の考えを述べることが重要です。AIの利点(効率化や精度向上など)と課題(倫理や責任問題、信頼関係など)にそれぞれ触れ、「私は○○と考えます」と立場を明確にしましょう。例えば、「AIのおかげで医師の見落としが減りますが、最終判断は人間が行うべきです。私はAIは医師の良い補佐役になると考えます」のように簡潔にまとめれば、説得力が増します。

要は、AIの話題を通じて試されるのは医療への関心と自分なりの価値判断力です。単に知識を述べるだけでなく、なぜそう考えるのかを自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。最新技術への前向きな姿勢と、人間味のある医療を大切にするバランス感覚を示すことが大切です。




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